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封縛Ceal  作者: 千藤 光
8/9

#6‥戦士の本質

空ヶ丘在住のとある中学生のLINE


<最近ここら辺にも暴走族がきてるらしいな


   既読 え?バイヤーじゃん>


<こないだるっぴーの兄ちゃんがやられたって


    既読 うわー。どんな奴?>


<リーゼントで、白い特攻服だっったって。


    既読 うわーそれ超ルイフーじゃん>


<多分その暴走族もお前の事そう思ってるぞたけぴー


  既読 しょうがないよ。この町自体80年代で時代が止まってるようなもんだし>




バイヤー:ヤバイ


ルイフー:古い


「ハァハァ…わあっとぉ!」


スザクカイザーは避けるだけで精一杯だった。


「早く打開策を見つけないと…」




~~~~~~



「………」


桜は黙り込んでパソコンのモニターを見ていた。



「おい、こんな時に何ぼけっと動画なんて見てるんだ。」



向かい側から俊の声が聞こえてハッと我に返った。


「いや、相手は輪入道だからいろんな衝突実験の映像から何か分かるかなって」


そういって桜はキーボードのエンターキーをタンと押して俊のモニターにデータを送った。



「なるほど…これなら」



~~~~~~



「え?直前まで逃げるなぁ!?」



スザクカイザーはマスクドホイールの攻撃を避けながら指示を聞いていた。



俊の立てた作戦はこのようなものだ。



マスクドホイールが車輪になって突っ込んできたら、避けずにギリギリまで引きつける。



そして衝突するかしないかの距離で緊急回避し、横から必殺技をぶち込むというものだった。


『うん。衝突実験の映像を見てて気づいたんだけど、直進してくる物体は横からの衝撃に弱いみたいなんだ。その推測が正しければ一発で仕留められる』



「ほっほー。そりゃあいい。」


スザクカイザーは立ち上がり、腰のカードホルダーから噴火した火山が描かれたカードメモリを取り出し、スザクマグナムのスロットにセットした。


≪ボルケイノ ブラスト≫


マグナムから電子音が鳴る


「来い」


スザクカイザーは相手を挑発するように人差し指をちょいちょいと動かした。



「ぶるううああああ!」


挑発にのったのか作戦通りマスクドホイールが突っ込んでくる。


(まだや…まだや…)


すっと集中力を研ぎ澄ましそのタイミングを待つ。



激突まであと3m…2m…1m…50cmそこだぁ!」



素早く身体を滑らせ相手の横に回り込む。


マグナムの発射口が真っ赤に染まる。


マグマのような極太レーザーがマスクドホイールを貫き、マスクドホイールは息絶える筈だったのになんで俺は真上に溶岩を撃っていてマスクドホイールは俺の上に乗っかってんだよぉ!???






スザクカイザーはいきなりのことで理解が追いついてなかった。


ボルケイノブラストを撃とうとした瞬間に、直進していた筈のマスクドホイールが、姿勢をそのままにして真横に突っ込んできたのだ。


混乱しているうちにマスクドホイールは、白い特攻服姿の暴走族の姿にもどった。


「え?…逆側から俺と同じことをしたヤツがいるということか?」


ごごごごごご


スザクカイザーが気絶した暴走族をどかそうとしたその瞬間だった。


空振りした溶岩が廃工場の屋根を突き破ったせいか、天井の一部が崩れ2人の上に落ちてきた。



「ヤバイ!」


スザクカイザーは暴走族を庇うような体勢を取ったが、直撃したら2人とも無事では済まい。


瓦礫が二人を襲おうとしたその時。



がぎぃぃぃいん    がらがらがらずうぅぅぅぅうん


瓦礫が弾かれ、爆音とともに二人の横に転がっていった。



しゅたっ


そして二人の前に、巫女装束で赤髪の少女が着地した。


手にはモーニングスターが握られている。


そしてその少女は二人を一瞥してからどこかに飛び去ってしまった。


「なんだあいつ…」



♂♀




「効かなかった?」


しばらくして、メンバーはスカイベース内でそれぞれの報告をしあっていた。


「はい…なんども殴ったのに、全く動じなくて…それで、取り逃がしちゃって…」


輝は悔しそうに拳を睨んだ。


古葉指令はその様子をただ静かに見ていた。


すると夏美、桜、俊、板東の四人は互いに目配せをしながらぶつぶつと何か言っていた。


「まさか…これって…」「まあ、許容範囲だったけど。」「ええ機会や教えたれよ」


「ねえ、ちょっといいかしら。」


その会話の輪の中から、夏美が出てきて輝に話しかけた。


「はい。」


「戦いの時、何を考えてた?」


「えっと、早く戦いを終わらせようと…」


「敵を倒そうとは思った?」


「いや…とにかく早く終わらせようと…」


そこまで言った時、板東がはぁあーっと大きなため息を吐いた。


「プロ意識がないな」


そういってやれやれといった表情で首を振った。


「プロ意識?」


「そう。」


夏美はそう言ってiPadを取り出し輝に見せた。


画面にはセイリュウカイザーの構造図が映っていた。


「シセイカイザーシステムは私達の会社で開発されたスーパーバトルスーツなの。」


そしてセイリュウカイザーの中央部を拡大させながら続けた。


「そして、ここがシセイカイザーを動かすメインコア。」


夏美は赤くなっている胸の部分を指差した。


「何で動いてると思う?」


夏美は微笑みながら輝に問いかけた。


「う~ん、最先端の超エネルギーとか?」


「ブッブー」


そう言って夏美は画面に映っているメインコアの部分をタッチした。


「正解は、『心』でした。」


タッチした部分に、Mentalという英単語が表示された。


「心…」


輝は自分が戦う前に言った言葉を思い出した。


『さっさと片付けて練習の続きしないと。』


「………」








     街の平和<練習










の方程式がいつの間にか成立していた。


輝はそんな自分に恥ずかしさを感じた。


「野球も一緒や。」


板東がずいと前へ出てきた。


「野球はいろんな仕事せなあかん大変なスポーツや。」


そして自分の右肩を撫でながら続けた。


「ピッチャーはいい球投げて試合を作らなあかん。バッターは打席に立ったら来た球打って走らなあかん。セーフになったら次の塁目指さなあかん。守る時は飛んで来た球とって一塁に投げなあかん。ぎょーさん仕事のあるスポーツや。」


そして肩から自分の手を離した。


「一流の選手は、バッターボックスにはバットしか持ち込まへんで」


「それって?」


輝は言葉の意味が分からず首をかしげた。


「打つときに別の仕事の事まで気にするような中途半端なヤツはいないって事さ。」


古葉指令は静かに、そして強く言い切った。


輝は愕然として、そして理解した。


倒すことより、さっさと終わらせて練習することしか考えてなかった。


中途半端な気持ちで戦場に赴いていた。


自分がダメージを受けただけで済んだからよかった。


もし誘導に失敗なんてしてたら…


「まあ、まだ13の女の子だし、こういうこともあるよ。」


悶々と考え込んでいると、慰めるように夏美がぽんと肩に手を乗せてくれた。


「まあ、そういうことはこれから考えていけばいい。まだ始まったばかりだしな。」


古葉指令も笑顔を作りながら言った。


「でも…」


輝は素直に安心することが出来なかった。


安心できない理由があった。


(プロ意識…か)


「ほらーキツく言ったから輝ちゃんしょげちゃったじゃーん」


桜が板東を肘でつついた。


「え?俺そんなんキツく言うたか?」


板東には自覚がないようだ。


「とにかく、気を紛らわせないと。」


「ええ~シュン坊まで…う~ん気を紛らわせる、ねぇ」


がりがりと頭を掻きながら板東は輝に話しかけた。


「ちょっと、頼みたいことがあるんやけど…」




♂♀



「勧誘か~」


次の日、学校。輝は教室を見回した。


輝と俊の二人は板東に、『もし野球に興味をもってそうな子がおったらさそってくれへんか?』と頼まれたのだ。


「お、いいじゃんいいじゃん。面白そうだから俺もやるよ!」


俊は早速鶴岡からOKをもらったようだ。


「うーん。狙ってたのになぁ-。」


輝は他に話をする人は…と辺りを見回してみた。


「お。」







忍はいつも通りやることもなくぼーっと外を見ていた。


すると何かの気配に気づいた。


(!?)


何かが飛んでくる。避ける?間に合わない。よしキャッチしよう。


ぱしっと目の前に来た物体をキャッチした。その間0.1秒。


手の中に入ってきたのは消しゴムだった。


「おーさすが-」


消しゴムの持ち主なのだろうか、飛んで来た方向から輝がパチパチと拍手をしながら近づいてきた。


「え?え?」


状況が全く理解できなかった。


「あの…これ…」


忍はしどろもどろになりながらも、とりあえず輝に消しゴムを差し出した。


「やっぱり私が見込んだ通り!」


「へ?」


彼女は消しゴム投げつけてきた次は何を言い出したのだろうか。全く持って意味がわからなかった。


「野球やろうよ!」


「え?え?」


もう忍には会話を理解することは不可能だった。何故ならこれは俗に言う『会話のドッジボール』というものだからだ。


「いやー忍君の素晴らしい反射神経と感覚神経には前から目をつけてたんだよねー。」


「あ…の…うう…」


これがドッジボールならまだよかった。彼女はルールを無視して次から次へとボールを投げ込んでくる。もう自分を無視で話が続いてる。


「だからさ、その特技を生かして私のチームに入って欲しいんだけどいいよね!いやー今人数が足りなくて困ってるんだよねー」


「あ…ええと…」


「君のその能力が必要なんだ!」




俊と鶴岡は二人のドッジボールを見て呆れていた。


「忍の野郎なんか喋ろよ。」


「もう見てられない。」


二人は見かねて忍の救出に向かった。


「輝!お前人を誘うの下手過ぎだろ!」


最初に会話に割り込んだのは鶴岡。まず輝に対抗できるのは彼しかいないだろう。


「断ってもだれも君を責めないよ」


学校モードのネガティブ俊は耳元で静かに忍に助言をした。


「あんのなぁ、消しゴム投げつけてから私のチーム入ってーとかテロリストかお前は!」


「だって、忍君は反射神経とか視力とかいろいろすごいんだもん!」


「だったらお前は米軍の戦車に手榴弾投げつけられるのか!?」


「じ、じゃあどうしたら」



「あ…あの!」



二人が言い争っていると、ようやく忍が言葉を発した。


「あの、もし…自分でも…いいのなら…少しだけなら…」


「入ってくれるんだね!やったーーー!ありがとーー!」


最後まで話を聞かずに輝はばんざいをした。


「あの…うう…」


忍はまだ何か言いたそうだった。


(家の手伝いがあるからあまり練習できないけど、それでもいいのかなぁ?)


「「へぇ~お前やるなぁ~」」



♂♀



そして放課後俊と輝は帰路についてた。


「そういやなんで忍なんて誘ったの?」


俊はむすっとした表情のまま輝に聞いた。


「3球目?」


「は?」


俊はあまりにおかしな返答だったので首をかしげた。


「授業でソフトボールしたことあったじゃん。」


「ああ、君のタイムリーがレフトゴロにされてぶち切れた時の。あのときがどうしたの?」


「忍君がフォワボールで出塁した時の内角低めの三球目。あの球ボールでもストライクでも文句が言えない球だったんだ。」


「へー。忍がただ打てなかっただけだろ。」


そう考えるのも当然。貧弱体質で運動とは無縁な少年がそんなことを考えてバッターができる筈がない。


「違うよ」


「へ。」


輝は自慢そうに、説明を始めた。


「4球目。この球は空振りしてるんだ。」


「だから何…?」


いまいちわかりにくい輝の説明に、静かでネガティブモードの俊のキャラが崩れそうになる。


「この内角低めの球はボール一つか二つ分外側だったんだ。」


「打ちごろの球だったけど打てなかったと…で何が言いたいの?」


何とかいらいらを押さえながら俊は次を促す。


「忍君、かなり選球眼がいいんだ。」


「………考えすぎ」


俊はがくりと頭をもたげた。


「ほ、他にもあるよ。」


輝はさらに説明を続ける。


「この前の試合で、忍君は一回もボール落としてないんだよ。」


俊はこんどはなんだというような苦い表情をした。


「たしかにフィルダースチョイス (投げる場所を間違えること)や捕っても投げきれないことはよくあったけど、グラブからボールを落とす事はなかったし、難しいボールもちゃんと捕ってたよ!」


「ホントかよ………」


俊は輝の推測を疑ってた。


輝の言ってることが正しいかどうかではない。そんな人間はこのクラスにはもっといる筈だからである。


輝はどうして忍の事をこんなに詳しくしってるのか。


そこに疑いをもっていた。



「まあ、いいチームになればいいな。」



と欠伸混じりに言ったその時だった。





キャーーー!



うわーーー


にげろーーーーーー!





何人もの人間が角から飛び出してきた。


まるで何かから逃げるように。


二人は顔を見合わせ、角の方へ駆けていった。


そこでは、昨日取り逃がしたランドフライが帰宅途中の中高生を襲っていた。



「グワアアアアアアアア”!」


「わあああたすけてええ!」


「いやだしにたくない!」


「うわああああおあえうあええあああああああでああ」



ランドフライは中高生に容赦なく炎を吐きかけ続ける。


輝は左腕の変身ブレスを構えた。


「よせ!効かないかもしれないのに変身するのは危険だ!」


俊は輝の腕を掴んで、変身しようとするのを阻止した。


だがその制止を振り払い、輝はブレスにカードを挿入した。


≪Standing≫


「どうして…」


俊は戸惑いの表情を見せた。


「だって…やらなきゃダメでしょ…」


輝の目には恐怖に顔を歪ましながら逃げ惑う人々が映っていた。



「効くかどうかなんて関係ないよ。」


龍の口を閉じて、両手を左腰に沈める。


「目の前がこんなになってるのに、戦う手段を持ってる私が逃げたら意味が無い!」


そして左手を天に突き出した


「雷 撃 変 身!!!」≪Put on≫


輝は雄叫びを挙げながらランドフライに走っていった。


雷に打たれ、輝の身体は空色のカードが身体に張り付いていくようなエフェクトが包み込み、セイリュウカイザーに変身した。


「うらあああああああ!」


そしてその勢いのまま殴りかかる



ばきぃっ



「ぐはあ!」



ランドフライは顔面を強打され倒れ込んだ。


「おりゃああ!」


ランドフライを立たせさらにパンチを浴びせる


「はぁあっ!はぁあ!」


「ぐっ ぎゃああ!」



「やった、効いてる!」


物陰に隠れて見ていた俊は喜びながらも、ひっかかる物を感じていた。



(あいつ、今戦う事に集中してんのか?)



「はぁあっ!はぁああっ!うりゃああああ!」


目の前で人々が襲われていて、だから戦った。


戦う事は考えてない。


みんなを避難させるため、怪我をさせないため、助けるため。



完全に雑念だらけじゃないか。



じゃあ、だったら…




「なんでそんなに強いんだ!」



♂♀




物陰から、その戦いを見てる者がいた。


黒い綺麗な黒髪に、蝶柄の黒い着物を身に纏った10才くらいの少女だった。


その少女の雰囲気は見た目とは裏腹にどこか大人びていて危険な臭いをはらんでいた。


「正義の心に 戦闘たたかいの炎が灯りし とき、青龍(東の龍)は真の力を解放する…か。」


少女はそう呟いたあと、ゆらりと何処かへ消えてしまった。


「せっかく外の世界に解放したんだから、せめて仕事くらいはしてよね~。」







♂♀


「そういうことか」


ガラケーのような多機能端末『データボード』からセイリュウカイザー達の戦闘を覗き込みながら言った。


どう見ても雑念にまみれて戦っているのに画面に表示された各ステイタスの数値はどれも跳ね上がっていた。






「正義の心」



セイリュウカイザーを動かすメーンエネルギーの本質は『雑念を捨て去る』事ではなく『守りたい、救いたいと思う』事なのである。







「うおおおおらあああ!」



渾身の右拳がランドフライの顔面に炸裂



「ぎゃあああ」


ランドフライは勢いに負け吹っ飛んでいく



「よし!」


剣をホルスターから引き抜き、必殺技を打ち込もうとしたその時



「ぐばああーーーーー」


ランドフライが火炎放射を放ってきた。



「うわあああ!」



今度はセイリュウカイザーが追い込まれる


「ごはあ ごはあ ごはあ」


今度は火炎弾を連射してくる


「うわああああああああああ!」



セイリュウカイザーは防ぎ切れずに大ダメージを受けてしまった。そして剣も弾かれ取り落としてしまう。


「くそ…このままじゃ…」


セイリュウカイザーは剣を持ってた右手を押さえながら後ずさりする。


「ごばあーーーーーー」


二回目の火炎放射がセイリュウカイザーを襲う。


(やばい!)



直撃するその時だった。



ぶしゃああああああああああああああ



何処かから噴射された水の柱が火炎放射を相殺したのだった。



「ぐゆわあああああ!」


ランドフライはぶすぶすと煙を立てながら前につんのめる。



「え?」


セイリュウカイザーは驚きのあまり身体が硬直してしまった。


「輝ちゃん!今だ!」


セイリュウカイザーは俊の声で我に返り立ち上がった。


そしてカードホルダーから雷のカードを取り出し、バックルのスキャナーに装填した。


≪サンダー リーディング≫


電子音の後に、右足を後ろに引き、溜めの体勢をとる。


≪ライジングシュート≫


「はあああああああああああああああっ」


二回目の電子音を合図にランドフライへと駆けだし、飛び上がって前転


「とりゃあああああああ!」


そして雷パワーが蓄積された右足をランドフライに打ち込んだ。


「う。ぎゃあああああああ!」


セイリュウカイザーがキックを決めて着地した瞬間、ランドフライは爆発した。



「一丁あがりぃ…」


セイリュウカイザーは振り向いた。『ランドフライに取り憑かれた人間』がどんな者だったか確認するために。


だが、そこに居たのは『やられたランドフライ』だった。


「え?なんで、そのまま…」


セイリュウカイザーはうろたえ、その場に立ち尽くした。


「生命反応がない」


ガラケーのような端末を覗き込みながら俊が出てきた。


「え?」



「こいつは…完全に妖怪、野衾のぶすまだ。」


二人は息絶えた妖怪を見下ろした。


「それはどういう…」


うろたえていると、また何処からか何かが飛んで来て、野衾に突き刺さった。


よく見ると、それはお札のようなカードだった。


瞬間、野衾はそのカードに吸い込まれて行き、元来た方へ帰っていった。


「え?Ceal(封印)された?」


「なんだよいったい!?」


俊も輝も全く状況を飲み込めなかった。







♂♀



戦いを見ていた者は1人ではなかった。





「封縛完了っと。」



封縛巫女『希望』は、手元に戻ってきた封縛札をカードケースに収納した。


側には白い鱗の水の守り神『水竜』がいた。


「ありがとう水竜。おかげで『彼女』が倒されずにすんだよ。」


そういって希望は水竜の頭をなでた。さっきの火炎放射を相殺した水の柱は水竜から繰り出されたものである。


「まさか、『また』外の世界(現実世界)に封魔が現れるなんて…」


希望は辛そうな表情になった。


「またあの悲劇を繰り返してはならない…。もう誰も失いたくない。」


忍の目には、スカイベースに電話で報告している俊と、ただボーゼンと立ち尽くすセイリュウカイザーが映っていた。




To be continu

久々の投稿です迷惑かけてすみませんでした。やっと書けました。やっぱ小説って書いてておもしろい。

でも書いてて気づきました。僕は筆が遅いです。そして受験生だからもう書く暇がないです。なので、本当に自分勝手で申し訳ないのですが、大学に合格するまでちょっとのあいだ執筆活動を休止します。まあ、いままでも休止同然だったんですがね。最短で12月上旬に再開できたら嬉しいです。

僕はこのお話も、キャラクターも、このサイトも大大大好きです。僕の夢が始まったところです。なので絶対にこのお話の続きを投稿します。なので見捨てないで覚えていてくれたら嬉しいです。

次回もご期待ください。もしよろしければ感想、意見、ダメ出し、よろしくお願いします!


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