30話 黒幕は笑い歓喜する
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まだ幼稚園に通うような小さい時、カナさんに聞いた事がある。
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『ねえ、おば……カナさんこの御守り僕も欲しい!作って!』
『カエデ、まだあなたには、早いですよ。
これは〖送り出しの御守り〗で、八神一族当主が一人前と認めた者の安全祈願の為の物です。』
『ぶー!おばあちゃんのけち!いいじゃん作ってくれても!』
ビキ……
『そう……では礼儀作法を身体に染み渡るまで練習しますよ、出来ますね?ええ、カエデなら出来て当たり前ですよね?では、初めましょ!』
『か、カナさん怖いよ、なんで怒ってるの?ヤダヤダ、なんで縄で縛るの?!。
や、やめ………アアアアアアアアアアアアアア!!』
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………余計な所思い出してしまったが、要するに一族の成人の御守りだそれを、持って要る黒雪のユリは、俺と同じで呼ばれた先代になるが、世間で知られてるのは200年程前の〖創造魔法のミチサキ〗という男性の筈という事だ。
しかも話しが本当なら一族は滅びた筈だが、今も健在だ。
ただの偶然?なのだろうか………。
「まあ!もしかしてカエデ様は黒雪のユリ様の………」
あっやばい!
「ユリ様の親しい勇者様の子孫なんですね!あっ大丈夫です、もちろん他言しません!」
「ふ~……流石オルラルド家の者ね。
そうカエデくんは勇者とエルフのハーフなのです。勇者の血が強い為見た目は忌み子ですが、彼はそれ故に強いですよ。」
「え?ミレーヌさん?!」
いつから俺勇者の子孫設定になったんだ?……そうかミレーヌさん機転聞かせて、ありがとうございます!。
「やはりそうでしたのね、黒雪のユリ様は勇者の子孫という説が有力だとされてますからやっぱり。
実はオルラルド家にも勇者様との子をと縁談の話しがあるのです。」
「え?マジですか?!でも勇者は……。」
「確かに勇者様は魔王討伐後例外なく帰られてますが、勇者様との児はとても強くなるのです、オルラルド家を起こした初代当主は勇者と王宮魔法使いの間の子だったそうですわ。」
見た目ぜんぜん解らん。
てか流石は異世界、そんなのあるのか、性欲が強い奴ならコロッと一線を越えるだろうな。
しかしそう思うと聖女がアリスを政治や戦争事から遠ざけたのは、ナイスだ。
絶対縁談があり下手したらアリスは、男性を視るのもヤになったかもしれない。
サーナさんから御守りついて聞いてみたが、どうやら黒雪のユリは同行してた勇者達に御守りを配っていたようだ、4人の勇者達はユリの葬式後に帰還期限が来て元の世界に戻ったそうだ。
………ただ、一人ハッスルした奴がいたようだ、巷の噂では100人を孕ませたとか、どうしよそんな奴の子孫だと誤解されてたら。
「っと話しが大分それたわね、ミツちゃんとの事聞いた限りだと、カエデさんが言った保留に近いわね。
まだ吹っ切れてないっようだから、カエデさんはどうしたいの?」
「カエデ様どうなんですか?」
……………やっぱり決めないとダメなのか?
「ミツの事今はその……妹のようにしか見れないから、ごめんとしか言えないかな、ミツは俺に憧れと一緒にいたい気持ち、悪くいえば依存したい気持ち何だと思う。
本当はまだ恋心を抱いてはいないと思う。」
「正解、ミツちゃんの年齢だとエルフ族、特にダークエルフだとあるのよ。
だからふとした時に気づいたら恋人からただの親友になってたなんてあるの。」
ミレーヌさんにエルフ族の恋事情は、幼いと森エルフで、相手の事をよく知りたがる(悪化するとストーカーまがいになる)。
ダークエルフはアプローチをかけてくる(悪化するとナンパ、チャラオになる)らしい。
「そうなのですか?そういえばミツ様は何歳なのですか?」
「ミツは13歳ですよ、そういえば街に暮らす若いエルフは珍しいらしいですね。」
大概は若いうちエルフの国など同じ種族の多い場所で暮らすらしいとミツの両親にきいた。
「13歳?!私はてっきり30歳かとそうですか、流石にお付き合いされるとエルフの方々から幼女趣味と勘違いされますから、お付き合いはミツ様が18歳になられてからのほうが……」
「まさかのロリコン疑惑だと!無実ですから!」
詳しく聞いたら貴族のエルフで婚約が18歳からだと、その事からお付き合いは18からだそうだ。
話しをまとめてると、皆さんミツが最低でも18歳だと思い込んでいただけようだ。
ミレーヌさんは当然気づいていたが何事も経験だと、最後で教えるつもりだったとの事。
ミレーヌさんは皆さんに説明、シルさんは俺の視線に気づいて、笑っていた当然シルさんはミツの歳を知っていたわけで俺はからかわれてただけだった。
その後は酒を飲まされそうになるも宴会を楽しんだ。
そうそうシュガーは師匠に何か頼まれて冒険者ギルドに喜んで行ったらしく用事が終わればそのまま帰るみたいだ。シュガー……シルさんに苦手意識があるからかと、心の中同情した。
宴会は途中で年少組が抜け、後は大人達で騒ぐようだ。
「皆さん今日はありがとうございます!おやすみなさい。」
『おやすみ!』
アリスはサーナさんと一緒の部屋で俺は元々使ってた部屋で寝る。
明日はアリスと話して今後どうするか相談と師匠夫婦とルークの見送り、特別に街中央の転移門を使うようだ。
転移門は次元魔法使い10人と100万相当のセイブクリスタルを使って10分間繋げる物で、いつもは2ヶ月に一回、加護領域産の作物を輸送する為に使う。
明日は事件は起きませんように願い眠りについた。
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──黒ローブの男──
「あ~あ、折角ゲース子爵に情報教えて上げたのに。
まさかAランクのヒエンが出て来て、聖獣の子供につられて邪神教の幹部バカが捕まってしまうなんてね。」
まっどうせ邪神教には消えてもらう予定だったし騒ぎと邪神教の破壊工作で緩んだ組織にはスパイをじゃんじゃん送り込めたから。
ゲース子爵との取引なんてどうでもいいか。
「それにしてもみっとも無さ過ぎ。
予定ではゲース子爵が邪神教を捕まえる筈がヒエン達に取られたからって失敗率上がった作戦を単独で実行すると呆れるよね~」
「ん~!む~!」
「でもルークって聖獣使いがブルーナの弟子に要るのは朗報だったね、あとアリス、カエデとか要るみたいだけどまっどうでもいいや!」
火狐族のルークか……ストリュさんに教えたら面白い事になりそうだ。
「ねー君もそう思うだろ、ゲース子爵の息子さん。」
僕が口を塞いでた布を外すと怯えたゲース子爵の息子の名前は……別にいいか。
「た、助けてくれなお願いだ!約束の物なら渡すから、命だけは!」
命か………バカな奴。
「いいよ、命は助けて上げるよ、あと君が言ってる僕の欲しい聖遺物は妾の娘さんが使ってしまったからもう興味ないんだよね。
なんなの?君達の一族はバカなの?あれを適性の無い者が使ったら最後は災厄の化け物になるだけなのにね。」
「な?!そんな!くそ!」
「でも、そっちのほうが面白いよね、やさしさ僕は放置しよう君も帰っていいよ~。」
僕は1時間掛けて練った魔法発動させる、準備は面倒な魔法だけど面白いから気に言ってる僕固有のユニーク魔法だ。
『僕は求めよ~驚き、嘆き、歓喜さてさて君に新しい身体と命を~』
「な、なにを?!」
『ランダムトランス』
ゲース子爵の息子は僕の魔法で光に包まれ苦しみに悲鳴を上げるが
光が収まって少し経つと落ち着いたみたいだ、いつ視ても面白い。
「じゃじゃーん!君はこれから新しい人生を歩んでいけるよ。早速自分の身体を視てみよ~。」
「ぐる?!ぐわ?ぐわー!」
(なんだと?!俺がドラゴンに?ふざけるなー!)
「え?不満?でも君、アリにならないだけましだよ?それに1年経つと魔法解けるしドラゴンの魔法使えるようになるから頑張ってね~」
「ぐわー?!」(本当か?!)
まっ無理だけど、僕がドラゴン退治の依頼を高額で出すからね~。
それにしても最古の魔王殿には感謝、感激だね~。
面白い世界をありがとう、さて次の任務は面白いかな?
僕に攻撃しようとしたドラゴンの動きをマジックアイテムで停めたあと悠々と立ち去った。
次話は一週間後です。




