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第二十八話 最終決戦

 


 



「地球上のベガの皆様まで、我が星へお越しいただきるとは誠にありがとうございます。

 捕獲する手間が省けましたよ」


 ロイの言葉に、その場にいた全員に緊張が走る。


 続々と警護のレプタリアンが集まり始めた。

 

 まずい、この狭苦しい研究室での戦闘となったらやりにくい。

 なんとかしなきゃ!

 

 レプタリアンが、攻撃を開始しようとしていた。

 俺は黒い炎をだして、襲い掛かってきたレプタリアンを次々に拘束していく。

 でも、数が多すぎて、拉致があかなかった。


 そのとき、蓮からのテレパシーが入った。


(( ベガのみんな、最大出力で防御を張って!! 壮君、爆発を起こして!

 あのロイとレプタリアンごと吹き飛ばすんだ!))


「敦! キース! 俺の後ろに回って!」


 俺は、これまでのすべての思いを込めて、フルパワーの力を引き出した。

 研究所内が俺の赤黒い炎で一杯になる。

 ロイの顔が少しだけ歪んだ。


 その瞬間、最大出力の爆発を起こした。

 地下5階での爆発で、集まってきたレプタリアンごと研究所の大半を吹き飛ばした。


 ロイは爆発の瞬間、防御を張って被害を免れた。


「全く厄介な爆発能力ですね。でもその能力、非常に興味あります。

 壮君。君は面白い能力の宝庫だ。次はあなたを私に取り込みたいものです」


「ふざけんなぁ~~~~!」


 敦とキースがネフィリム化して、ロイに襲い掛かる。

 ロイもさすがに、人の姿のままではこの二人を相手にできないと踏んだのか、人化を解き、一気にネフィリムの姿へと変貌した。

 みるみる体が大きくなり、その体は6mほどとなった。


 敦とキースがとびかかる。

 4m級の敦と3m級のキース。ネフィリム同志の肉弾戦だった。


 ロイがかわすより早く敦の攻撃が早かった。

 ロイの体を大きく切り裂く。


 しかし、俺たちが驚いたのは、次に起きた出来事だった。


 大きく切り裂かれた傷が、ロイがなぞるだけで回復して、元に戻ったのである。


「先日、ようやくベガの回復能力を手に入れましてね。

 ついに私は、無敵となったのですよ。たくさんのベガのみなさんの犠牲の上の進化です。

 心より感謝いたします」



 その言葉を聞いた瞬間、蓮を含む全ベガ種の怒りがあらわになった。


 最大のパワーに最強の防御と回復力を手にしたロイ。

 どうやったら、倒せるのか。


(( 壮君の力で、回復力を無効化するしかない! ))


(( 俺もそれは思ったけど、あいつに近づいて触れるチャンスが作れるのかどうか・・・・))


(( ベガのサイコキネシスで、あいつの動きをとめる! みんなお願い!))


 蓮を含む全ベガが、意識を集中してロイの拘束にかかる。


「ほうほう、サイコキネシスで対抗ですか。

 蓮君、言ったでしょう。私はネフィリムの中でも最もサイコキネシスに長けた者であると。

 たとえ、全ベガが相手でも負けませんよ」


 ロイは、ベガが全力でかけた拘束を一気にふりほどいた。


「もう、ちょこちょこと動き回られてはかないません。

 ベガの回復力はすでに手に入ったので、用済みなのです。あなた方は!

 回復も間に合わないほどのダメージを与えてあげましょう。

 遊びはここまでです。さようなら、みなさん」


 ロイが、一気に力を放出しはじめた。


「まずい! ロイのこの攻撃で、親父はやられたんだ!」


 敦が叫ぶ。敦とキースが共同で、俺に防御シールドを張る。

 蓮達は、自分たちに防御シールドを張ったが、そのシールドをうちやぶるような大爆発がおこった。


 見渡す限りの地上のものがすべて無くなるようなパワーを持った爆発だった。


 辺りを見回すと、ベガ種が傷つきあちこちで倒れていた。

 致命的なダメージを受けている。

 あたり一面が、ベガの体液だらけだった。


 蓮も体に深い大きな傷を受けて、青紫の体液がドクドクとあふれだしていた。

 回復しようとしているが、本人の意識がもうろうとしている。


 敦やキースもさっきの爆発時、防御シールドを俺に張ったせいで、もろに爆発を受けていた。

 俺だけが無傷だった。


 絶対絶命だった。

 俺一人で、あのロイとどうやって戦えばいいのか。


 敦が、傷だらけになりながら、俺を呼ぶ。


「壮・・・、これは賭けだ・・・。

 ネフィリムを倒せるのはネフィリムしかいねぇ・・・。

 俺の一部をお前に分けてやる・・・。

 ベガの一部を取り込めたお前だから、ネフィリムも・・・とりこめる・・・」


 敦は、息も絶え絶えに、俺の腕に少しの傷をつけ、敦の体からあふれ出すネフィリムの体液を流し込んだ。

 その瞬間、脈がドクンと強く波打った。


 俺の体に、異変が起きた。


「あ・・・・ああ・・・ああ・ああああああああああ!!!!」


 全身が沸騰したように熱くなり、シューシューという音を立てながら湯気が立ちはじめた。

 体の中で何か別の生き物がうごめいている感じがした。


 中から引き裂かれるような、激しい痛みが全身を襲う。


「くそ・・・拒絶反応か・・・・?」


 敦の顔が歪む。


「あああ・・・・ああああああああ・・あああああああああああ!!!」


 俺は、声にならない叫びをあげ続けた。


 バリバリと音を立てて、俺の体が中から引き裂かれ、みるみる体が大きくなっていった。

 ロイよりも大きな10m級のネフィリムに変貌していた。


 俺は、痛みと怒りで半分我を忘れていた。

 目の前のロイめがけて、集中砲火を浴びせ続けた。


 ロイは防御を張ったが、俺の長い連撃爆発に耐えられなくなり、シールドがはじけとび、集中爆発の標的になった。

 ロイにとびかかり、後ろに倒した。

 ロイは、集中砲火を浴び、そのダメージを回復する時間がなく、抵抗できずにいた。


「――― 回復無効」


 ロイの体に触れて、宣言したあと、俺は黒い炎でロイを締め上げ、鋭い爪で体を引き裂いた。

 ロイが声にならない叫びをあげた。


 最期にこれまでとは比べ物にならない破壊力を伴った爆発をロイにめがけておこした。

 この爆発で、ロイは木っ端微塵となり、消し飛んだ。


 戦いは、ようやく決着した。


 俺は、やっと正気に戻り、ネフィリムの姿から人間の姿へと戻った。

 蓮の元に駆け寄り、蓮を抱き上げ、蓮がいつもやっているように意識を集中させて、回復を試みた。

 俺の中に蓮の細胞が生きているなら、俺にだってできるはず。


 青白い光が蓮を包む。

 蓮が驚いたように、こっちを見ていた。そして笑った。


「壮君・・・、無敵すぎ・・・」


「へへ」と俺は、笑い、蓮の回復を急いだ。


 蓮が回復できれば、他のベガ種を回復して、どんどん連鎖的に回復できるようになる。

 俺の回復と蓮自身の回復が相まって、あっという間に傷が治った。


 蓮が急いで、両親の回復を行う。


 俺はその間に、敦とキースの回復を行った。

 ベガ種はベガ種同士で回復しあった。


 なんとか、全員回復が済み、無事復活した。


 俺たちの長い長い戦いは、ようやく終結を迎えたのだった。




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