14話 教えてミレーヌ先生
─ ミレーヌ ─
「それじゃあアリスちゃん昨日のおさらいからね、身体に魔力を循環させてみて。」
「はい!ミレーヌ先生」
昨日はカエデさんとルークくんの戦闘を見学してたため夕方から始めた魔力操作の訓練を今日も続けて朝からアリスちゃんに教える事になったけど、カエデさん達は私の夫、ブルーナと森へ山菜を採りに出掛けていったけどカエデさん達は大丈夫かしら?夫は、昨日から何か隠しているようだったし、私は夫を信用してるし愛してるから話してくれるのをまつけどね。
「……ミレーヌ先生どうですか?ちゃんとできてるかな?」
「凄いわねアリスちゃんもう基本の身体強化を習得してるわ、ちゃんと魔力が乱れずに循環してるわ!」
さすが、月読命の女神様の加護を得た勇者と言いたいけど昨日に比べて少し粗いわね……。
「でも、なんか昨日より魔力が身体を循環してる感じが遅いきがするんですどうしてかな?」
やっぱりそうなのね……という事は
……。
「多分、カエデさんが魔力をアリスちゃんに纏わせた影響だと思うは、カエデさんがやったあれは衛生兵や高ランクの冒険者では必須の技法”平穏の導き”という纏わせた者に平常心を取り戻させる効果があって魔物討伐などで長期間、野営して溜まったストレスを解消するのには欠かせないの……それをカエデさんがすると魔力操作の補助の効果もあるみたいね……」
ホント何でここまで補助役の魔法や技法ばかりなのかしら?しかも常識はずれでどんな人でも実力を上げれるから、どの国々も欲しがりそうな効果ばかり……カエデさんは剣術以外は攻撃手段が今ないからばれたら大変ね。
「……カエデってそれを無自覚でやってるんですよね?カエデとは気安く話せるから楽しい旅が出来ると思ってたけど、ちょっと考えさせられるなー」
「そこは、ユニーク魔法を使う者の宿命ね、レベルが上がるとぱっと出来る事が頭に浮かぶらしいから、魔法の効果事態は解るけどその魔法の副次効果は分からないらしいし、ユニーク魔法師の魔力自体ちょっと特殊で他人に魔力を流すと何らかの効果があるのよ」
カエデさんは影響与え過ぎだけどね、妖精の聖獣化に魔力操作の習得促進、まだまだありそうだからこれは仲間以外に使わないよう忠告しといた方がいいわね。
「あれ?それじゃ私にも何かあるのかな?そういえばブルーナさんの場合はどんな効果があるんですか?」
「夫の場合、他人に魔力を流すと魔力が残っている内は記憶力が上がるわね、それとアリスちゃんにはそんな効果はないと思うわよ?ジュリーからはそんな事聞いた事ないし。」
ジュリーは夫のその能力を勝ってワルキューレ騎士団に勧誘して”私の補佐”にしたのよね、お陰で出会えたからジュリーには感謝ね。
「魔力操作の基本が出来たから、次は属性の適性検査と魔力量の検査ね、そこの机にある水晶玉に身体に魔力を流すように流し込んでみて、ちょっと不快な気分になるけど我慢してね。」
水晶玉が属性検査を置いてある丸テーブルには魔法陣が刻んであるこっちは魔力量の検査をおこなう物、魔力検査は体内に保有できる魔力量を知る事が出来るけど生暖かい感覚が全身に広がっていくから嫌なのよね。
「うわ?!何これ?なんか身体に入ってくる感じがする……」
「魔力を流すのは止めていいけど、もう少し触れいてね」
此処は我慢してね、アリスちゃん
さて先に分かる属性検査の結果は……。
「なるほどね、アリスちゃんは2つ適性があるわよ、ユニーク魔法使えて2つあるのはすごく珍しいわね。」
「2つですか?どの属性に適性がありますか?」
アリスちゃんはジュリーよりは扱える属性は少ないけど普通は無いかあっても一つ、これがクリエイトサモナーの特長なのかしら?
「光と風に適性があるようね、光の魔法は私も使えるから詳しく教えて上げれるけど風の魔法は基本しか教えれないわごめんね……」
「あっでもレベルが上がると思いつくんじゃ……あれ?そうするとなんかこんがらかるんですが私の考え方が間違えてるのかな??」
あーなるほど確かにアリスちゃんが知ってるだけの内容じゃしょうがないか……ちょうど検査も終わりだから順序よく詳しく教えようかな。
「知ってることが断片的だからしょうがないと思うわ、検査も終わってるから詳しく教えるわね」
一挙に言っても納得しにくいだろうからまずは最初はレベルついて次に魔法と魔力について紙に書きながら教えようかしらね。
「これは、ジュリー、つまり聖女様から教えてもらった事だけどレベルっていうのは、身体に内包する魔力量が増えていく事なのイメージとしてはガラスの器が分かりやすいかな、魔物を倒すと魔物の器が砕けて一定量溜まると私たちの器の一部になるそうするとレベルが上がり無意識に考えを止めていた事が解放される、ユニーク魔法の場合はある程度レベルが上がると無条件で覚えるここまでいいわね?」
「はい、そっかカエデはその事を言ってたんだゲームと同じって言ってたからそういう考えとは思わなかったです、考えを止めるという事はちゃんと練習や知識それに経験がないと普通はレベルが上がっても思い浮かばないんですね。」
アリスちゃんはちゃんと気持ちと思考の整理が出来るみたいね、なかなか出来る人は少ない物分かりがいい子ね。
「その通りよ、そして実力がついた頃に自分が扱いやすい魔法や技法をレベルが上がると思い浮かべれて変化していくの、例えば、大きなファイヤーボールや小さいけど威力が高いファイヤーボールみたいにね、だからちゃんと魔法は訓練して覚えないといけないのよ。
そしてカエデさんも言ってたけど訓練をせずレベル上げばかりするとただ魔力を納める器は厚くなるだけで容量が多くならないの、魔力操作や魔法の使用、身体を鍛える事で容量は増えていくのよ」
「そうすると勇者って以外と弱くなるんじゃないんですか?レベル上げやすいし。」
「勇者には月読命の女神様の加護で勇者とその仲間は6割ほどは鍛えずともレベル上る時器が広がるからそこは問題ないけど魔法については理解しやすいだけでちゃんと練習しないとね。」
だからアリスちゃんも練習しないといけないけど、カエデさんに手伝ってもらったらアリスちゃんは間違いなく勇者の中で一番強くなるわね。
「やっぱ勇者って凄いんですね……私は実感が余りないから分からないですけど。」
「それはこれから分かっていくわ、さっき調べた魔力量の結果が最初になるわね、アリスちゃんの魔力量は5000、レベル1~10の普通は500~1000だからとても凄いのよ、ちなみにファイヤーボールが一回発動で200~300ほどね」
あと少し高いと化け物扱いだけどそれは知らなくてもいいことね。
「普通の人の5倍……今ちょっと実感しました、カエデとルークはどうだったんですか?」
「ルークくんは1600ほどだったけど、カエデさんは何故かわからなかったのよ……」
あの時はびっくりしたわ水晶玉も魔法陣も反応しなかったから別段故障とかしてるわけでもなかったから……でも冒険者ギルドではちゃんとレベルが判ったて事だったから何か違うという事なんだろうけど。
「え?!でも普通に魔法使ってたしそれに魔力量って最初に教えてもらった魔力を循環させて身体を強化する持続時間で分かるんじゃ……」
「それがやってみたんだけどまる一日は継続出来てたし魔力操作が以上にうまかったからイマイチ解らなかったのよ……普通に計算すると2万はいってたから流石に違うだろうしね、しかも魔力を使ってる最中はマナを取り込んで魔力を回復なんてできないはずを少量だけどできるって言われたからもうあきらめたわ。」
最初からカエデさんは常識はずれだったから夫が色々実験……じゃなくて試してやっとカエデさんのユニーク魔法について知ったのよ。
「色々カエデの魔法って謎なんですね……でもちゃんと理解すればとても凄いってのは分かります」
「その通りよ、それは魔法全般に言えるわ、正しく理解すれば有効だけど間違った理解だととても危険になる、ユニーク魔法は特にねだからアリスちゃんがどんな者を創造して呼び出すかちゃんと私や信用できる仲間に相談してから決める事を進めるわ、じゃないと……いえ何でもないわ。」
「?はい……あっそうだ!今考えてるのがあるですが、こういうのはどうですかね?」
アリスちゃんはそう言うと紙に絵を書いていく、なる程アリスちゃんらしいわね、でもどうせなら。
「これもいいけど、ちょうど私がそれに関する図鑑を持ってるからお茶をしながら決めましょ。」
「え?!本当ですか!やった!やっぱりミレーヌさんも好きなんですね!」
「当たりまえよ、可愛いは正義そこに強さが合わされば完璧ね」
私も女ですからね、疲れた時図鑑みて癒やされてたわ。
そして使用した物を片付けてアリスちゃんにはお茶の準備をしてもらってる内に私の私室に置いてある図鑑を取りに行く、ふとアリスちゃんにいいかけた言葉が浮かぶ『じゃないと聖女ジュリーのように悲しい運命を背負う事になるわ』言わないで良かったと思う流石にアリスちゃんに真実を言う訳にはいかない。
気を取り直して私は図鑑を取りアリスちゃんの元に向かった。
次話にて世界感についての説明回になります次回は一週間後またお会いしましょう(^-^)




