その42,ギルド、再び
ギルドの扉を開くとそこは、タバコの煙が視界を遮り、いかつい男達が談笑しつつ酒を飲んでいたり、4〜5人構成のパーティが数組、依頼の貼ってある掲示板の前であれだこれだと討論している。
ま、いつもの光景だ。
今日もシェロちゃんたちは自分の仕事で忙しく、ギルドにはひとりで来ることになった。
依頼書の掲示板に向かって進む。
途中にはいかつい男たち。
初めて来た時は圧倒されたが、今は違う。
「おっ、ヤキトリの旦那、今度うちのパーティの仕事も手伝ってくれよ!」
「旦那〜、ウチの店にも顔を出してくれ、ご馳走するからさ」
その面には似合わない笑顔で、爽やかに挨拶をしてくれる。
見た目じゃ判断できないが、まぁいい奴らではあるんだろう。
もちろん、俺に対しての期待や希望がそうさせている、というのもある。
グランウッドからも、門の外から一直線に森が開かれているのがわかる。
そしてその先の山に、グルーンがあるのも目が良けりゃ見えてくる。
雪風ならばひとっ飛びだったけど、普通、今までなら一か月は野営を繰り返す道を、魔導機関車が開通する事で近くなる。
近くなるのはグルーンだけじゃない。
他の街まで線路を繋げていけば、グランウッドを中心に交通が便利になる。
そうすることでグランウッドにもグルーンにも、人の往来が増え、街も潤って来るはずだ。
少なくとも、今グルーンが干からびてるのよりは、マシになるだろ。
目の前にした掲示板には高額な依頼も増えている。
ランクB冒険者、そして雪風の影響もあるだろう。
なんていってもこの街からワイバーン討伐者、ではないけれど、現れたんだからな。
他の街じゃランクB対象依頼なんて誰も受けないし、受けられない。
ランクB以上なんてその街の勇者か要職に就いてる。
ランクBの依頼は、ランクC〜A対象で、実質ランクCの上級案件というわけだ。
その中から2〜3枚、ランクBの依頼が書かれた紙を掲示板から引きちぎるように剥がし、受付に向かう。
内容は良く見ずに取ったから、歩きながら依頼書を読む。
1枚目。
※50センチ級魔鉱石の採取。
えーこれ絶対ダンジョンでしょ。
以前魔鉱石についてシェロちゃんに聞いた事がある。
魔鉱石は魔力の帯びた鉱石で、長年強い魔力のもとに晒される事で出来る。つまり、魔力の強い何かが居る洞窟というわけらしい。
しかも50センチ級ということは、持って帰るのも大変だ。普通は。だからランクB対象かもしれないな。
50センチ級だと、石だし1トンくらいはありそうだもんなぁ。
2枚目。
※水の運搬。
干ばつ地帯の村へ水の運搬。冒険者がやることでもない気がする…。
まぁそれだけ困っているということか。
報酬もランク依頼にはあまり見合ってない金額だしなぁ…。まぁ困っているなら仕方ない。
3枚目。
※バアルゼブル討伐。
討伐依頼か。しかも書いてある絵、ハエじゃん。
虫は嫌だなぁ。
バアルゼブル…バアルゼブル…
ベルゼブブ…上級悪魔じゃなかったっけ…。
とりあえずは、干ばつ地帯に行って、様子見てみるかー。
ここまで読んでいただきありがとうございます。拙い文章ではありますが、評価、感想など頂けたら励みになりますのでよろしくお願いします!




