表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
148/205

148 まずはみんなでお買い物

 俺たちは4人は魔球の試合が始まるまで買い物をすることにした。


 俺は足りなくなった調味料や食材、ソプラは学園生活で使う生活用品、シフォンちゃんは下町での買い物が初めてといいながら雑貨と衣類、ユーヤさんはお店の掃除道具を見て回った。


 側から見ると4人が楽しく買い物しているように見えるだろう。


 だが実際は違う!!


 ふっふっふっ! 見える、見えるぞ! 他の男達の好奇の視線が!


 青いサラサラショートカットを揺らしてはしゃぐ、言わずもがな一番かわいいソプラ!


 買い物が楽しくてピクピクと耳と尻尾を揺らす愛らしいユーヤさん!


 貴族の凛とした雰囲気の中にもソプラと一緒にはしゃぐ年相応の少女の反応を見せるシフォンちゃん!


 美少女を3人もはべらせて、俺の一人勝ちみたいな過去に無い最高のシュチュエーション!!


 羨しかろう!! 羨しかろうー!!


 本当はソプラと2人でデートの予定だったけど、これはこれでいい!!


 ソプラもめちゃくちゃ喜んでるし、その笑顔だけで鼻血でそうです。


 あぁ……こんな事前世では皆無だったなぁ。生まれ変わって本当よかった。


 しかし、俺は女の子の買い物というものを侮っていた。


 かわいい服やアクセサリーなどを見つけると立ち止まってキャッキャと大盛り上がり次から次へと店を周り商品を見て回る。


 ソプラが気に入ったように見入っている服や、シフォンちゃんがマジマジと見ているかわいらしい魔道具など「買ってやろうか?」と声かけても「見るだけでいい」という反応が返ってくるのだ。


 なぜ買わない。俺はこの為にきっちり仕事して稼いだお金を持ってきているというのに。


 俺は当然そんな輪の中に入れるはずもなく、隣の武器屋のおっちゃんが研いでいる包丁をみたり、ムートが買えとうるさい屋台の肉などを食べていた。


 女子の買い物……めんどくせぇええ!!





 * *





「あー疲れたー。でもこんな楽しい買い物初めてだよぉ♪」


「下町にもこんなにたくさん店があるなんて知りませんでしたわ」


「私も買出し以外の買い物は久しぶりだけど、やっぱり女の子同士の買い物は楽しいね♪重い荷物もアルトちゃんが運んでくれるし最高だね」


「こんな疲れた買い物初めてかもしれない……」


 俺たちは休憩の為カフェっぽい店でお茶を飲んでいた。


 まさか朝からぶっ通しで買い物するとは思わなかった。体力的には大丈夫なんだけど精神的に疲れた……女子の買い物怖い。


「さあみんな! 買い物も楽しかったけどメインイベントは魔球観戦だよ!」


「そうです! ジャビッツ様の勇姿をこの目に焼き付けますわ!」


「行くぞー!!」

「おぉー!」


 お目当ての投手を見れるという事ではしゃぐユーヤさんとシフォンちゃん。


 本当元気だなぁ。


『ほら、お主も立て! 早く行くぞ! 我も楽しみでたまらぬ!!』


 頭の上のこいつもずっとソワソワしっぱなしだし、そろそろ行きますか。


「ソプラも大丈夫? 疲れてない?」


 会計を済ませながら、一日中歩き回りあまり魔球に興味がなさそうなソプラを心配して声をかけた。


「うん、大丈夫。アルトちゃんと一緒だからどこでも楽しくて疲れてる場合しゃないよぉ♪」


 満面の笑みで返された。


 はい、全ての疲れ吹き飛びました!


 もう、今すぐ抱きしめたい。お姫様抱っこしてクルクル回りたい!


 そんな最高の気分を迎えていたら横から汚い声がかかった。


「おう、嬢ちゃんたち魔球観戦に行くのか? 俺らも混ぜてくれよ」

「観戦木札は貴重だぜ? 俺たちが預かってあげるからよぉ一緒行こうぜ! ギャハハ!」


 酒飲んで目がすわっている二人組が絡んできた。


「黙れ。俺は今最高の気分なんだ。気が変わらない内にその臭え口紐で縛ってサッサと失せろ」

「ちょっと、アルトちゃん」


 俺はみんなを背中で庇い、酔っ払いの前に出た。


「っんだとこのガキ!!」

「俺らのご好意を踏みにじるとはお仕置きが必要だなぁ!?」


 なんともモブっぽい台詞を吐きまくる酔っ払いだ。こんなのに時間かけて構ってやる事もないか。


『おい、アルトやるか?』


 早く魔球観戦に行きたいムートが前のめりになり歯をむき出している。


「あぁ、俺の気分を害した罪、半殺しで許してやろう……やれ! ムー……」


「そこまでッス!! その子たちから離れるッス!!」


「ふぇ?」


 俺の声を遮り割り込んできたのは、小柄で大荷物を持った衛兵の少年だった。

よろしければブクマや感想、下記の評価☆などをクリックしていただくと、大変励みになります!

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろしければ下記の投票よろしくお願い致します! 小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ