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146 魔球観戦木札

「すごい!! この木札……ってこれ! タイガウス対ジャイオンズ戦の木札じゃないか!? 全然買えないのに!! どうやって手に入れたの!?」


「んーこれなに? ユーヤさん?」


 俺は木札を持って興奮気味にユーヤさんに食いつくが、ソプラはなんなのか全くわかっていないようだった。


 俺が興奮するのには訳がある。


 実はこの世界には魔球という名の『野球』が存在する!!


 ムートに乗って配達していると、たまに野球みたいな事してる人達が見えてたからミーシャに聞いてみたら教えてくれて、一般的というより兵隊の訓練などに取り組まれているようなのだ。


 ルールは野球とほぼ変わらないのだが、魔法を使用する事がOKな分特殊なルールが加わっている感じだ。


 そして、たまに訓練のお披露目を兼ねて試合が行われるときにこの木札が発行される。


 但し、これがこっちの世界でも大人気で今持っている、タイガウス対ジャイオンズ戦の木札なんて超がつくほどのプレミア木札なのだ!


 元々前世で甲子園目指すほど野球やってた事もあり野球観戦などは大好物なのだが、木札の入手は難しくてほぼ諦めていたのだ。


「ふふーん、実はとある極秘裏ルートからのものなんだ……2人が今日久しぶりに遊びに来るというから私が手を回している闇の売人を通じて……」


「ユ、ユーヤさん……そんな怖い人とかかわったらダメだよぉう」


 ソプラが信じた様子でユーヤさんを心配しだしている……くぅっ!! なんて純粋なんだ!! 抱きしめたい!!


 ソプラの反応に気を良くしたのか、ユーヤさんは更に続ける。


「大丈夫だよソプラちゃん、私はこう見えてもちゃんとした『大人の女』だからこれくらいの事チョチョイのチョ……」


「商店街の福引きで当たったやつだろ?適当な事言うんじゃねぇよ」


「んにゃー!? おとーさん!! バラしちゃダメー!!!!」


 皿を片付けにきたサコさんのネタバラシに、耳と尻尾をバタバタさせ顔真っ赤にしながら必死に誤魔化そうとするユーヤさん。


 お姉さんムーブでも取りたかったんだろうなぁ。こっちもこっちで、めちゃくちゃかわいいんですけど、尻尾モフモフしたい。


『なんだその板切れは? お主が驚くほどだから、相当美味いのか?』

『クックゥ?』


 俺たちの騒ぎように食事を終えたムートとクーちゃんがテーブルに乗って木札を除きこむ。


「ちげーよ! 魔球の観戦木札だよ! めちゃくちゃ面白いんだぞ!」


『何っ!? お主がたまに見たいとか言っておったアレか!? 我も見るぞ!!』


「見たいって言ったっておまえルールわかんねぇだろ?」


『何をいう、こういうのは球場のノリと雰囲気でも楽しめると言っておったではないか』


「むっ? たしかにそうだな……」


 ムートにしてはいい事覚えてるじゃねぇか。


「でもさユーヤさん、なんで俺らにくれるの?」


「私魔球のルールとかわからないから、魔球に詳しそうなアルトちゃん連れて行った方が面白いかな? って思ってね」


 そう言ってもう2枚ポケットから木札を取り出してニカッと笑った。


 なるほどね、たしかに知ってる人と行けばより楽しめる、さすがユーヤさんだね。


「じゃあ、わたしとアルトちゃんとユーヤさんとサコさんで行くの?」


「俺は店番にいないとならねぇからお前らだけで行ってこい」


「それなら木札余っちゃうね」


「ん? 入り口にいる子は友達じゃないの?」


「「え?」」


 ユーヤさんが入り口を指差してそっちを見ると、フリフリした金髪を揺らしながら食い入るように覗き込んでいるかわいい女の子がいた。


「シフォンちゃん!?」

「誰!?」

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