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ミレニアムの魔術師  作者: 日南田ウヲ
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 教習所って久々に嫌だなと思った。

 学校より、正直嫌だ。


 なんでだろ?


 こちらはお金出して免許取りに来てるのに、さも簡単には免許はやらないぞというオーラが皆から出てる。

 ヘルメットを自費で用意して教習代で数万円払って怒られるなんて、なんか腑に落ちない。

 ちょっとマジかな、と言いたくなるくらい舌打ちしたくなった。

 最短でバイクで免許取れるの二週間ちょいらしいけど、それまで我慢できるかな、僕。

 溜息漏らして、図書館へ向かう。

 途中、郵便局の前を横切ったけど、イヅルの姿は見えなかった。


 あんな派手なサングラスをして、あいつどこに行ったんだろう?


 自転車を図書館に停めると汗が噴き出てきた。汗を手の甲で拭きながら図書館のドアを潜る。


 うお、冷えてる。


 思わず、身をこわばらせた。

 クーラーがめっちゃ効いてる。


 いや、効きすぎなぐらい。

 電力無駄に使ってない?って言いたくなる。


 僕はエレベータの入口へ向かい乗り込んで三階のボタンを押した。

 五階建ての図書館は一階が児童書の専門フロア。二階は雑誌とか漫画とかあって、三階から五階までは自習室とそれぞれの分野の専門フロアになっている。

 夏の間、翻訳を決めたラテン語の辞典は三階の書棚の奥にある。

 エレベータのドアが開くと、その場所へ向かった。

 しかし、

 一抹の不安がある。

 実は僕がその辞典を見つけたのは、高校三年の時、つまり一年前だ。

 夏の間、当時の僕は図書館の三階の自習室で受験勉強をしていた。

 勉強のちょっとした息抜き、そんな感じで図書館の三階フロアを歩いて色んな本を見ていたら、偶然書棚の奥に置かれたラテン語の辞典を見つけた。

 今その場所へ歩きながら、その時の事を思い出しているけど、正直、中に何が書かれていたか思い出しても分からない。

 巻末のどこかに1,502年と書いてあったのは僅かに覚えている。

 よくよく考えてみればそんな大航海時代頃の古いものが現存するのかな。


 では

 久々の対面。


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