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「だって、一緒に住むとどんな仲良しでも険悪になるし、ましてや私と雅彦の両親、すでに険悪じゃん! 分かり切ってることを無理してやるほど無駄な事は無い! でも離れて暮らすんだったら、少しずつだろうけど歩み寄る努力は出来ると思う。その代わり、基本私たちの親に何かあったら、私は自分の母、雅彦は雅彦の両親と私の父の面倒見るようにしようねっ!」
「加奈…ありがとう…。」
何故加奈が一人で僕が三人分面倒みなければならないのか少し疑問を感じたが、絶対に無理だろうと思っていた案件をこれほど加奈が妥協してくれるとは思わなくて涙が出そうになった。
「それに二世帯住宅って、なかなか売れないのよ。需要が限られてるから。2LDKくらいのマンションの方が後の処分楽だしね。貸してもいいよね…。資産価値下がんないような、なるべく駅近の物件探しとくわ!」
両親がいなくなった後はそのマンションは僕らがもらうということを姉と兄に約束取り付けて来いと言われた。
なかなかの狸の皮算用だ…。
さすがに涙は引っ込んだけど、それでも加奈が折り合ってくれたことが嬉しかった。




