4、
そして、泣きながらもスープを食べ終え、疲れたのか、くたりとオーランドの膝に頭を預け、眠ってしまったシャナに、オーランドは、そっと抱き上げ、彼女を部屋に戻し、片付けをしてから、部屋に戻った。
「……」
一人になったオーランドは深くため息をついて、ちらりと外を見やった。
闇の中に、潜む影があった。
「何か報告か?」
呼びかけると、するりと窓から入ってきてオーランドに片膝をついて頭を垂れた。
「レイモンド様が、お亡くなりに」
「……」
静かな声に、オーランドははっと笑い飛ばすようにして、肩をすくめた。
「だからあのくそババアはわめきに俺の屋敷に来たってか?」
「そのようです。……嫌疑があなた様に」
「……だりいな。それは。どこの酒場をうろうろしていたところで俺は関係ないっつーのに。第一そんな非常識な時間帯にうろつくバカな知り合いすらいない」
「明朝、使者が現れましょう。ジャックにも伝えておきました」
「……ごくろう。ちなみに死因は?」
「よくある酒場のトラブルです。それがあなたの差し金だと、彼女は」
「そこまで暇じゃねえっつーの」
「軍部のほうにも、その旨は伝えてあります」
「……そうか。よくやった」
「いえ。報告はこれ以上で」
「わかった。ごくろう」
一礼をして下がった影を見送って、オーランドは深くため息をついた。
「次から次へと……」
不機嫌そうに目を細めて、オーランドは机について、持って帰っていた重要書類の整理を始めて、適当なころあいを見計らってベッドに入った。




