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オーランド・バルシュテインの改心  作者: 真川紅美
小編:シャナ・ユベールの奇妙な文通相手
101/146

6、

 シャナも、表情を冷たくして、男爵家令嬢を見下ろしていた。


「何か言いたいことがあるのであれば、どうぞ? 伯爵令嬢?」

「今更そんな扱いしないでください。セザールさん」

「くくく、そーですね。シャナさん」


 冷たい声のシャナにそれを面白がるセザール。


 目を見開いて、親しげな二人を見る兵士とギリギリと歯噛みしてにらみつける女。


「で? なにか?」


 首を傾げるセザールにシャナがそっとため息をついた。


「私から言う言葉はありませんよ。どうせ、処分なさるおつもりでしょう?」

 

 冷やかにそういうシャナに、セザールの笑みが深まった。


「それはどうでしょうか?」

「しらじらしい」


 冷たい目をしたシャナにセザールの笑みは深まり、そして、振り向いて片手を上げた。


「私の護衛に引き継いで、君たちは現状の維持に努めるように。彼女は軍部のほうに連行します」

「はっ」


 完全にこの邸宅の兵士を従えているセザールが指示を出して、護衛として指した、黒づくめの男が女の首根っこをつかむ。


「もってくときに殺さないように。あとでちょっとやりたいことがありますので」

「……旦那、今度はどんな実験です?」

「この前のは処理に困りましたからね、なに、今度は君たちのねぎらいを込めてしますよ」

「……ミンチじゃないことを祈る」


 そういって男は女をまるで荷物のように抱えて一瞬で消えた。


「え?」

「……さて、帰りましょうか? オーランドがかんかんです」


 にっこりと笑ったセザールにシャナは、さっと顔を青ざめさせてあとじさるのだった。

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