第18話:神界突入編 - 運が尽きたって、まだ終わりじゃねぇ!
──ここは、《ヘブンコード》。
神々の領域。法則の上に立つ、確定因果の空間。
「……重っっっっっっっ!! 空気がっ!!」
ユウトは転送直後、顔面から着地した。おなじみの開始である。
「パン……落ちてない!?パンでなんとかできないのか!?」
ここでは、確率が固定されている。
つまり、《強運》は完全に無効化。
――だが、ユウトは笑っていた。
「……おもしれぇ。運が通じねぇなら、それをぶっ壊すだけだ」
同行者は魔王ゼル=ヴェルク、そして半覚醒状態のアリシア。
“神核”を持つ彼女だけが、神界のゲートを開けたのだった。
「気をつけて、ユウト君。ここにいるのは“運命そのもの”。私たちとは、時間の概念すら違う……」
やがて、巨大な神殿の中枢に辿り着く。
そこにいたのは、光でできた存在。
その名は――《アル・オルド=調律神》
「観測外の存在、ユート=アムネジア。
貴様の干渉によって、我々の世界は崩壊しつつある。よって、ここに削除を宣言する」
神の手がかざされ、空間そのものがユウトを“消去”しようと収束を始める。
──その時。
「違う……俺はただ、“選ばれたかった”だけなんだ……!」
記憶の断片。
前の世界。仲間を守れなかった少年。
“何者にもなれなかった”過去の自分。
「だからもう、選ばれるのを待つんじゃない……
俺は、運命を選ぶ側に立つ!!」
その瞬間、ユウトのスキル欄が光る。
《強運》が進化した——
**《創運》:確率の再構築/現実干渉/観測不能値への直接影響**
光が砕け、空間がねじれる。
神の計算式が、ユウト一人の存在によって崩壊していく。
「なっ……これは、確率を……作り替えている……!?」
「俺が……運命を書き換える。自分で、俺自身の“道”を引き寄せる!」
──そして、ユウトの掌にパンが現れる。
「来い、神パン。俺の相棒。これで決める!」
投げられたパンが、空間に走るコードを破壊し、
神の演算核を粉砕した。
「ぐああああああああああああああああああ!!!!!」
神が崩れ、世界が再構築を開始する。




