捕り物事件簿解決?
少し短めです。
─義賊モゴエン─
2人のエルフに唖然する仲間とは違い俺は逃げる算段を考えていた。
「……お前らなんで俺達が此処に来るのがわかった?」
「だめだめ!今度は私の質問に答えてよ、ねぇ義賊なの?それともハーレム盗賊?」
「ミツ姉、ハーレム盗賊ってなに?そんなのないよ……多分、良くて夫婦盗賊団?じゃないかな?」
何だ?此奴らは、やる気をそがれるな。しかもなにげに少し俺達の本質に気づいてるのが警戒させる。
「そうだな、俺達は街で聖獣を見せて攫われそうな哀れな貴族の娘を助けようとした、傭兵団と言ったら信じるか?」
「え?そうなの、じゃあもう終わったから助けはいらないよ?」
「ミツ姉……だめだよ嘘に決まってるじゃないか、大体あちらが”信じるか?”って言ってるのになんで簡単に信じてるの?!」
「「?!」」
「ば、馬鹿言うな!此奴には50人程入ってた筈だ!それをたった10分そこらで終わる訳が……」
何だ?!どうなってる?大体ファースはギルドも衛兵共も人手不足でランクの高い冒険者も兵士も手が放せない筈だろ!
だが今の余裕な此奴らの表情明らかに嘘じゃない……。
「それは、俺達が手を貸したからだ全く……低ランクの冒険者が俺らに”街に戻るまでの半日の護衛依頼”なんて初めてだぞ、だが楽しめた上に、いい拾い者も見つけたからいいか。」
「あ、あんたは!”劫火のヒエン”!!Aランクのお前がなんでファースなんてとこに居るんだよ?!」
「おいおい久しぶりの元パーティーメンバーに2つ名で呼ぶなよな、ちょと里帰りした時頼まれ事されて来てたんだっつの。」
「ちっ……」
なんで、なんでよりによって此奴なんだ!
見た目は、やけに整てるがそのくせ酒を飲むと三下にしか見えない。
火狐族で豪快な性格と人を惹きつけるカリスマ性から今では大手クラウンのリーダーだ。
昔、俺が貴族を殴りつけるまでは同じパーティーメンバーだった。
「舌打ちとは非道いじゃないかよ、モゴエン……お前今盗賊団なんだてな、だがお前は指名手配されてない何でか……。」
「ふん!そんなの俺が上手く立ち回ってるからに決まってるだろが!」
「え?!盗賊なの?指名手配されてない……やっぱ義賊じゃない!すっごい本物よ!シュガーもすごいと思うでしょ!」
「ミツ姉……お願いだから空気読もうよ、ね。すいません続けて下さい。」
俺は仲間を見渡すが皆、青い顔だもう逃げられない……。
「はは!お前ら面白いな……と話しの続きだ、俺は偶然にも一度お前らに攫われた子供にあったがいやぁ全くお前はすげーよ、攫われた子供は今じゃ立派な貴族の跡取りだ、しかもお前が攫う前は傲慢だった奴がだぞ、そりゃあ親は礼を言っても指名手配なんてしないわな。」
「はっ!現実を見せてやっただけだ礼なんていらないんだよ。」
「そういうわけでお前の罪なんて全然ないワケだ、そういう訳でお前らは世間ではお前らは盗賊じゃないから俺のクラウンに入れいやぁ良いもん見つけたわ!!」
「「は?はぁぁぁぁぁ?!」」
「おおおお!ヒ……なんとかさんカエデ先輩の次にすごい!」
「ヒエンさんだよ、すごいは、確かにカエデ先輩だね」
俺は、もう何が何だかわからねーだが助かるには入るしかねーもうやけだくそ!
「あーもうわかった!ヒエン、テメェーのとこに入ってやるよ!くそ!」
「よろしくお前ら!と言ってもモゴエンが新しい隊のリーダーだから変わらないな。しかしカエデってのはすげーな発想が、ルークが頼る訳だわ。」
俺達全員が思ったのは同じだろうカエデって奴は何者なんだ?と。
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─カエデ─
計画は成功!……と喜びたいとこだが何故こうなった?
俺は目の前に”植物のツタ”で手足を縛られた20名、そしてヒエンさん達と協力して倒し縛り上げた25名……多すぎだろ!
「いやぁさすがだなカエデ、人攫い共、一網打尽だな!」
「うんうん!カエデから話し聞いた時はてっきり10人程を私達3人だけですると思ってたけど此処まで見越してヒエンさん達に依頼したのね!」
「アハハハ……ま、まあねぇー」
いやほんとは3人でやる予定でした、なんて言えないよな~……。
「カエデさん、でしたねあなたの魔法は素晴らしい!どうです、私達のクラウンに入りませんか?」
「すいません……クルルさん、しばらくは旅して色んな所をアリスと見て回りたいので。ですから……」
クルルさん達6名はヒエンさんの付き添いとクルルさんとヒエンさんは結婚報告をする為に里帰りした帰り道だったそうだ。
クルルさんはルークと同じ火狐族の女性だ。
「分かってますよ、あなたの”セット魔法”は誰にも漏らしません、そんな事して内に入れる有力候補を潰したくないですからね。あなた達もいいわね。」
「分かってますよ副マス。」
「おお、ルークは仕方ないが2人はいつか俺達のクラウンに入れよ!」
「楽しみしてるよ!」
この人達のおかげで早期解決したのはいいが……。
「あっ師匠に報告しないとだ、駄目だよな……黙っておくのは……。」
「無理じゃない?だってこれだけしたんだから、良いことしたんだからミレーヌさん達に胸張って言えば大丈夫よ。」
「そういう事じゃないんだアリス、師匠は絶対気づく、衛兵達に任せず囮厄をした事に。」
「あっ……それは有るかも。」
あー何で此処まで大事に……最初の予定通りならただ盗賊一味を捕まえるだけだったのに…。
冒険者ギルドに入った時からこれまでの事を思い出しどう説明すれば一番いいか考えてることになった。
次回は一週間後また会いましょう。
次回のお話しはカエデ達がギルドに入った時の話しです。




