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短編・魔王さまはお留守です、、他。

魔王国宰相の面倒くさい日常。

 魔王さまは今日もお出かけになられた。

人の国の王を気に入ってイジメに出かけるのが恒例行事になっている。


イジメられた王がどうするかというと異世界から勇者を召喚している。

まあ、この世界の魔族は他種族に比べたらダントツだからな。


でも異世界から召喚しても強いヤツって訳じゃあない。

大抵はレベル1なんだよ。

多少の特訓はしてるようだけど魔王さまどころか側近たちにも

敵うヤツはいなかった。


それでも結構根性を見せるヤツもいるので魔王さまは楽しそうだ。

そうしてまた、人の国の王をイジメに出かける。

なので王はまた召喚をするというループになっている。


あー……面倒クサイ限りだなぁ。


今日も新手の勇者のパーティが来た。

なのでまた一から説明する。魔王さまはお留守です。


いつもと違ってヤル気の無い勇者だった。


「もうイイや。帰る方法を知りませんかね? 宰相さん。

帰れれば首輪くらい〔S〕のヤツが外してくれるだろうしね。」


どうやら隷属の首輪が無ければ魔王城ココへ来る気は無かったようだ。

ところが彼等の後ろから声がした。


「オレのことを呼んだかい?」


勇者は振り向いて叫んだね。

「〔S〕!!! なんでこんなトコに居るんだよ!」


「まあココの神さまから救援要請が来てね。

召喚しすぎる人の王さまと原因の魔王さまを何とかしてほしいってさ。


君まで召喚されてるとはねぇ……二度目かい?三度目かい?  

対策は元の世界でするからちょっと神殿で待っててくれよ。じゃあねぇ~~」


そういうと勇者のパーティを軽く送還してしまった。


「あー、オレも勇者なんだけど魔王さまってお留守ですか?」


そうなんです。

仕事を全部押し付けて人の国に遊びに行ってます。

今までも勇者をメタボロにしまくってますが殺してません。

どうかなんとかご勘弁いただく訳にはいきませんか? 


何しろ見ただけでこの〔S〕と呼ばれた勇者が規格外なのが私でも分かった。

魔王さまでもまともに相手はできないと思う。


「まあ、神さまのご依頼は魔王さまの排除とかじゃあないですからね。

無理矢理な召喚をやめて頂ければイイんです」


知らせで帰ってきた魔王さまは納得しなかった。

結果! ボロ雑巾に変身させられちゃいましたぁ。


無理矢理な召喚をするとこの世界にも向こうの世界にも穴が開くんだそうで

いうなれば世界自体の危機を引き起こすと脅された。


人の国の王さまも一緒に説教をくらったので二人は特大の

ダメージを共有したようだ。

(内心でざまあ! と思ったのは内緒だけどね)



魔王さまは相変わらず仕事をサボって人の国の王さまと遊んでいる。

勇者〔S〕が異世界の遊びを色々教えて行ったそうで二人で

対戦しまくっているらしい。


今の所成績は五分なようで「人のくせに生意気だ!」

が最近の口癖になっている。


どうでもイイけどたまには仕事をしてくれよ! 

これじゃあオレが魔王みたいじゃあないか! 


そう思いながら勇者〔S〕を思い出す。

あんなのでも挑んでいったんだよな魔王さま……

オレ全然無理だもんなアレに挑むなんて。


しょっちゅう留守でも魔王はあの方にやっててもらおうと思う

宰相さんなのでした。

う~ん、結局宰相さんのお仕事は変わらないみたいですね。


ご近所のある国ではトップになるほど仕事をすると

バカにされるという伝統が昔はあったそうです。

今でもそうかは知りませんけどね。


周りが全部処理するというのが理想的なトップだったそうで。

日本人ならノイローゼになりかねない気がしますけどね。

まあ、どこまで部下に任せられるか見極めるのが上の人の

器量だったりします。


全部任されてる宰相さん。

ちゃんと魔王さまに見込まれてるんですよ……うん。

遊びたいから任せてるんじゃあない……

と思うんだけど……ねぇ。

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