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加奈は予想外の言葉に開いた口が塞がらなかった。
「高校の時、キスしたのよね、私たち!」
浜辺の突然の暴露に僕は体が凍り付いた。
加奈が怖くて見られない、何も言えない、フリーズした。
「そ、そう。もしかして、寄りを戻そうと思ってるの?」
加奈の震える声がした。
「私は大歓迎よ!」
浜辺は悪そうな笑顔で僕を見つめる。
「だって、津田さんと奥様、別居しているんでしょ? 話を聞くと、もう修復は無理そうだし…。」
「雅彦! あんたそんな事までこの人にしゃべったの!」
加奈は体中の毛穴から怒りを噴出している。




