28話 ミツの想い
妹とのように思っていたミツに好きだと告白された。
ミツの事は好きだが異性としてではないし女性から告白されことはない(一生女装してそばにいてくれと、狂った女の先輩の告白?はノウカウント!)
それに森エルフ、ダークエルフの好きは、婚約に近い意味がある。
エルフ族の成長は15歳からゆっくりと30歳で止まる、その期間が所謂思春期に当たる。
ミツはちょっと早い気がするが、目を潤ませて本気なようだけど俺は……。
「ミツ、俺の事想ってくれてありがとう。でも正直ミツの事を女性として”まだ今は”見れないかな。」
「え?”まだ今は”………ってカエデ先輩はやっぱり……」
ミツは瞳に涙を溜めて今にも泣きそうだ、だからちゃんと今の気持ちを伝える。
「ミツがまだ幼いからもあるけど、俺の問題が大きいんだ。
詳しくは言えないけど、俺はとても遠い場所普通では行き来出来ない所から来た。
帰りたいけど正直帰れるか、わからないそれに……。」
此処で言い悩む、ミツの気持ちにがどこまでか次第では、彼女の生き方を縛る事になるからだ。
「カエデ先輩………言ってください。」
「それに俺は4年後の魔王軍との戦争に加わると思う……なんか参加しないと大変な事になる、そんな予感が、最近するんだ。
俺が参戦しても意味ないだろうけどさ、ミツの気持ちに向き合うのは俺が生き残れたらになるから、俺の事は良い思い出にしてくれると助かるかな。」
以前は思う事がなかった戦争参加何故か邪神教と師匠の魔法で見た魔王……そこから魔王、魔族にたいする違和感が、理由はわからないが”不自然過ぎる”と感じるようになった。
「……ぷ、あははは!カエデ先輩、もう真剣に考え過ぎだよ。
私は自分の気持ちを整理したくて言ったんだから。だからただ断ってくれても良かったんだよ?」
「え?そ、そうだったんだ!」
「うんうん、だから私はまた違う恋を探すよ!あっ!でも~カエデ先輩を好きになる人はいないだろうな~~」
「おい、それゃないよ、俺も頑張れば…………多分大丈夫。」
自信はないけど、恋愛は元の世界に戻れたらすればいいんだ!うん。
「カエデ先輩が活き遅れて私がフリーだったら付き合って上げるよ、エルフ族の結婚は最適30歳からだからね。」
「ははは、そん時はよろしくお願いしようかな。」
「そう、だから先輩頑張って!いつか見つかるよ先輩が本気で好きになる子!」
ミツは無理やりテンションを上げてるように見えるが、聞かないほうがいいか。
「…………あのう……もうよろしいでしょうか?」
「「あ、」」
「すいません、デザートはもう一品あってお出ししようとちゃんとノックしたのですが………。」
頬を染めて言う、先ほど厨房の奥にいた強そうな女性だった。
「い、いえすいません大丈夫です。なっ、!ミツ!」
「え?!あっ、あのあの……」
ミツは顔を真っ赤にして口をぱくぱくさせて、凄く恥ずかしいようだ。
「ごめんなさいね、私の名前はアメリア。
ミレーヌがわざわざ家の店を紹介したいブルーナのお弟子さんがいるというから、気になってね。主人のオリバーは、料理長だからこれなくてね。
ほら厨房から私と一緒にいた龍人が主人よ。」
店に雇われたミレーヌさんの知り合いのガードマンと思ってたがまさか経営主だったとは。
「そ、そうですか。」
「うう………」
アメリアさんは、元ミレーヌさんの同僚の娘さんで師匠夫婦がファース近くに住む事から小さい頃より戦闘の手解きを受け、冒険者から夫オリバーと結婚を気にレストランを始めたそうだ。
********
──ミツ───
あああ!恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしいよう!
アメリアさんって人に告白のとこ見られちゃった、なんで気づかなかったんだろ?うう……。
「ミツ大丈夫か?」
「う、うん大分落ち着いたよ、カエデ先輩家まで送ってくれてありがとう。」
食事を終え、レストランを後にする時アメリアさんはお詫びと言ってケーキをお土産に持たせてくれカエデ先輩は家まで送ってくれた。
「おっとそうだ今日はありがとう楽しかったよ、そのお礼にこれ。」
「これは、セイブクリスタル?」
セイブクリスタルはたしか特殊な植物から少量取れる貴重品で魔力込めておけるけど初級魔法一回分の魔力しか込めれないって聞いたことある。
「そっ、俺の魔力を込めてあるからいざって時に使ってくれ、そうだ身につけれるように………ほらこれで大丈夫。」
「カエデ先輩……ありがとう大事にします!」
カエデ先輩はクリスタルに元から穴が空いていたところに綺麗な紐を通してネックレスにしてくれてた。
カエデ先輩、卑怯だな~私の決心が揺らぎそうだよ。
「それじゃな、アリスと相談次第だけど早ければ明日出発するからその時は挨拶にくるよ。」
「はい、カエデ先輩また、」
カエデ先輩は手を振り宿屋に帰って言った。
「ただいま。」
「あ、お帰りミツどうだったカエデくんとデートだったんでしょう?」
「お、お母さんなんで知ってるの?!」
「あれれ、本当にカエデくんとデートだったのね、二人並んでミツは顔真っ赤だったの見えたからもしかしてと思ったけど。
流石、私の娘、でも結婚は後6年待ってからよ。」
あうう、またお母さんにはめられた。
「お、お母さん!カエデ先輩とはまだそういうのじゃないから、……それにもうカエデには告白してすっきりしたから、もういいの……」
ガシャン!!
「ミツ、アメリー………すまないがカエデくんと話しを付け、いや用事があるからちょっと出掛けてくるよ………。」
お父さんはコップを落として割れていたけど、お母さんとの会話をこっそり聞いていたようだった。
お父さんは、お母さんと私に声をかけて、剣を取り出して家から出ようとしてるけど、お母さんに呼び止められる。
「もう、あなた!勘違いしないの!カエデくんとはまだミツは何も起きてないの!」
「ぐふ!」
お母さんはお父さんにボディークロウを入れて大人しくさせた。
「で、なんでミツはすっきりしたと言う割にまだ未練があるみたいね、話しなさい溜めて奥のは駄目よ。」
「………わかったお母さん」
私は両親に話だした。
次回は一週間後




