ラーメン好きの二人
「ここら辺は焼けて跡形も無いな」
茶色のコートを着た男が言った。
「だな」
横にいた黒髪の男が言うと右のポケットをゴソゴソしてタバコの箱を取り出した。そして不器用に箱から一本取り出した。すると次は左のポケットからライターを取り出して、タバコを人差し指と中指の間に挟み、口に持っていった。ライターで火をつけると、茶色のコートの男の方を少し向いて、ライターを差し出した。お前も一服どうだ?とでも言ってるようだ。首を振ったのを確認してライターを引っ込めた。
辺りは煙臭く、建物は壁はもはや壁として機能していなく鉄骨が剥き出しになっていたり中が見える状態になっていたりしていた。地面には鉄棒や木材の破片やらが落ちている。
「ここには情報聴取のために来たんだが、生き残りはどこで生活しているんだ?」
「どこだろうな」
「あの事件から約3年か」
少しばかりしんみりとした空気が流れた。その静寂の中、前方から微かながらに
バキッ
と木が軋む音がした。気づくといつの間にか目の前に男が木材の上に座っている。
「あんたら、捜査官かい?」
二人は顔を見合わせると、
「そうだ、あの事件の真相を突き止めようと手がかりを探している」
「何だ、事件の真相が知りてぇのかい?それなら俺が全部知ってるさ」
「何ィ?」
「まっ、今は暇してるからな、特別に教えてやるよ」
そう言って一息置いて、男が語り始めた。
「あの事件の始まり、というか全ての始まりはラーメン好きの二人から始まったんだよ」
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