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高校時代は脇目もふらずに勉強した。
まわりの友達は海や川で遊んでいたが、付き合いの悪い奴と思われても断って勉強した。
親から大学に行くのはいいが、通える範囲内にしろとずっと言われてきた。
とてもじゃないけどレベルの低い大学では県外に出してもらえるわけない。
両親ともに公務員だったので経済的には困ることは無かったけど、上に大学生の姉と兄がいるので、家計の事を考えると国立でないと無理だと思った。
だから、僕の脱出計画の成功は全て学力にかかっていた。
好きな子はいなかったのかって?
そりゃいたさ。
だけど僕にはわかっていた。
都会に出れば、もっといい女がいると!
友達が可愛い彼女を作るたびに、その言葉を呪文のように繰り返した。
都会にはいい女がいる!
都会にはいい女がいる!
都会にさえ出ればいい女に会えるんだーーーー!