表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/74

049 仲間を集める魔術師①

 場所は変わって、冒険者ギルド。

 フレデリカと別れ、ギルドにやってきたレオ一行はテーブルに腰掛けていた。




「掲示板って、果たして見られるのかしら……?」


「あ、あまり……今のところ、立ち止まってみてる人はいませんね……」




 ギルド内にある掲示板に、パーティメンバーを募集する旨の張り紙を貼った。ちなみに、フラン作のかわいらしくも度胸のある張り紙だ。




「まあ、そんな時間も経ってないしな。時間も中途半端だ。夕方くらいになったらもっと人が集まるだろうから、その時にもう一度きてみるか」



「ええ、そのほうがいいかもしれないわね。この待っているだけの時間も無駄だし。……そうだ、レオ。私と立ち会いなさいよ。剣の天敵ってリーチの長い槍でしょ? いい鍛錬になると思うんだけど」



「確かに、それはいい提案だ。確かギルドの後ろに訓練所があったはずだから、行ってみるか」


「レオ。それも大事だけど、こういう時にランク上げしといたほうがいい」


「ランク上げ?」


「ん。フランたちはまだ、Fランク。魔物退治にはいけないランク」


「それもそうだな……みんなA以上の実力があるのに、Fランクってのはあれだよな」


「あの、わたしはありませんから一括りにしないでくださいね?」


「ふむ……」




 腕を組んで悩むレオ。どちらも捨てがたい提案だった。




「私はどちらもでいいわよ?」


「ん、ヌゥもどっちでもいい」


「わたしは、ここで待ってますね? どこにいっても、足手まといですから」




 さらにもう一つの選択肢がぶち込まれ、唸るレオ。

 思考をフル回転させて、きっかり一分考え抜いたレオは、




「――よし、決めたぞ」


「どうするの?」


「どっちにする?」


「兄さん?」


「みんな。準備してくれ、外に出るぞ」







「うぉぉぉぉッ!!」


「甘いわ、もっと強く踏み込みなさい! 脇も締めて! 視線で狙った場所がバレるわよ!」




 木刀が弾かれ、胸部目掛けて三叉槍がうねる。

 腕を軋ませて、三叉槍の突きを叩きつけそらすも、水のように流麗なエヴァの槍術によって追い込まれる。



 全く歯が立たない。

 加えて、サングラスによって視線がわからないから、どこを狙われているのかも予測できない。




「エヴァ、あの湖畔で戦った時とはぜんぜんキレが違うぞ……! もしかして、手ぇ抜いてたか?」


「手を抜いていたわけじゃないけど――」




 空気を穿って繰り出された三連突き。なんとか木刀でいなすことに成功し距離を取るも、一瞬にして間合を詰められたレオが唇を噛み締めた。




「――その時の気分で左右されるじゃない?」


「っ――!!」




 音速すらも置き去りにしたエヴァの、容赦なく強力無慈悲な一撃に、レオは瞠目を隠せなかった。



 ゆえに――レオはイメージを瞬時にみ上げていた。

 



「な――――ッ!?」




 最高潮にまで到達したエヴァの、正真正銘、本気の一撃が――真上へ弾かれた。




「――【絶喰一閃】」




 フレデリカの神々しい動きをイメージして、創造トレースされた剣技。

 反動で木刀が砕けたものの、エヴァの一撃を完璧に相殺してみせた。




「……ふん。さすがといっておくわ」


「ありがとう。エヴァが本気でやってくれたから、俺の練度も上がっていく」


「ハイハイ。とっとと木刀とってきなさい。続き、やるわよ?」


「ああ。ちょっと待っててくれ」




 粉砕した木刀の柄を握りしめたまま、レオはフランの元へ向かった。

 フランは、少し離れた巨木の麓で薬草を採取していた。




「あ、兄さん! お疲れ様です。調子はどうですか?」


「ああ、最高だよ。成長がわかると気分もあがるし、新鮮な空気の中で行うのは気持ちいいな」


「そうですよね、わかります! わたしも、兄さんの役に立てることをやれて嬉しいですし、楽しいです」




 フランが用意した背嚢はいのうには、薬草がパンパンに詰め込まれていた。

 



「すごい数だ……。ありがとう、フラン。これで薬草採取の依頼は全部達成できるな」


「はい! ヌゥさんにも手伝ってもらってるので、すぐに達成できますよ」


「そのヌゥは、どこにいるんだ?」


「あちらの方です」




 フランが指さした場所に視線を向けると、木々の向こうで何かが潰れる音が響いた。




「討伐目標の魔物を見つけたからと、飛び出して行っちゃいました」


「効率よく進んでるな……」


「それにしても、依頼は一つまでしか受けられないというイメージがあったんですが、大丈夫だったんですね」


「Fランクの依頼限定だけど、掛け持ちができるんだよ」


「ヌゥさんが戦ってる魔物の討伐依頼は、確かCでしたよね?」


「Fは、どのランクの依頼とでも掛け持ちができるんだ。魔物を討伐するついでに薬草を採ってくるとかな」


「なるほど……」




 今回、受けた依頼の数は五つ。

 うち三つは薬草採取の依頼で、一つは穀物採取。そして最後の一つが、




「――狩ってきた」




 ここ【ナンディーナの森】で目撃された【ストレート・ボア】の討伐。

 C級相当の魔物ストレート・ボアを引きずって現れたヌゥは、泥ひとつ被らずに討伐したようだ。




「依頼は全て終わった。もう帰る?」


「……そうだな。そろそろいい時間だし。エヴァにもそう伝えておこう」


「ん。準備する」


「ヌゥさん、これってこのまま持って帰るんですか? メラクから近いとはいえ、流石に大きすぎるのでは……」


「必要な部分だけ持ってく」


「ということは、もしかして……」




 ヌゥが、メイド服の裏側から取り出したナイフを見て、フランが生唾を飲み込んだ。




「ここで解体する。毛皮は売れる。肉も売れるしうまい。骨は一部だけ、高く売れる。あと頭は討伐証明になる」



「うぇぇぇ~、ほ、ほんとにここで解体するんですね……っ」




 手際よく解体してみせるヌゥ。冒険者の経験はないはずなのに、随分と慣れた手つきだ。




「フラン。これは結構、疲れる」


「み、見てたら……わかります。結構硬そうですし……技術も要りそうですよね」


「ん。でも冒険者にとって大事なこと。生計を立てたり、これで装備を整える」


「は、はあ……」


「でも、解体技術を持ってる人は少ない。多分、レオもできない」




 ヌゥに言われて、レオは素直に頷いた。



 ある程度、雑ではあるが肉を剥ぎ取ったりすることはできるものの、彼女のようにきれいに解体することはできない。 



 戦う術を学ぶ。そのことには積極的でも、そのほかの術については無頓着なのだ。




「つまり、これは今後も兄さんのためにもなるわけですね……。わかりました、ヌゥさん。やり方、教えてください」


「ん。任せて」


「お願いします。――あの、ナイフってどう持つんですか?」


「こう。今度、解体用のナイフを買ってくる」




 ストレート・ボアを解体する二人の少女。

 ヌゥの説明はうまい。きっとすぐに、一人でも解体できるぐらいに成長するだろう。




「さて、もう少し時間かかりそうだし……もう一戦いっとくか」




 フランの管理するリュックサックから予備の木刀を抜いて、レオはエヴァの元へ向かった。






「おもしろかった!」



「続きが気になる!」



「早く読みたい!」



と思ったら



下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いします。



面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、どんなものでも泣いて喜びます!


ブックマークもいただけると最高にうれしいです!


何卒、よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ