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オーランド・バルシュテインの改心  作者: 真川紅美
小編:カレン・ウィードリイの悔悛
120/146

3,

「にしても、貴方様が結婚だとは」


 馬車を走らせながら、ジャックが中にいるアーロンに話しかける。


「ん。爺さんの喪も明けたしな。ちょうどいいかと思って」


 爺さんに嫁さんのドレス姿を見せられなかったのは心残りだが、婚約式には立ち会ってもらえたからな、と笑うアーロンに、オーランドは肩をすくめた。


 アーロンの祖父の、エックハルト将軍の最後の主治医としてオーランドが最期を看取ったのは、アーロンは知らないのだろう。ふつう、どの医者が診たとしてもその屋敷にいる人でさえ気にも留めないことだ。


 最後に元気だった時、エックハルト将軍が言っていた最期の願いの言葉を思い出して、オーランドはふっと笑ってアーロンをちらりとみた。


「まあ、二人に幸せがあることを祈るよ」

「んありがと」

「三人、なのかもしれないがな」

「旦那様……」


 混ぜっ返すような言葉に、ジャックはあきれた声を上げた。ジャックのその様子にオーランドはにやっと笑ってアーロンを見たが、その頬と耳が真っ赤に染まっていることに顔をひきつらせた。


「おま、おい……」

「なんでわかったんだよ!」

「ぶっ」


 まさか、といおうとしたオーランドにアーロンが叫び、その言葉にジャックが吹き出し、馬車の荷台がぶれた。手綱さばきを間違ったらしい。したたか打った額を押さえながら、オーランドは、窓を開けてジャックをにらんだ。


「ジャック!」

「いきなり衝撃発言飛ばすからでしょうが! 男の風上にも置けない!」

「るせえな、おっさん!」

「お前も大して変わらない年だろうが!」

「うるせえガキ!」

「ガキがガキ作ってどうすんだよバーカ」


 と、寝静まった真夜中には少々きつすぎることを怒鳴り合いながら、アーロンの屋敷へアーロンを送り届け、オーランドはジャックと、疲れた顔をしながら帰宅するのだった。

ジャック>アーロン>オーランド

という順です(笑)

オーランドとアーロンは2、3歳しか違わないという裏事情。

本文中には乗せないどうでもいい設定です(笑)

ジャックの正確な年は秘密で通している(らしい)。

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