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同級生たちは、うちが貧乏だってことに気づいていた。
あのみすぼらしい実家のアパートを隠したくて、わざと遠回りして帰っていたことや、父親が女を作って家を出て行ったことをひた隠しにしていたことも、周りには筒抜けだった。
隠し通せていると思っていたのは私だけだった。
お金のかかるテーマパークに遊びに行くのも私だけ声がかからない事があった。
海外への卒業旅行も私だけ声がかからなかった。
私はすごく傷ついた。
自分が哀れで情けなくて、そう感じれば感じるほど父を憎んだ。
同窓会では、みんなに生まれ変わった自分を見せつけたい。
これはもう私の自己承認欲求との闘いなのだ。
「…加奈…けっこう病んでたんだね…。」
「子供の頃のトラウマって、けっこう根深いよね。」
「もしさ、岡林君にもし誘われたらどうする?」
「えー、無いでしょ~。」
「デートくらい行っちゃう?」
「…場合によってはアリかも…。」
雅彦だってあの女と仲良くやってんだ。
私が他の男とデートするくらい何だっつの!
このさい、私から隼人をデートに誘ってやろうか?
私にだってデートする相手くらいいるという事を雅彦の分からせたい!




