第九話衛生科来て!あ、俺か
第九話衛生科来て!あ、俺か
「うぐ、痛いぃキット、救急キットと」
俺は矢がまだ刺さっている右腕で救急キットを取り外して止血スプレーと対麻痺毒スプレーをふりかける。強烈な痛みに耐えつつ大量の汗を拭き取りながら治療して再び前進する。痛い。それに尽きる。
ハイライトオフの目に89式小銃、そして右腕には包帯。前世の街にいたら公安沙汰確定演出マンの俺は一人歩いていた。
10人くらい居ればお互いの心の傷を癒やし合いながら歩いるのに…そう愚痴りつつ俺は軍歌を一人歌い続けている。ちなみに軍歌と言っても日本軍限定だ。
国外言とかマジ無理ぽなんすよ。許してつかーさい
ちなみにだが開始時から1ヶ月なんとか食料の温存に成功している。距離にして茨城から佐世保までの距離を歩いている。
外見の変化は見当たらないが心身的には相当応えている。軍歌を歌う最中にも自分の意識関係なしに突然笑い始めるんだよ?怖いよ自分が。もう狂いそうな時に悲報が出る。なんと白米が底をついたのだ。号泣したさどんな辛いことよりも辛い物それは飯が無くなる。米粒一つあれば何度か生きれるんだがそれも尽きてしまった。残されたのはウインナー缶2個ジャガイモ5個
あれこれじゃ栄養不足でお陀仏もあり得る!?
俺はジャガイモを一個取り出してポテチくらい薄く切って湯通しをする。満足感なんぞあったもんじゃないが眠ることにした。天幕も貼らずに…
夜中、気配を感じた俺は暗視装置を取り出して周辺を見る。するとリスがこちらを見ている。急いで89式のハイダーをサプに変えて撃って食料にする。ブクブクと煮立ったところにチタタプにしたリスの脳みそや色々な物を入れ最後の一切れの味噌を入れる。ジャガイモも半分ほど入れて食べると号泣した。久しぶりのまともな飯にありつけたことに一番の感動を覚える。
満足感のあまりか寝てしまう。暗視装置や火の始末はしてあるので問題なく気持ちよく眠れた。