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オーランド・バルシュテインの改心  作者: 真川紅美
4章:オーランドという男
34/146

4、

 そして、泣きながらもスープを食べ終え、疲れたのか、くたりとオーランドの膝に頭を預け、眠ってしまったシャナに、オーランドは、そっと抱き上げ、彼女を部屋に戻し、片付けをしてから、部屋に戻った。


「……」


 一人になったオーランドは深くため息をついて、ちらりと外を見やった。


 闇の中に、潜む影があった。


「何か報告か?」


 呼びかけると、するりと窓から入ってきてオーランドに片膝をついて頭を垂れた。


「レイモンド様が、お亡くなりに」

「……」


 静かな声に、オーランドははっと笑い飛ばすようにして、肩をすくめた。


「だからあのくそババアはわめきに俺の屋敷に来たってか?」

「そのようです。……嫌疑があなた様に」

「……だりいな。それは。どこの酒場をうろうろしていたところで俺は関係ないっつーのに。第一そんな非常識な時間帯にうろつくバカな知り合いすらいない」

「明朝、使者が現れましょう。ジャックにも伝えておきました」

「……ごくろう。ちなみに死因は?」

「よくある酒場のトラブルです。それがあなたの差し金だと、彼女は」

「そこまで暇じゃねえっつーの」

「軍部のほうにも、その旨は伝えてあります」

「……そうか。よくやった」

「いえ。報告はこれ以上で」

「わかった。ごくろう」


 一礼をして下がった影を見送って、オーランドは深くため息をついた。


「次から次へと……」


 不機嫌そうに目を細めて、オーランドは机について、持って帰っていた重要書類の整理を始めて、適当なころあいを見計らってベッドに入った。

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