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魔法構築士  限界までLv上げないと帰れない!  作者: さきのえ
始まりの街 ファース編
29/32

29話 その者、名はユリ

ミツを家まで送って〖大樹の憩い〗の宿屋に戻ると宴会はまだ続いていた。

女性陣もなにやらすっきりした表情で宴会に加わっており、アリスはドレス姿の貴族の令嬢ぽい人と楽しげに話している。


「お!おいお前ら注目のカエデがデートから帰ってきたぞ!」


『え!ほんと!』


ヒエンさんが女性陣に声を掛けると怒濤どとうの勢いで押し掛けられた。


「カエデく~ん、どうだった!どうだった!」

「ほらほらお姉さん達に教えなさい。」

「もちろんOKしたのよね?」

「どこまでいった?キスはした?」


「え……そ、それは。」


助けを求めて師匠の方をみれば苦笑して首を横に振り、ミレーヌさんは口パクで『あとで、詳しく』

とされた。


最後の頼みにと、ルークをみればヒエンさんに酒を飲まされたのか近くでダウンしていて、アリスは……だめだ、目を輝かせて貴族令嬢と一緒に聞き耳を立てている。

助けはないのか!。


どうする?というより俺が振られたのか?。

それとも俺が振ったのか?。

俺が振ったなら多分女性陣に吊される気が………どうしよ。


「えー実はですね………気持ちは伝わったけど、保留って事になったので、………お休み!!」


素早く身を翻して宿屋を出ようとしたがヒエンさんに周り込まれ出れなくなってしまった。


「ヒエンさん!退いて下さい!」

「まあ、落ちつけよ、今逃げれは厄介になるぞ~恋愛絡みで逃げれば後が怖いのが女だ………諦めろ。」


ヒエンさんは実体験なのかしみじみと頷いている……。

なんでか、凄く納得してしまった。


「は~~降参です……でもミツに聞いて貰った方が良いと思うですよ、こういう繊細な事は!うんそう!きっとその方がいい!。」


俺が逃げようとしたからか、不満げな表情だった女性陣だが、俺の言葉にお互い顔を見合わせて納得げに頷いた。


これならもしかして!


「それは、一理あるわね……」

「そうね………。」

「でも、やっぱカエデちゃんの気持ち知りたいな~。

ミツちゃんの親友である私には聞く権利があるの!!

で、どうだったの?」


「し、シルさん?!いつの間に!!」


料理を運んでいたはずのシルさんが気づけば近くいた、シルさん……目が怖いです。


「解ったから、睨まないで下さいよシルさん。だけど流石に恥ずかしいから代表者一人に話すので勘弁して下さい!」

「ふふ、恥ずかしがるカエデちゃん可愛い、うぶだね~。」


シルさんに頬を突つかれる。


女性陣から俺の話しを聞く事になったのはミレーヌさんと何故かアリスと話していた令嬢風の女の子。


ミレーヌさんならミツと同じエルフ族で有り冷静に聞けるという事で決まる。


個室で話す事になったけど……。


「初めましてカエデ様、わたくしはサーナ=L=オルラルド

ゲース子爵の策略により攫われた私をミレーヌ様初めとした女性方々に助けて貰いました。」


「彼女は、偶々私達が解決した事件で知り合ったのよ、今は色々問題あるから一晩ここに泊まるのよ。」


「ファース事件起き過ぎだろ………。ま~うんでは話しますよ。」


魔導号を持つ貴族か。

魔導号とは、将軍、もしくは伯爵の地位で、戦略級の特級魔法を使える一族に国が与える性号だ。

彼女の場合はL=光魔法という事だろう。


彼女が何故ミレーヌさんとと思うが、目で解ったキラキラしてるもの、女性は恋愛絡みは好きだな。

後は、なんか事情がありそうだけど。


一通り合った事を話すとミレーヌさんは、心当たりがあるのか悲しい表情だ。

サーナさんは、目をつぶったと思うと泣き出してしまった。


「そうか……ミツちゃんは”黒雪のユリさん”とカエデくんを重ね合わせたのね………。」


「うぐっ、ぐす……カエデ様、ミツさん悲しい恋なのですね。私にも分かりました万が一が合ったらと諦めた気持ち。」


「黒雪のユリ?誰それ、もしかしてミツが言ってた悲しい物語の話し?」


ミレーヌさんは言うか迷ったが、

サーナさんが答える。


「はい、今から100年程前勇者様と一緒に屍の魔王リッチー討伐に尽力し、エルフの王族、ハイエルフの第一王子ペレウス様と結ばれるも、黒雪のユリ様は故郷に帰らねばならない、事情合ったそうです。


しかしペレウス様は一緒に行く事を決心し、王位継承権を放棄、弟に譲りましたが、魔族は黒雪のユリ様が妊娠して魔法を使え無い事につけ込みエルフ族の者を操り誘い出して襲いました。」


うん?でもそれ俺に関係あるのか?

「黒雪のユリ様は幸いにもすぐに気づいたペレウス様が駆けつけ一命を取り留めましたが、お腹の子は助かりませんでした。

ユリ様は赤ちゃんを失い、さらに魔族はユリ様が帰る為に持っていた転移のマジックアイテムをユリ様の目の前で使いユリ様は魔族が最後言った、『お前の一族は今日で滅ぶ、やっと鬱陶しい一族がいなくなる、お前のお陰だよ、ありがとう』との言葉を聞いたそうで、悲しみに負け首を吊ってるのをペレウス様が発見。


『おのれ!!おのれ!!何故ユリが死ななければならない!許さん、許さんぞ!!魔族共!!滅ぼしてやる!』


ペレウス様は、その後数名のお供を連れ魔族の領地へ向かったそうです。」


「サーナさん、それ俺に関係あるのかな?とてもそうは思わないけど。」


最後まで聞いたが俺に関係する事なんて合ったかな?

そう思った時に今まで黙ってたミレーヌさんが語りだす。


「関係あるのよ、カエデくんこれ見て、私は直接ユリさんに合った事あるからカエデくんとは印象違って気づかなかったけど、想い出すと容姿の特徴が一緒なのよ。」


ミレーヌさんは次元の指輪から絵画を取り出し、俺に見せるとそこには、片目が黄金の瞳、もう片目は黒目に黒髪、俺が着たのと同じ衣装をまった長い耳のエルフの女性が描かれいた。

そして手に持っているのは。


「なんで、なんで……俺の実家の御守りをこの人は、持っているんだ……。」


御守りには女性の周りに四季のサクラ、ヒマワリ、モミジ、雪の結晶が描かれた、非売品である一族の御守りが。


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