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「浜辺さん、私と雅彦はまだ婚姻状態にあるんです。もしあなたと何かあったら慰謝料請求しますよ!」
「あら、慰謝料くらいで済む話なの? お金で解決できるんだったら私いくらでも払っていいわよ。津田君、奥様と別れて私と一緒になる?」
加奈は圧倒的な敗北感を感じているようでクラクラしていた。
加奈の注文した飲み物が運ばれてきたが彼女はそれすら飲まずに、何も言わずフラフラと店を後にした。
その後ろ姿が痛々しくて加奈の後を追おうと思ったが、その時浜辺が僕の手を握った。
「どうする? 私と人生やり直してみる?」
いたずらっ子のように微笑みながら彼女は僕に言った。




