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同窓会も終わり、二次会の会場へ行く時だった。
友達の後について会場を出ようとした時、後ろから腕を掴まれた。
振り向くと浜辺がいた。
「二人で二次会しよ!」
彼女はイタズラそうに笑って言った。
いくら加奈と別居しているとはいえ、あんまり浜辺に深入りするのもな…と思っていたけど、そんなことお構いなしに浜辺は僕の手を引っ張って、みんなと反対方向へ進んだ。
「ちょっと! 俺、みんなに二次会行くって言っちゃったけど…」
「いいじゃない! 私たちは幹事という大役をやったんだから、その打ち上げよ!」
ま、それもそうかと思い、浜辺とバーに行った。
そのバーは老舗のホテルの中にある店で、家具や調度品も高級感が漂っていて適度に薄暗く居心地は良かった。
間接照明に照らされた浜辺は妖しいほど美しかった。
二人でお疲れ様の乾杯をした。
二人で高校時代の話をしたり、今日の同窓会のことなんかを話したりした。
みんな恐妻に悩まされているという話をしたら浜辺は笑った。




