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133 お手紙

「ゴクゴクゴク……ぷはぁ。ごちそう様でしたー。ありがとうシフォンちゃん、助かったよぉ」


 わたしは飲み干したコップをトレイに置き、お昼の食事を確保してくれていたシフォンちゃんにお礼をしました。


「お安い御用ですわ。でも、2人分確保できたのは、ソプラが多少時間を稼いでくれたおかげですのよ。普段はシャワー浴びている間に、ほぼ全てのメニュー完売してしまってますもの……。それに大量の卵もあったからですわね」


「うん、そうみたいだね……」


 2人でまだ食事中のターニャさんを見ると、今しがた運ばれてきた超特大オムライスを目をキラキラさせて、口いっぱいに頬張っています。


 顔の高さまであるオムライスなんて初めて見ました……。


「そうだ、今のうちにアルトちゃんに手紙書いとかないと」


 わたしはターニャさんに頼まれた事を思い出して、カバンから紙とペンを取り出し手紙を書き始めました。


 そういえばアルトちゃんに手紙を書くなんて初めてだなぁ……何書こうかなぁ♪


 まずは、仕事中のアルトちゃんが元気ないとターニャさんが言ってたので心配してます。っと……。


 それから、お友達ができた事、貴族のお嬢様ばっかりだけど気さくに話しかけてくれる事、寮生活の事、アルトちゃんの手作りお菓子が恋しいなぁとか……あーいっぱい書きたくて選べないよぉ〜。


 わたしは思いつくまま紙に学園での出来事や、アルトちゃんに教えてあげたい事などを書き連ねていきました。


 そんな感じでペンを走らせていたら、何やら気配を感じました。


 ふと目線を上げると、対面に座ったシフォンちゃんがジッとわたしを見てきます……。


 なんだろう、すっごい見られてるよぅ。


「ねぇ、ソプラ。そのアルトと言う子、本当は殿方なのでしょう?」


「ブフゥーー!!」


 シフォンちゃんが急に変な事言うから吹き出しちゃいました。


「あら? やっぱりそうでしたの?」


「ちっ! 違うよぅ!! 女の子だよぅ!! シ……シフォンちゃん!! 何言ってるの!?」


「だってあなたから聞くアルトって言う子の話、どこをどう聞いたって殿方にしか聞こえないですわ。……それに手紙を書いてるだけで、とても嬉しそうな顔してるんですもの」


「えぇっ!?」


 わたしはとっさに両手で頬を押さえました、そ……そんなに嬉しそうな顔してたのかなぁ? なんだか顔が凄く熱くなってくるよぅ!


 えっと……シフォンちゃんにしたアルトちゃんの話って確か……初めて会った時いきなり告白された話、町のいじめっ子から助けてくれた話、悲しい時にはずっと側にいてくれる話、などなどアルトちゃんの凄い所……。


 ………………。



























 あっれぇええええええええええー!!!?


 確かにこれ男の子でも成立する話ばっかりだ!? 完全に間違われても疑いようがないよぅ!?


 でも、嘘ついてないし、本当のことばかりだし……いやいやダメだこれ、誤解しか生まないよぉ!!


 とりあえずシフォンちゃんには誤解を解いておかないと。


「うぅ……いや、これは……あのね……」


「フフフ、いいのよ。乙女の秘密をバラすような事はしないわ……友達でしょ?」


「え……う、うん……」


 シフォンちゃんはどこか満足気な表情をしながら、わたしが言い訳を言う前に口元を指で押さえられてしまいました……。


 間違いなようで間違っていないような……でも、変な誤解をされているような気がします……。


「おっ!? ソプラちゃん早速手紙書いてくれたの!?」


「ターニャさん! はい、アルトちゃん心配だから急いで書きました」


 シフォンちゃんと話をしていたらひょっこりとターニャさんが声をかけてきました。


 わたしはターニャさんに頼まれていた手紙をサッと折り畳んでわたしまし……ん?


 あれ? ターニャさんはさっきまで超特大オムライスを食べていたはずなのに? なんでここにいるの?


 ふとさっきまで座っていた席を見ると、綺麗さっぱり食べ終えた後のお皿がありました。


 しかも、2枚……。


 マジですか……?


「ありがとう。これでアルトちゃんも元気になってくれるでしょ♪それじゃわたしとくねー」


 そう言って食堂の赤い悪魔は去っていきまし……。


「あの! ターニャ様!?」


「「ん?」」


 突然シフォンちゃんがターニャさんに声をかけて呼び止めました。


 そりゃそうだろうね……あの容量のオムライスがどこに消えたのか、食後になんでそんなに軽やかに動けるとかツッコミたい所いっぱいあるもんね。


「その手紙の受取人のアルトって女の子は……実は殿方なのではないしょうか!?」


 そっちぃいいいいいいいいいいい!?


 だからシフォンちゃん完全に間違ってるよぉおおお!! アルトちゃんは正真正銘の女の子なんだよぉおおお!!


 あっ!! でもターニャさんの証言があれば誤解は解けるよね!? よかった……これで一安心だよぉ。


「あぁ……アルトちゃんは間違いなく男だろうね!! 君いいセンスしてるねぇ!! あははははははは! じゃあまたねー」


「ターニャさーーーーん!!!!!?」


 ちょっと何言ってるんですかぁ!! 帰りながら誤解の上塗りしないでくださいぃ!!


 ほら!! シフォンちゃんも「やっぱりね」みたいなドヤ顔でこっち見てるし! お願いします! 誤解といてぇ!!


 その後、誤解は解いたものの話の種として、しばらくいじられる事になるのでした。

書いていてソプラに悶えてました事をここに報告致します。


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