腹黒姫と海賊王
むかしむかしあるところに、美人でしたが、ものすごくわがままで、腹黒いお姫様がいました。
くる日もくる日も、あれが欲しい。これが欲しい。と毎日のように言います。
手をやいていた王様は、お姫様と結婚した勇者を次の王にすると宣言しました。
たくさんの勇者が城にやってきました。
お姫様は、一番強い勇者と結婚したいと考えました。お姫様は勇者たちに言います。
「ワタクシの頼んだものを持って来てくれたら、その人の妻になりましょう」
お姫様は、だれが持ってきてくれるか、ワクワクしながら言いました。
「あらゆる人を洗脳する腕輪。不老不死の秘術が書かれた魔導書。空を飛ぶ羽根ペン。リヴァイアサンの七色に輝く鱗。ドワーフが作った宝剣。これらの宝いずれかを持って来た者と結婚してあげる」と。
だれもが言いました。
「いや、そこまでして、結婚したいわけではない」と。
怒ったお姫様は、自分で探し出した洗脳の腕輪で、勇者をみな洗脳してしまいます。
くる日もくる日も勇者達に残りの宝を探させました。
そして、ついに全ての宝のありかがわかりました!
なんと宝は、海賊の王が、全て所持していたのです。
姫は、思いました。
海賊を洗脳してしまえば、世界も宝も全て自分の物だと。
そして、自ら海賊にさらわれました。
海賊が、捕まえた姫にキスをしようとしたとき、姫は、腕輪を使い、海賊を洗脳しようとしました。
ですが、できませんでした。
なんと海賊は、世界最高のアンチ魔法の使い手だったのです。
海賊は、全てを見透かしたようにお姫様に言いました。
「俺は嫁に良識は求めない。美人ならばそれでいい」
悪事を働こうとしたのに、一切お咎めがなかったお姫様は海賊に惚れてしまいました。
それからとういうもの、真実の愛に目覚めたお姫様は、海賊と結婚し末永く幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
おしまい。