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「あれは、今度高校の同窓会をすることになって、僕と彼女は幹事なので打合せをしただけです。」
「そうなんですか…。良かった。あの時、加奈、動揺してたから。」
「動揺…するかな…加奈が…」
「あの…他人の私がこんな事言うのもおせっかいだってわかってますけど、津田さんご夫婦の為にちょっと言わせていただいてもいいですか?」
彼女は僕の知らない加奈の話をした。
ビールの酔いもあったし、最近心がざわつく事もあったし、加奈は相変わらずの態度だし、その時は彼女の話があまり入ってこなかった。




