12話 師匠vsガーブ
読んでくれてる方ありがとうございます(^_^)ゞ 少し短いですがお楽しみ下さい。
ルークの契約妖精は、どうやら俺の魔法陣のルーンを全て取り込み聖獣に進化し、潜在能力は計りしれないなようだ、なんせ大蛇ナーガを爆散させるほどだ。
ルークが使おうとした火と土の合成魔法を元にしたからなのか、土の妖精のはずが、火と土の聖獣となり誕生。
師匠、曰わくそんな二つの属性を持つ精霊や聖獣は、二つの大精霊から加護を受けた4体しか存在せず、伝承にある話も20年経って大精霊からその絆を認められて、やっと精霊から聖獣になったそうだ。
何故こうなる……
「う……あれ俺達負けたのか?」
大きめのシートを地面に敷きそこに横にさせていたルークが気がついたようだ。
「いえ、合格ですよ、ルーク、それとカエデは常識を越え、大精霊並みです……私はもう教えることなどできませんね。ただカエデが、トラブルを起こさない事を願うだけです。」
「いやそこは大丈夫だから信用して欲しかったよ師匠……。」
「コン!」
子ぎつねは、ルークが起きたのに気付いて、ミレーヌさんとアリスに、じゃれていたのを止めて、嬉しそうに尻尾を振りルークに擦り寄る。
「うん?コイツなんで俺と同じ匂いが?」
「コン!」
「お前契約した妖精か?!立派な狐になったな、そうだ名前はどうするかな?」
全然聖獣になった事、気にしてないな……。
「ルーク……最初に言って置きますが今までに、2つの属性を持った聖獣と契約した者はいませんよ、そして大蛇ナーガを爆散させて倒したのは、その子ぎつねです。」
「そうなのか?」
「?」
師匠の説明に子ぎつねといっしょに首を傾げて余り分かってないようだ……息ピッタリだな。
「……そうでした、ルークはこういう子でしたね、その内分かりますよ」
「ねぇ、それでその子ぎつねの名前どうするの?」
満足した顔でルークに聞くアリスミレーヌさんといっしょに、子ぎつねの肉球やら頭を撫でて癒やされてたからな。
「うーん、俺、女の子の名前なんて決めれないから考えてくれねーかな?」
「メスなんだそいつ」
「何言ってるんだカエデ?尻尾見れば解るだろ普通、それとメスなんて呼ぶのは失礼だぞ!」
「コン!」
「あっごめん!」
反射的に謝ったが、普通わからないだろ!獣人の判断基準は今だにわからない。
「そーね、モミジ……ルビーも良さそうだし……ミレーヌさんはどう思います?」
「私は、アカネ、ホムラとかかな?」
「カエデはどうだ?なんかあるか?」
急に話し振ってきたな、余り思い付かないな……
「うーん、”ペレ”、”カムイ”とかかな?俺の世界で確か火の女神の名前がそんなだったと思う。」
「女神か……なんか強く成りそうだな、よし!お前の名前は”カムイ”だこれからよろしくな。」
自分の名前を付けて貰えて嬉しいのか、尻尾をぶんぶん振りルークの顔を小さな舌でペロペロ舐めている。
「いいな……あっそうだ!うん…よし!」
アリスが小さな声で、何か言ってるがきっと目の前の光景が羨ましいのだろう、俺もちょっとモフリたい……。
「ルークも起きたので新しい魔法の実験を始めますよ……カエデ、私にコンファムを掛けて下さい。」
「え?いいですけど……何故ですか?」
「それは、少し厄介な”相手”だからですよ。」
師匠は、何を相手にしようとしてるんだ?とりあえずコンファムを掛ける、これで相手が魔法の発動するのをルーンを見て、いち早く知る事ができる(他人に使った場合、効果が落ちて瞳は薄っすら光くらい)。
「ルーク、カエデは私の魔法領域に、ミレーヌとアリスは、絶対に入らないで、見ていて下さい。」
「分かっわ、あなた…」
「わかりました、ブルーナさん」
俺達が試された時は、師匠の魔法領域に入ってても何も言わなかったのに、ほんと”何を呼ぶ”つもりだ?
「カムイの面倒を少し見ててくれねーか?アリス、ミレーヌさん、何かヤバそうだからよ……カムイ、ミレーヌさんと一緒に大人しく観ててくれ」
「クーン……」
「心配ねぇよ大丈夫だ。」
ルークも師匠の真剣な表情に何か察したようだ。
師匠は、緊張しているのか深呼吸して気持ちを落ち着かせている、こんな師匠を見るのは、初めてだ。
「……ルーク、カエデ、私の後方で離れて手を出さずにいなさい。」
俺達は何も言わず頷く。
そして師匠は異次元の指輪から、刀身が折れてない一本の剣と、師匠の合いようの武器、ミスチル槍を取り出した。
「2人共、身体強化して気合いを入れなさい!気を抜くと一瞬で意識をもっていかれますよ!」
その言葉に俺達は魔力による強化を行う。
「”物に宿りし記憶よ、我の意志に従い、顕現せよ、我は挑戦者、打ち倒し従えんとする者……”」
魔法名のみで、発動できるのを、わざわざ呪文を唱えるのは制御をよりし易くする為、それだけ慎重にする相手か……。
「アーティク・メモリー!」
魔法の発動と供に徐々に相手が姿を現す、新たな魔法、『アーティク・メモリー』は物体に宿る僅かな魔力と記憶から生き物限定で、その物体に接触した者を呼び出し、倒せば言うことを聞くが、それまでは自由に行動してしまう、俺が魔法を効率化する前は戦ってこちらが負けた場合、身体を乗っ取られる危険があった為、使用できなかったが今は大丈夫だ。
「”ほー……よく来たな、聖女でも、勇者でもない者が、俺に挑んでどうするのかは、知らんが、その勇気を絶望に変え、殺してやろう”」
現れた者が言葉を発した瞬間、物凄い威圧感、恐怖が身体を縛り、汗が溢れ、思考が鈍る……
「うっ……」
「ルー……ク……」
隣を見ればルークが崩れ落ち膝立ちになり、なんとか意識を保って要る状態だ、俺はルークに近づき方に手を載せお互いの魔力を魔力循環するよう操作する、普通、この方法は、魔力がなんなのかわからない者にして感覚を鍛えるものだが、精神に影響を与える魔法の対抗手段でもある。
なんとか耐えれるまでにはなったが動けるようには、ならなかったが意識は明快になった。
「お久しぶりです、ガーブ様……いえ今は”魔王ガーブ”でしたね……」
「”うん?お前は……そうかザイの息子か、まだ100歳にもならない、ひよっこだったが、成長したな……が殺すのは変わらないぞ?せめて苦しまないようにしてやる”」
師匠が呼び出したのは、魔王ガーブだった確か46年前の魔王軍が侵攻して来た際に聖女が討伐、当時、師匠は、ワルキューレ騎士団に所属していたからその時に魔王ガーブの所有物を貰ったのか。
魔王ガーブの外見はエルフの特徴である細身で顔立ちは整ている、髪は逆立っいて金髪、瞳は緑色……そして魔族にされた者の特徴である瞳の白い部分が黒で肌は青白い、魔族された者は、例外なく魔族以外の種族に対して抑えられない殺人衝動を保つ。
シュッ
「「え?!」」
「”なるほど、これは貴様の仕業かそこのへばっている奴を仕留めるつもりが、途中で止まった……確かお前のメモリーは一族の中でも変わったものだったな、お前を殺さないと他には手が出せない……時間稼ぎか……”」
「そんなとこです、ちなみにあそこの2人は私の弟子ですよ、なかなかの才能が有る有力株です。」
俺達の眉間にあと数センチのとこで止まった剣が黒く歪んだ空中より出ている、呼び動作もなしでなんてちゃんと動けていても、回避は今の俺達には、不可能だ。
そして魔王ガーブは次元魔法を極めた者だとわかったので、コンファムの魔法を俺とルークに掛ける。
「”わざわざ、弟子を連れくるとは、そっちの黒髪の小僧が使った魔法……そしてお前の瞳が薄く光る理由、魔法の発動を先読み、あるいは次元の歪みが見えるようにする魔法か、火狐の小僧は黒髪を連れて逃げる為の足か、戦えもしない弟子を戦場に連れてくるのは、馬鹿のする事だ、興醒めだ……さっさと終わらそう”」
魔王ガーブは禍々しい魔力を纏い始める、
そして師匠も魔力で身体強化をおこなう、
纏う魔力は両者供、過ごすぎて、魔力循環での威圧、相殺は限界ギリギリだ。
「”ではいくぞ?せいぜい俺を楽しませるよう努力しろ!”」
「負けるにしても相討ちにはもっていきますよ!」
両者の武器が激突して戦いが始まった。
次回、ブルーナと魔王ガーブの激突さてどうなるか、楽しみにしてて下さい(^_^)
次回も日曜日投稿予定です。




