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100/101

その93.同盟と

調印式を終えた翌日、帝国側の関門の向こう側には100を超える武装した帝国兵が列挙していた。


だが、その帝国兵の頭上にも300のハーピーが見下ろしている。


「グランウッド国をおさめるヤキトリとシェロ・グランウッドは早急に出頭するよう勅命が下されたが、一向に出頭する気配がなかったッ!よって本日現時刻を以て反逆罪により死罪、両名に与した者も同様とするッ!」


関門の前の中央、一番派手な金銀の装飾が施された鎧がわぁわぁとがなり立てる。


正直うるさい。うるせえ。


こちらとしてはとりあえずひと段落、落ち着いては、いた。

同盟を交わしたのは昨日のこと、帝国側にはその情報も届いてはいまい。


なんだかんだと延々騒ぎ立てている帝国兵たちを他所目に、関門の上から大きな紙で出来た板を下ろす。


調印式で使用した公国の旗印である。


そして、その旗印の上、関門の上部に、日に照らされた青白く美しく、長い脚が晒される。


「妾はクレア公国君主、イヴ・クレア。この『グランウッド"共和国"』とは五分の同盟を結んでおる。そのグランウッドと刃を交えるということは、クレア公国とも、同盟会議とも、貴様の意思で全面的に争う覚悟があるということで良いのだな?」


頭上のハーピーの集団が、その言葉が嘘ではない事を証明している。

帝国も小競り合いとはいえ、公国とは何度か戦っているのだ。


「随分と鳥人間が五月蝿いと思ったらそういう事でしたか。ならばここは一旦持ち帰りましょう。しかし、この大陸で帝国に歯向かう事がどういう事か思い知ることになりますよ。皆の者、退け!戻るぞ!」


そう言いながら派手派手鎧おじさんが左手を挙げると、帝国兵たちは踵を返しぞろぞろと離れていく。


往路もそれなりの距離があるだろうに大変なこっちゃ。知らんけど。


俺もシェロちゃんも表に出ることなく、帝国兵を追い返す事が出来た。これもイヴのおかげだ。


ただ、帝国兵たちにはあの見えそうで見えない履いてそうで履いてなさそうで履いている魔のトライアングルが丸見えだったのではなかろうか。なんだか少し腹立たしい。


そんなイヴが関門の上から見えない階段を降りてくるように下りてくる。ちなみに階段どころかトライアングル地区も見えそうで見えない。


「ありがとう、イヴ。早速同盟を組んだ効果を実感できたよ」


「礼には及ばぬ。グランウッドがこちら側に付くことによって得られる利もある故じゃ。」


イヴはそう言いつつも、視線はドワーフの街、グルーン。

その表情は憂いを帯びていた。


大陸の端、冒険者たちが経由地として訪れていた街。


グランウッドは今や『グランウッド共和国』として、事実上の国として成立した。


政治的なやりくりは、今まで通り冒険者ギルドが行うこととなった。

無論、国としての法的な取り決めなどはシェロちゃんや俺を取り巻く沢山の人たちで話し合っていくことになる。


帝国は潤っていた領地の一部を苦労することなく手に入れるつもりが、それを失ったどころか、独立して仇する相手を増やしてしまった。

反帝国側の最前線をむざむざ引き寄せた今の帝は歴史書に残るんだろう。


しかし今後は帝国側に遅れを取らないように対策をしていかなきゃならないな。

ここまで読んでいただきありがとうございます。拙い文章ではありますが、評価、感想など頂けたら励みになりますのでよろしくお願いします!

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