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130 自己紹介は落ち着いて

 朝の太陽が眩しく教室を照らす中、わたしはカチコチに緊張していました。


 ちなみにクーちゃんは授業中なので別の所で預けてあります。


 目の前には制服を着て、席に座る女の子がいっぱい……みんなわたしを凝視してます。


 うー! そんなにみないでぇ!! 緊張して頭グルグルだよぉ!


「はーい! 全員そろいましたね!? 今日はみなさんに新入生を紹介します! さあ、ソプラさんどうぞ♪」

「え? いや、あの……」


 元気なトランさんに背中を押されてまごついていると。


「あの……トラン様? なぜここにいらっしゃるんですか?」


 トランさんが勝手にホームルームを始めようとする事に待ったをかけた担任の先生が、いぶかしげにわたしとトランさんを交互に見ています。


 今日は初めて学園に登校して


「なぜ? って、そりゃソプラさんがこのクラスに入学してきたからですよ! 3属性扱える上に特属性まである平民出身の子ですよ! 貴族の子と違い、変な気遣いなんかもしなくてもいいし、研究には持ってこいの子ですので、朝から仕事を投げ出して……」

「早く帰れ!」


 担任の先生に一喝され、トランさんはガックリと肩を落とし教室を出て行きました。


「はい、じゃあ改めて自己紹介から。名前と得意属性がわかっていれば得意属性。あとはこの学園でやりたい事なんかあればどうぞ」


 先生がわたしの背をポンと押してくれて自己紹介が始まりました。


「えっと……ベ、ベルンから来ました、ソプラです! 得意属性は水属性と特属性です。あの、あの……友達たくさん作りたいです!……あ」


 どうしよう、つい本音を言ってしまいました。貴族の子ばかりなのに平民のわたしが友達作りたいなんて変な事を言ってしまいました。


 はぅう……絶対バカにされるよぅ。


 わたしの顔がみるみる熱くなっていくのを感じながら、下を向いて口を紡ぐと。


「ふふふ、よろしくですわ」

「あははは、かわいー!」

「これからよろしく!」

「え?あれ?あの……」


 思っていた反応とは違った反応が返ってきてキョトンとしていると。


「はい、よくできました。じゃあ席はあそこね」

「え、はい」


 わたしは言われた席に座ると、何事もなかったようにホームルームの続きが始まりました。


 しかし、ホームルームが終わり、先生がいなくなると……。 


「ねぇねぇ! あなた王前の儀に出てたのよね!?」

「ヴァリオ様ってやっぱりかっこいいお方なの!?」

「ナカフ音楽祭(ミュージックフェスタ)で優勝したって噂だけど嘘よね!?」

「ねぇねぇ後で召喚獣触らせてくれない!?」

「えっ!? えっ!? ふわぁあああ!?」


 クラス中の人達が一斉にわたしの周りに集まってきました!


 怒涛の質問攻めにわたしは大混乱です!!


 あれー!? 貴族令嬢の人っておしとやかな感じと言うか、もっとこう……あれー!?


 慣れない質問攻めに戸惑うものの、わたしは一つ一つ質問に答えていきました。


 すると、平民のわたしの話はとても珍しいらしく授業の合間の休み時間は常に囲まれてお話しする事になりました。


 なんだか貴族令嬢だからと緊張してたけど、みんな町の女の子とそんなに変わらないんだなぁと少しホッとしました。


 でも不思議な感覚です。青い目で引っ込み思案だったわたしがこんなにたくさんの人に囲まれて質問攻めになってるなんて。


 この目の色が変わる指輪のおかげというのもあるけれど、やっぱりこんなに成長できたのはアルトちゃんのおかげだよね……。


 わたしは気持ちがだいぶ楽になるのを実感して、改めてこの学園で頑張ることを決めるのでした。

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