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「服が…パッツンパッツンで…入らない…」
サイズを間違えたんじゃないかと思ったが、合っているらしい。
しかし入らないのではしょうがないので、店員に大きいサイズを出してもらうようにお願いした。
「おかしいな…。私、太ったのかな…。ねえ、雅彦! 私、デブった?」
「いや、そんなことないと思うけど…」
僕が慰めても加奈はサイズが大きくなってしまった事を気にして一向に沈み込んだままだったので、お腹も空いてきた所だったし、気分転換にご飯を食べに行くことにした。
レストランに入るといい匂いが漂ってきた。
「ウゲッ!」
加奈が気持ち悪そうに座り込んだ。
「大丈夫? 風邪でも引いたかな?」
心配して覗き込むと、加奈はトイレに駆け込んだ。




