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封縛Ceal  作者: 千藤 光
7/9

#5‥シセイカイザーシステムの弱点

__________________________



空ヶ丘ブルーバーズ募集!!



君もプロの選手が戦った舞台「スーパーリーグ」でプレーしてみないか!?


対象

中学1~2年男女


経験、未経験は問いません。


詳しくは板東バッティングセンター(0986-¥¥-@@@@)まで

____________________________



____________________________


スーパーリーグ


スーパーリーグとは1995年に開設されたランキング制硬式少年野球リーグのことで、現在36チームが登録されている。


普通の野球クラブと違い、定期的にリーグ戦が行われ、勝ち負け、得失点差などから換算される勝ち点で全国順位を出し、1年で最も勝ち点を稼いだチームの優勝という変わった形の野球リーグである。


登録は基本硬式の野球チームであればどんなチームでも登録可能だが、ランキング制に不満の声をあげるチームも多く、登録チームの伸びはいまいちである。



(辞書サイト『検索レンジャー』より一部抜粋)


___________________________


「ううううん…」


輝は悩んでいた。


「うううう…」


ビシュッ


バッティングマシーンからボールが放たれる。


「ぬうううううう…」


カキーン


難なく100kmのボールを打ち返す。


「いい振りやー!その調子やでー!」


ネットの後ろから気合いの入った板東の声が聞こえる。


「うわぁ」


ぶん


横のバッターボックスにいる俊は空振り。


「もっとボールに集中せぇやあぁ!」


今度は力強い声で檄を飛ばす


「うぅうううん…」


びしゅ


またしてもバッターボックスからボールが放たれる。


95km


カキーン


『テレテレッテレーン ホームラーン!』



ぶん

「うわぁ」


隣の俊はまたしても空振り。


「なにやっとんねん俊坊~!」


またネット裏から檄が飛ぶ。


びしゅ


100km


「なんでメンバー2人だけなのーーーー!」



カキーン



『テレテレッテレーン ホームラーン!』


♂♀



「私が入ってから4ヶ月。」



そう言ってぐいっとボトルのドリンクを飲んだ。



輝、俊、板東の三人はバッティングセンター内のベンチで休んでいた。


「なんで集まらんのやろな。」


板東はがっはっはと笑いながらペットボトルの水を口の中に含んだ。


「笑い事じゃないですよ!このまま2人だと野球できないじゃないですか!」


輝はがくっと肩を落とした。


「っていうかいつの間に僕をカウントしたの?」


俊は怪訝な顔をしている。


「え?俊坊はメンバーちゃうの?」


板東は不思議そうな顔をした。


「僕はブルーバーズのアドバイザーで…」


「じゃあメンバーやん。」


またしても板東は人ごとのようにがっはっはと笑った。


「笑いごとじゃないって…」


輝はふぅとため息をついた。


「っていうか大体宣伝とかはしてるんですか?」


周りを見回しながら俊は言った。


このバッティングセンターの中には以前輝が持って来たチラシらしきものはあるのだが、町中などでそのようなものを見る機会は無かった。


「それがな…」


板東は申し訳なさそうに口を開いた。


「張り紙した次の日にははがされとんねん。」


「念のために聞くけど、許可は取ってるの?」


「許可?いるんかそんなん?」


俊は落胆し頭を抱えた。


チラシの意味なんて、なかった。



「え?じゃあなんで輝ちゃんはチラシもってんの?」


「拾った!」


輝はエッヘンと胸を張った。


「拾ったって、それゴミ同然じゃないか!よくそんなもの信じたね…」


今度は俊が大きなため息をついた。


「ほら、藁をも掴む何とやらって言うじゃん?」


「それでもだよ。これが本当だったのがよかったものの。」


「ほんまやで。」


「元はといえばあんたのせいだろ!」


そう言って俊はコンと板東の頭をチョップした。ああこの人は本当に野球チームの監督をする気があるのだろうか、と。





prrrrrrrrrr


prrrrrrrrrr


そんなバカみたいな会話をしていると板東が付けていたブレスからケータイの呼び出し音のような電子音が鳴った。


板東はスザクの目の部分を押した。


「なんや?」


板東はブレスに話しかけた。反射的に輝と俊も覗き込んだ。


『また商店街でポゼッシャーが暴れているわ!至急向かって!』


ブレスから夏美の声が聞こえてくる


「おっけ!」


「了解っ!」


「分かりました」


三人三様の返事をしてから三人はバッティングセンターを出た。


俊はケータイ端末のような機械のボタンを押してスカイベースにワープ。


板東と輝は腕時計で時間を確認するような動作を取り、カードスロットを開いた。


二人はそれぞれカードを挿入した。


≪STANDING ON≫


≪STANDING ON≫


「雷撃変身!」


輝は両腕を体の横に沈めてから、左の掌を天に掲げた。


瞬間、稲妻が彼女の体に落ち、セイリュウカイザーの姿へ変えた。


「豪火変身!」


板東は左腕を右に持って行き、前方へ突き出した。するとブレスから発せられた炎に包まれスザクカイザーへ姿を変えた。


「よっし!」


スザクカイザーは店先に停めてあるバイクに乗り出発した。


「じゃぁ俺はこれだな。」


セイリュウカイザーはカードホルダーから一枚のカードを取り出し、バックルに差し込んだ。


≪FLY≫


電子音が流れると足下をカードが覆い尽くすようなエフェクトが発動しセイリュウカイザーを宙に浮かせた。


「はっ!」


セイリュウカイザーは空へ飛んだ。



『あ、そうだ』


ふいにブレスから夏美の声が聞こえてきた


「どうしたんですか?」


空を滑空しながらセイリュウカイザーは応答する。


『しゃべり方変わってるのに気づいてる?』


「あ、そういえば。」


セイリュウカイザーの変身者、輝は女の子である。しかし変身直後に一人称は男のそれに変化していた。板東ことスザクカイザーも関西弁が抜けている。


「でも何でですか?」


純粋な疑問を投げかける


『簡単よ。あくまで一般人なんだから簡単に正体をばらすわけにはいかないでしょ?顔は隠れていても声でばれるかもしれないからね。』


「なるほど」


そんな会話をしていたら商店街で暴れている二体の影が目に入ってきた。


「っぶはぁ!」


一体は黒いムササビの体をして顔面がコウモリのポゼッシャー、野衾のぶすま『ランドフライ』


「きゃぁぁぁぁ!」


ランドフライは口から炎を吐き出した。


「うわああああああ!」


焼かれまいと買い物客は必死で逃げ惑う。


「ぐぅううあああああ!」


だがその先には体の所々が車輪になっている落ち武者のようなポゼッシャーがいた。輪入道『マスクドホイール』


「うわああああああう」


そいつが咆哮を挙げると体が車輪に変形し、その体に炎を纏い、逃げ惑っている人たちに向かって突っ込んでいった。


「え?きゃあああああ!」


「うわあああああああああ」


「助けてくれえええええええええええええ」


逃げ惑う人々は挟み撃ちに合いパニックに陥る。


ある一人が引き返そうときびすを返したら後ろから来た人間にぶつかり転倒。

さらにその弾みで何人かが転び足止めを食らってしまう。


そうしているうちに後ろからは火を噴くコウモリもどき。前からは火だるまの車輪。


「助けて!誰かアアアアアアアアアアアアアア!」


絶対絶命かと思ったその時。


「はああああああ!」


ぺしゃんこにされる寸前で朱雀の戦士がマスクドホイールをバイクで轢き飛ばした。


「があああああああああ!」


バイクにも勢いがついていたのか、商店街の裏手にある廃工場まで吹っ飛ばされていった。



「だああああああっ」


「ぎぎぃいいぃい」


清瀧の戦士が空からランドフライに体当たりして商店街にいる人々から遠ざけた。


わあっと安堵と喜びの混じった歓声が起こった。


「商店街の人たちに迷惑かけてんじゃねえよ!」


スザクカイザーがブゥンとバイクをアイドリングさせながら言う。


「さっさと片付けて練習の続きしないと。」


セイリュウカイザーはふわっと着陸しながら言った。


「「よっしゃいくぜ」」


二人はそれぞれのファイティングポーズをとって、声を張り上げ、敵に向かっていった。


♂♀


「ああああぁぁ…」


俊はモニターの前で頭を抱えた。


「どうしたの?」


丁度真ん中に位置する席に座っていた夏美が俊の席を覗き込んだ。


「考えてなかった。戦闘要員が増えるってことは2人分指示を出さないといけないんだった。」


俊のモニターにはそれぞれ別の場所で戦ってる2人の姿が映っていた。


『しゅっ、しゅしゅしゅしゅしゅ!』


スザクカイザーは商店街から離れたはい工場でボクシング主体の組み立てで戦闘していた。


『だぁ!はぁっ!うおりゃぁあ!』


もう一方のセイリュウカイザーは商店街内の立体駐車場で剣撃と空手の技を上手く組み合わせながら戦っていた。


もちろん二人は指示を待っている状態なので商店街の人々が逃げる時間を稼ぐ程度の戦いしかしてない。


「うううん…」


俊はしばらく2つの戦いを見ていた。


『うがあああ!』


マスクドホイールがまた車輪となりスザクカイザーに突っ込んで来た。


『ぐはあぁぁ!』


スザクカイザーは正面からモロに攻撃を食らってしまった。


「うう…」


俊はまだモニターとにらめっこをしている。


『ききき!』


ランドフライは翼を広げ逃げようとした。


『させるか!』


セイリュウカイザーは腰のカードホルダーから1枚のカードを取り出し、スカイブレードの峰のスロットに差し込んだ。


≪BIND≫


電子音の後セイリュウカイザーはスカイブレードを横なぎに振った。


『はぁっ!』


すると剣先から蜘蛛の糸が出て、ランドフライを縛った。


『ぎゃぁあ!』


ランドフライはぐるぐる巻きにされてその場に落下した。




「…よし」


俊はマウスを手に取り、通信のボタンにカーソルを合わせ、戦闘中の2人に指示を出した。


「今の戦いを見て、輪入道の方が手強いと判断した。すまないけどセイリュウカイザーは自分の好きなようにやってくれ!僕はスザクカイザーを優先して指示を出す。」


『分かった!』


画面の中から返事が返ってくる。


「ふぅ~」


俊は一旦間を置いてからモニタ内のセイリュウカイザーの映っているスクリーンを小さくして、そしてスザクカイザーを移しているスクリーンを拡大した。


「さてどうしたもんか…」


♀♂


「はあぁっ」


セイリュウカイザーは蜘蛛の餌状態になってなお抵抗しようとするランドフライにパンチした。


ドスっと鈍い音が鳴る。


だが、


「効いてない?」


ランドフライはビクともしなかった。


「だったら!おららららららららららあ!」



今度はドスドスドスと連続で高速パンチを連打した。


「これでも効かないの?」


まだビクともしない。


そして攻撃を止めた一瞬を突かれた。


「がああああ!」


ランドフライが蜘蛛の糸をちぎったのである。


「しまっ…」


そして体勢を立て直す暇も与えずにセイリュウカイザーを蹴飛ばした。


「ぐわあああああ!」


その衝撃で数メートル吹っ飛ばされ、駐車してあった車に激突し、フロントガラスをかち割った。


さらに大ダメージを受けてしまったため変身が解けてしまった。


(やばい!)


まさに絶対絶命。


ランドフライが近づく。


「くるな…」


輝の顔が恐怖で歪む。



だが、



「ハッ!」


ランドフライはそれ以上は攻撃をせずに、空へと逃げていってしまった。


「たすかったぁ…」


輝は車から落ちて肩をなで下ろした。


「はぁはぁ…でもなんで効かなかったんだろ?」


輝は自分の拳を眺めた。


続く


うわあ~アニメばっか見てるから、つまらない動画ばかり作ってるから、そもそも話を思いつかなくて詰んでるから、また更新が遅くなった!書く時間を作れ俺!上手く時間を使え俺!


と、愚痴はさておき、敵キャラは妖怪をモチーフにしてますが、選ぶのは大変です。ネーミングはテキトーすぎる英訳です。


次回は輝ちゃんにちょっと痛い目に遭って貰いましょう。


と思ったのですが、最近執筆意欲が全くわかなくなったので、しばらく初心に戻って二次創作を書きたいと思います。とりあえず書きたいものを書いて、また、輝や忍達を動かしたくなったらまた書こうと思います。なので次回の更新はもっと遅くなると思います。すみません。


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