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平凡な僕と、壊れてしまった元vtuberの彼女

掲載日:2026/01/08

壊れてしまった元vtuberがヒロイン。


恋愛。

「来るんだろうか」


僕は、待ち合わせ場所で呟く。

来るのか、来てくれるのか、あの幼なじみは。


元日。

幸せそうな周りの人たち。子供も、大人も。

そして、年を越したばかりだからか(今は昼だけど)、皆どこか心が浮いている。


そして、待ち合わせの時間になった。


「あっ。

来てくれたんだ」

「(コクリ)」

感情の入っていない顔で、幼なじみの少女はうなずく。


うなずいてくれた、それだけでも、僕はいい。安心する。




「おみくじ引こうよ」

「あちゃー、末吉、反応しにくい」

「君は大吉か、よかったじゃん。これから幸せになれるよ」


「お守り。この神社は勉学の神様だから、僕は高1だし、勉強かな」

「恋愛、買っちゃう? ああ、ごめん。生意気だったね」


「本当は先に賽銭じゃないといけないらしいけど。

そろそろ並ぼうか、この凄い列に」


人が多いからか。

幼なじみは反応しない。

感情が入っていない。顔にも、動きにも。

僕が一方的に話かけている。

うなずきすらないから、聞いてくれているか不安になるけど。


待ち合わせ場所の、あのうなずき。

やっぱり、アレはレアだ。




「5円玉、と。

うん? あ、あの、それ、お札だよ? 1万円冊。ど、どうしたの? あ、入れちゃった」

いきなり財布から札を取り出したからビビった。1枚だから、まだいいけど。いや、1枚でも凄いけど?


高校生の僕にはわからない感覚。


先にお願い事をされるから、慌てて5円玉を1枚入れお願い事をする。


願い事は、決まっている。


『いいんだよ!vtuberをやめても! 両親に睨まれても、ファンに嫌われても、僕がずっといるから! 迷惑かもしれないけど、隣にいてもいいのなら! 僕がいるから!』


無理したからだろう、元は暗い子だったから。

キラキラして、面白いvtuberを演じるのは、無理があったのだろう。


陰キャな幼なじみは、人気vtuberになり、そして、壊れてしまった。

久々に会ったら、感情がなくなってしまっていた。


僕の願うこと。


本当の幸せになれますように、この子が。


神社から帰り道、僕はなんとなく聞く。

「どういう感じの、願ったの? 1万円だからすごい気になる」

まあ、反応されないだろうけど。今は人多くないし、て期待もあるけど。


「…キミとずっと一緒にいたい」

ボソボソ、と。

でも、僕には聞こえた。

「1万円出さなくても叶うよ、そんなこと」

僕は微笑んで返した。若干、顔を赤くして。


平凡な僕とずっと一緒。

幸せとは思えないけど、まあ、いっか。

久々に声も聞けたし。生の声を。


また、普通に喋ったり、普通に笑ったりできるようになるといいね。

ありがとうございました。

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