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その40,それは100匹以上

雪風に乗り、グランウッドに戻る。


その途中地上を見渡すと、広大な土地が広がっているのを改めて認識した。


グランウッドの周りには草原、それを取り囲むように森、そして山。


振り返ると山に囲まれたグルーンが見える。


足元を見るとグルーンからグランウッドまでの一本道が山に出来ていた。



風も加速度も感じない。

『ディフレクト』のおかげで。



雪風で移動するとあっという間にグランウッドに到着する。


その外れのほう、森の近くに着陸。


雪風の羽ばたきで、あたりには砂や葉が舞い上がった。



ドドドドドドドドッ


ムムッこの音は。



ドドドドドドドドドドドドッ

「旦那ちゃま〜」

「ヤキトリ様〜」


砂埃の舞う向こう、森の奥からシェロちゃんを肩に座らせたジェシーが走って向かってきた。


ドドドドッ キキキーッ


左足を前に出し急ブレーキを掛け、ゆっくりとシェロちゃんを肩から降ろすジェシー。



「旦那ちゃま、来るなら来るって言って欲しいワ〜!今日だって普段着だし、シェロちゃまと2人でキノコ取ったりしてたから泥だらけヨ〜!ヤダ〜!」


「恥ずかしい」と言いながら頬を染め、両手をグーにして肘と肘をつけ顔を隠し、内股で腰を上下に横に振りながらオロオロしているジェシー。



は!これは!デンプシーロール!!




それはさておき。


「どうだい?ポーションに使えそうな虫は集まったかい??」


シェロちゃんが涙目で腕に抱きついて来る。


「ふぇええ、ヤキトリ様ぁ〜、虫はもう嫌ァ〜!」


もう片方の腕にジェシーがまとわりついて来る。


「アタシも虫と蛇だけは無理なのヨ〜!」



つまり、今のところ、虫は収穫無しか。

原価が掛からないポーションが量産出来れば、仕入れの財布も楽になるんだがな。


〈我は平気なのだ。えっへん〉


胸を張るワイバーン、雪風はとりあえず無視する。


「それで、必要な虫はどんな虫なんだ?」


少し呆れたフリをして聞くと、シェロちゃんが申し訳無さそうに返す。


「えぇ〜と〜、1つはグランドアントで、もう一つはウォーターマンティスなの〜」


アントってつくだけで大体想像つくし、マンティスってのでもなんとなく想像つくな…。


その想像をしている時の顔がよっぽど酷かったみたいで、シェロちゃんもジェシーも見たことのない真顔中の真顔。



やめて、俺をそんな目で見ないで。



「フムン、その虫の何が必要なんだ?具体的に、足とか頭とかあるじゃん」


「グランドアントはお腹の体液が毒を少し中和してくれるらしくて、ウォーターマンティスの首から取れる体液は癒しの効果があるんだって〜」


ほーん、なかなか実際はグロそうやんけ。

とはいえアリとカマキリっぽいし、さっさとたくさん捕まえて量産に備えないと…



ギィィィィィエェェェッ



下手くそなバイオリンのような音が森の奥から聞こえる。


耳障りで不快な音だ。


ギィィィィィエェェェッッッ


森の奥からザワザワと沢山の足音も聞こえてくる。


「イヤダ〜何の音?!」


ジェシーがデンプシーロールを繰り返す。


シェロちゃんもその不快な音に反応して雪風の陰に隠れる。


雪風は身構え、音のする方向を睨みつけた。


「雪風、二人を守れ」


『ディフレクト』


雪風に改めて魔法を掛けておく。これで何かあっても『それ』てくれる。


グランウッドの街も俺の寝ぐらもそう遠くない。

こんなところまで魔物が出るとは…。


森から黒い影、100匹は居ようかという数のアリが飛び出して来る!


2mはあろうという、デカいアリだ!


「虫はもう嫌ァ〜」


シェロちゃんとジェシーが雪風にしがみついている。


こんなアリだったのかよ。流石に俺も嫌だよ!


〈我はなんてことないのだ〉


そりゃそうだろ、ワイバーンにしてみりゃ虫なんてな!


ギィィィィィエェェェッ ギチギチギチギチッ


下手くそなバイオリンに聞こえたのは、このアリ達の歯軋りの音だ。

そしてその鋭い牙を合わせている音なのだ。


ギチギチッと歯軋りをしながら近づいて来る。


「クソッ」

ついその大きさと数に圧倒されてしまう。


だがな、前回のカナブンのこともあって流石に学習したし、元いた世界のことを思い出したんだ!!


「出てこい、風、水、闇!」


「「「ハーイ!ヤクニタツ?ヤクニタツ!」」」


革袋からピクシーがスケートを滑るように飛び出す。



しかしそれと同時に大きなアリが大群で覆い被さるように一気に襲いかかって来た!


ギィィィィィエェェェッッッ!


『ディフレクト』!


俺の真上に来たアリ達はするりと俺を『それ』て、大群が二つに割れる。


「水!風!」


俺の号令で、水のピクシーがアリ達に向かって水を吹きかける。すぐさま風のピクシーが息を吹きかけると、水は霧状になりながらアリ達に張り付いていく。


「闇!空間を切り裂け!」


合図とともに、闇のピクシーが片手を平行に出し、アリの上を飛び回る。

するとピクシーの指先から伸びるように、アリ達の頭上に

空間の切れ目が広がった。


辺りの空気が切れ目に吸い込まれ、一瞬、真空に近くなる。

『ディフレクト』をかけていたから雪風達や俺たちには何の影響も無かったが、全身に水を浴びたアリ達は、一気に冷やされ、表面が凍る。


「冷凍秒殺ジェット!!」


はっはっは、見たか、これが人類の知恵なのだよ!

本当なら氷の魔法を覚えときゃ良かったぜ!


『グラビティ』!!


アリ達のいる周囲を円状に、見えない力で押しつぶす。


ギィィィィィエェェェッッッッ!



もちろん、擦り潰れてしまわない程度に。

ここまで読んでいただきありがとうございます。拙い文章ではありますが、評価、感想など頂けたら励みになりますのでよろしくお願いします!


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異世界タクシー 〜行き先は異世界ですか?〜
こちらも連載中です。宜しくお願いします。
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