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案の定、浜辺は同級生の男たちに囲まれていた。当然だ。
彼女はもともと昔からモテていたのだ。
今に始まったことじゃない。カフェで加奈と鉢合わせた時、手を握られてあんなことを言われたのが幻だったように感じた。
彼女はもともと僕の世界に存在することのない種類の人間なんだ。
僕は仲が良かった男友達の輪に交じって談笑した。
みんな結婚していて子供がいる奴も何人かいた。
話は自然にそれぞれの配偶者の事になった。
「俺は完全に騙された…。結婚前は従順な女だったんだ…。可愛くてオシャレでさ…。デートの時、隣に連れて歩くのが自慢だったよ。それが結婚するや否や、あれよあれよという間に太ってまるで別人だよ。そりゃね、太ってたって、ちゃんとオシャレしてればいいよ。女らしさがあれば文句は言わないよ。でもアイツったら、太ったからオシャレしても意味ない、どうせ服を買ってもすぐにまたサイズが変わって着られなくなるんだから、だとさ…。」
友人の一人がそう言うと、みな「うちも!」とか「うちの嫁のことかと思った」と同感した。
「俺んちなんてさ、俺が残業するのを嫁が許してくれないんだよ。でも早く帰ったところで俺の事なんか知らんぷり。ソファに座ってテレビを見ようと思っても、たいてい嫁が占領している。俺の座る場所なんて嫁が運動用に使っている足踏み昇降台くらいしかないんだぜ!」




