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その50,モコモコビキニ

鶏政を後にし、俺はギルドに向かう。

街を取り囲む高い塀と関門の許可、それから髪飾りと剣を売るサハギンの店の許可を貰うためだ。


いつも通りギルドの扉を開け、今日はまっすぐ受付の方へと歩みを進める。

受付の横にある階段を上ると、ひときわ豪華な観音開きの扉があり、そこがうさ耳ギルドマスター、イナバの部屋だ。


コンコン


軽くノックする。


返事がない。


コンコンッ


少し強めにノックする。



「はーい、ちょっと待って下さいねー!」


とりあえず在席はしているようだ。





5分、10分経っただろうか。


未だに出てこない。


コンコン


改めてノック。




「ンググ〜モゴゴ〜!モゴゴゴ〜!」



中からは何か苦しそうな声が!


もしやと思い、ドアを勢いよく開ける。


そこには下着姿でソファ横の床に倒れ、その白い肌を露わにしたギルドマスターが。


「どうした!大丈夫か!」


ギルドマスターに駆け寄る。


「ンググ〜!!」


「おい!しっかりしろー!」




着替えの途中で脱いでいたタートルネックの首の部分が口に引っかかっていた。

袖の部分は何故か絡まって結び目が出来ている。


下着姿でクネクネと動く姿は滑稽だが、なかなか見られるものでも無いのでもう少し拝見しておこう。


「モゴゴ〜!モゴ!モゴ〜!」


足をバタバタとして何かを訴えているように見える。

いや、見えるだけなのだ。

見たまえ、この長くて白い足が艶めかしく動く姿を。


そろそろ引っかかった服を外してやるか。


結び目の出来た袖を解き、耳に気をつけてタートルネックを脱がしてやる。


「プハー、助かりました!いやー慣れない服は着るもんじゃないっすねー!」


真っ赤な顔で助かった助かったと肩に手を当て腕を回して起き上がり、その場に座るイナバ。


「あれ?そういや服、脱いじゃいましたね!ということは!」


そう、お前は今下着姿のあられもない姿で俺の前に鎮座しているのだ。


「まぁいいか。でも裸を見られたのは初めてですよー。兎人族(ラビット)の女は、人に裸を見られたら嫁げって決まってるんすよねー。というわけで責任取って下さいねー!」


ふーん…


「ってお前もかよ!」


「ふつつか者ですが宜しくお願いします」


下着姿のまま、正座に三つ指ついて頭を下げるイナバ。


勘弁してよ。



「ちょっとよく分からないから、とりあえず服を着てくれるかしら??」


「ヤキトリ様、服を着たままの方が良いんですね!変わった趣味をお持ちですな!了解了解!わかりました!」


「いいから早く服を着てくれ!」



☆☆☆



「シェロちゃんが良いって言うなら良いんじゃないですかー?」


上下モコモコのビキニのようなものに着替え直したイナバだったが、下着姿とあまり変わらん気がするな。


そのイナバがソファに座り、頭の後ろで手を組んで簡単に許可を出した。


案外すんなりと許可、というかシェロちゃんに聞けと?


「街を取り囲む塀は?」


「シェロちゃん」


「関門は?」


「シェロちゃん」


「店は?」


「シェロちゃん」



ウォー!なんでもシェロちゃん!なんでや!



「なんでもかんでもシェロちゃんだな!!」


びっくりしてつい大きな声が出てしまった。


「そりゃそうっすよ。シェロちゃんはこの街の長ですからね」



なんとなく気づいてたけど、 シェロちゃん、そうなの?!


大きなお屋敷。


グルーンでの対応。


みんながシェロちゃんの事を知っていて、親しみを持っているのは、アホだったから(だけ)じゃないんだ。


シェロちゃんがこの街を治め、皆とその距離を近く保っていたからなんだ。


「知らなかったんすか?一応、シェロちゃんはこの地域では名士で通ってるんすよ」


そうか。そんな娘に俺は虫取りをお願いしてたんだな。

まあ良いか、知らなかったんだし。


向かい合ってソファに座り、イナバに出してもらったお茶とお菓子を口にする。


「しかし、あれだな、このお菓子、この辺りでは、珍しくもぐもぐ、甘いお菓子だなもぐもぐ」


この街でのお菓子は、甘みをあまり感じないものが多い。

流通の関係で、砂糖が希少なのだ。


「このお菓子は隣の村、グルーンから東に向かった所にある村のお土産なんすよ。焼き菓子が最近流行りらしいっすね〜」


ほーん、シェロちゃんやドライアド達、みんな頑張ってるからお土産に買いに行ってみるか。

新しい商機も得られるかも知れんしな。


隣村の詳しい場所や情報をメモし、しきりに「ベッドでマッサージをするっすよー」と胸を押し付けてスリスリしてきたイナバを突き放して部屋を出る。



隣村、この場所だと…森の中だな。




ここまで読んでいただきありがとうございます。拙い文章ではありますが、評価、感想など頂けたら励みになりますのでよろしくお願いします!


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異世界タクシー 〜行き先は異世界ですか?〜
こちらも連載中です。宜しくお願いします。
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