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その3,アホの子

 埃や蜘蛛の巣も無くなり、すっかり綺麗になったシェロちゃんのおじいさんのお家。

 アホもといシェロちゃんに手伝ってもらい、随分と見違えた。


 あとは防犯のためにも、材料を揃えてドアと窓を直さねば。ヒンジと木材が必要だな。窓も外れているとはいえ、ガラス自体は割れていないからそのまま使えそうだ。


 と言っても、お金が無ければそれらを買うことも出来ない。

 何か収入を得る必要がある。


「シェロちゃん、いや、シェロさん、名乗るのが遅くなったが、俺の名前はイトウ…いや、ヤキトリ。俺に今必要なのはお金だ。収入になるものが欲しい。仕事とか、何かいい案は無いだろうか」


「シェロちゃん、でいいよ!うーん、お金、かぁ。何か出来ることない?特技とか、今までやってきたお仕事とか」


 おんとし218歲のアホ、シェロちゃんさん。


 小説、漫画、アニメで夢に見たエルフの合法ロリ。見た目は子供、頭脳は大人…というわけでもなさそうだけど。知能ももしかしたら子供かもしれない。長生きしすぎて脳みそが弱ってんのかな。


 いや、特技か。そうだな、特にない。


「特技とかはないな、仕事は色々なことをやってきたから、これといってなぁ」


「そうだ!仕事を斡旋して貰いたいなら、ギルドに登録するといいよ〜」


 で、出たー!ギルドー!!

 異世界転生モノとかに付き物のやつ!


 ギルドマスターに魔力とかスキルとか調べられて、俺なんか能力低すぎてどうせ登録できませんとかなっちゃうんでしょ。それで『どうやら巻き込まれ召喚のようだ』とか言われて『このゴミはどうしやしょう?』って下っ端の兵士みたいなのに首根っこ掴まれて街の門の外に放り投げられるのだわ!『せめてもの情けだ取っておけ』ってナイフ一本と硬貨2、3枚も一緒に投げられて、そこに大雨が降ってきて『クソックソッ一体俺が何をしたんだッ』と頭の先から足の先まで濡れ鼠みたいになって項垂れるんでしょ!


 この世界で魔法があるのかとか特殊なスキルが必要だとか、全く知らないからな。アホとはいえ色々と御教授して頂かないと生まれたばかりの子牛より情けない死に方になる可能性がある。


「ギルドに登録する資格とかあるのかな?魔力が高いとか属性だとか」


「特に資格もいらないよ、誰でも登録出来るんだ。逆に、登録してないと買取もしてもらえないんだよ〜。ランクに応じて報酬も違うけど、登録さえすれば無理なく仕事もできると思う!」


 とりあえず、ギルドはシェロちゃんに案内してもらうとして、まずこの世界の通貨のことも知らなければ生活していけないな。


 仕事の報酬も適正な金額であるかも判断しなければならないから、金貨1枚がどのくらいの価値なのかだ。


「ちなみに、金貨1枚で出来ることってなんだろう?何が買える?」


「金貨1枚で買えるものかぁ〜。」


 シェロちゃんが言うには金貨1枚で

・宿屋夕食朝食付き1泊

・お肉10キロ

・回復ポーション10本

・銅の剣1本


 日本円に換算すると、金貨1枚1万円程度になりそうだ。

 最低でも金貨1枚、25日ギルドで働いたとして25万円程度か。税金や保険料とか引かれないのは良いんだが。

きっとランクが上がれば報酬も高くなるんだろう。どうやってランクを上げていくのか、そもそも、ランクもどう決まるのか。

しがない転職サラリーマンだった俺に、何のスキルもクソもないぞ!!どうだ!!


 よし、まずはギルドに行って登録、仕事の紹介をしてもらわないと。


「じゃあ申し訳ないんだが、朝になったらギルドまでで良い、案内してもらえないかな?」

 シェロちゃんの胸の谷間を凝視しながら頭を下げる。



「あたしね、少しなら蓄えもあるから貸してあげる。この家を綺麗にしてくれたお礼はもちろん別で!」


 この家を貸してくれるだけで充分なんだが…。


 いや、まだ修理しないと安心して眠れないな。その為にも少しお借りしよう。




「条件は、わたしもこの家に住むこと!」



 

 は?


 俺はこの子がアホな事を改めて心配した。


ここまで読んでいただきありがとうございます。拙い文章ではありますが、評価、感想など頂けたら励みになりますのでよろしくお願いします!

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異世界タクシー 〜行き先は異世界ですか?〜
こちらも連載中です。宜しくお願いします。
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