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魔女っ子おじさん、日常を往く!  作者: 日浦あやせ
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03  中華料理屋『鳳天楼』

03  中華料理屋『鳳天楼』




 鳳天楼。今年で七十五歳になる『マスター』の経営する中華料理屋だ。従業員はマスターの息子さん、そして奥さんのみ。厨房は全てマスターが仕切っており、息子さんはマスターだけでは行き届かない分の料理を作る、という分担。

「こんばんは、マスター」

 俺は店に入るなり、マスターへ挨拶をする。カウンター越しの声を聞き分け、マスターは俺の顔を見つけて驚く。

「いらっしゃい! って、おい、何やその顔は! 随分可愛くなっとるなあ!」

「色々あったんですよ。それより、四人、空いてますか?」

「あいよ。二階に入りな」

 今日は一人客が多いらしく、四人テーブル全てが一人だけの為に埋まっていた。鳳天楼の二階には、通常なら宴会で使う為の部屋がある。一階が埋まっている時、二階が予約で埋まっていなければ、常連や顔見知りは通してもらえるのだ。無論、一階が忙しい時は通してもらえないこともあるが、そこはマスターのご厚意次第。文句を言うのは筋違いというもの。

 ともかく、今日は通してもらえるようだ。俺は店の外で控えているともえ、みちる、ゆいこの三人に目配せする。そして指で上を示し、二階に入れるということを伝える。三人は頷き、店の中まで入ってくる。

「それじゃあマスター、私冷やし中華!」

「あいよ!」

 食べたいものの決まっていたみちるが、真っ先に注文して二階へ上がっていく。二階に通してもらえる時は、先にこうして注文を伝えてから行くことになる。

「私は、青野菜チャーハンでお願いします」

 ともえも注文を決め、二階へと向かっていく。俺とゆいこが取り残される。

「うーん、どれも食べたいなあ」

 嬉しそうに、しかし困った表情で呟くゆいこ。

「ゆいこは何で迷ってるんだ?」

「鳳天楼セットか、青野菜中華丼の大盛りかなぁ」

「なら、分けてあげるから、俺が鳳天楼セットを頼むよ」

「そっか、ありがとうパパ。じゃあ私は青野菜中華丼、大盛りでお願いします」

「あいよ! 圭吾は鳳天楼セットやな?」

「はい」

「そんじゃあ二階上がっといてくれ!」



 二階に上がって、料理を待つ。その間、俺はゆいこの最近の話を聞く。特に、大学で設立したというテニスサークルの話だ。

「ゆいこ。最近、サークルはどうなんだ?」

 俺が訊くと、ゆいこは満面の笑みを浮かべて答える。

「順調だよ。色々忙しいけど、でも真面目な部員も入ってくれて、ようやく練習も出来るぐらいになってきてる」

 良かった。どうやら、サークルの運営は順調なようだ。

 ゆいこは昔からテニスをやっていた。大学でもテニスを続けようとしていたが、ゆいこの入学した大学にはテニスサークルが無かった。正確には、テニスをするテニスサークルが無かったのだ。

 テニスサークルとは名ばかりで、飲み会や合宿で集まり、遊ぶことが目的のサークルだったと言う。テニスコート自体は大学にあるのだが、サークルが使用している様子は無く、時折サークルと関係の無い人間が遊んでいるだけ。ゆいこの望んでいた、真面目にテニスを練習するサークルは無かったのだとか。

 そうして、ゆいこはサークルを新しく結成することに決めた。詳しいことまでは聞いていないが、設立の為の申請や交渉、メンバーの勧誘まで一人でやったのだとか。

「本当に、ゆいこはよく頑張ったよねえ」

 みちるが言う。俺も、ともえも同意して頷いた。だが、ゆいこは首を横に振る。

「私がやりたくて始めたことだもん。これぐらい当たり前だよ」

 健気ながら、芯の強い子だ。つい顔が緩んでしまう。

「それに、やりたいことが出来るんだから、大変とかじゃなくて、ずっと楽しかったよ。サークルが出来るまでの間も、今の活動も、私は楽しいよ」

「そうか。でも、無理だけはするなよ。大変な時は俺に言え」

「うん、大丈夫!」

 ゆいこは昔から、一人で何でも抱え込む癖がある。こうして大丈夫、と言いこそするものの、俺は余計に心配してしまう。実際に大丈夫ではない時でも、大丈夫と言ってしまう癖がゆいこにはある。しっかりした子ではあるが、その分自分に無頓着なので、いつ折れてしまうか分からなくてヒヤヒヤする。

 だが、深く立ち入ろうとすれば、それはそれでゆいこが傷つく。ゆいこは自分で何かをやり遂げることにプライドを持っているし、たとえ辛くても自分は大丈夫だ、と考えている。下手に助けてやろうとすれば、それはゆいこのプライドを傷つけてしまう。

 難しいものだ。

「そういえば、さっきから下が騒々しいですね」

 不意にともえが呟く。言われてみると、一階からガタガタと物音が聞こえる。二階まで響く、ということは、誰かが相当暴れているに違いない。

「おい、ほんまぐろ」

 俺は頭の上で眠るほんまぐろを軽く叩いて起こし、尋ねる。

「なんじゃ圭吾よ。某は眠いのじゃ、つまらん用事なら後にしてくれ」

「俺は魔女っ子だな?」

「そうじゃ」

「そして今日、得南渡の奴らと戦った」

「いかにも」

「となると、得南渡の報復、というものも考えられるわけだ」

「まったくその通りじゃな」

 嫌な予感と想像から、俺はため息を吐いて本題を尋ねる。

「俺の名前も姿も奴らに伝わっている以上、今日中にでも報復に来る可能性はあるだろう?」

「盲点じゃった」

 馬鹿なのか、妖精というものは。

「その辺りの保障について、妖精側からは何か無いのか?」

「うーむ。正直、考えてなかったのじゃ。某に出来るのは避難誘導と簡単な防御魔法での護衛ぐらいじゃ。得南渡の報復となると、家族を守るには圭吾が戦う他無いのじゃ」

 経緯から考え察するに、妥当な展開だ。俺はほんまぐろを一睨みする。ほんまぐろは、苦し紛れに目を泳がせながら言い訳を続ける。

「無論、ここは妖精界側のミスじゃから後々ご家族の安全保障対策はさせてもらうが、今すぐというのは厳しいのじゃ」

「だろうな、君らの社会がどんな具合で回っているのか、段々と想像出来るようになったよ」

 言って、俺は立ち上がる。席を離れて一階へと向かう。

「ほんまぐろは俺の家族を守っていてくれ」

「圭吾さん、どうしたんです?」

 ともえが不安げな声で訊いてくる。

「様子を見てくるだけだよ」

 俺はシンプルに一つだけ答え、階下へ向かう。



 一階では案の定、得南渡興行らしい奴らが騒いでいた。

「だから、ここにケイゴっちゅう魔女っ子が来とるのは調べがついとるんじゃ! 隠しとらんでさっさと呼んでこんかい!」

 数名の中でも、鮮やかな紫色の派手なスーツを着た男がマスターに向かって凄む。だが、マスターは動じず、むしろ喧嘩腰で言い返す。

「知らんもんは知らんわい! 一つも頼みゃあせんヨソモンなんかにゃ、知っとっても教えたらんわアホンダラ!」

「ええかげんにせえよ、爺ちゃん! 調子こいた口聞いとったら、ボケより先に酷い目見るぞ、エエ!」

 言って、紫スーツの男は拳銃を懐から取り出し、マスターに向ける。だが、マスターは怯みもせず、男の方へにじり寄っていく。

「イッパシの男がハジキで年寄り脅すたあ、ええ根性しとるやないか、おい! お前それで偉うなったつもりか? 言うとくけどなあ、命会橋で客商売やるもんが、しょうもないヤクザの脅しでチビる思うなよ! タマ無し小僧にビビるようなアホは命会橋にゃおらんわい!」

「ほざきよって! エエ、ホンマに殺したろかボケ!」

 得南渡の男が怒りに震える。さすがに、このまま見過ごすのはまずい。俺は二人の間に割り込む。

「待て、俺がその魔女っ子の圭吾だ。マスターは無関係だ、ここで暴れるのはよせ」

 俺の言葉を聞き、格好を見ると、紫スーツの男はニヤリと笑う。

「お前か、ワシらのメンツ潰してくれた魔女っ子っちゅう奴は」

「ああ、違いない。だからまずは表へ出ろ。話はそれからだ」

 親指で外を示すジェスチャーをしてみせる。紫スーツの男は俺に迫り、威圧するように顔を顰める。

「口だけで済むと思うとるんかい?」

「まさか。君らとの話し合いに口は使わん。まずは拳だ」

「エエ度胸しとるやないか! よっしゃ、表へ出るぞ! お前らも続けい!」

 紫スーツの男が号令をかけると、店内に入り込んでいた得南渡の男達は全員外へ出て行った。紫スーツの男が最後に、俺へ向けて一度だけガンを飛ばしてから外へ出た。

 全員が外に出ると、俺はまずマスターに謝罪をする。

「マスター、すみません。厄介事を持ち込んでしまいました」

 頭を下げると、マスターは快活に笑いながら言う。

「ハハッ、気にすんな圭吾! お前の厄介事にゃあ昔とっくに慣れたもんよ。久々で嬉しいぐらいや」

「いえ。いずれ、詫びに参ります」

 俺はそれだけ言い残し、店の外に向かった。



 鳳天楼の正面には、十数人の得南渡ヤクザが集まっていた。全員が拳銃や短刀を手に、俺の方を睨んでいる。俺も睨み返す。こういう時、気迫で負けてはいけない。恐れるような態度を見せるのは、ある種の礼儀違反でもある。喧嘩の相手が腰抜けのビビリとあっては、十数人も集めた得南渡の側の示しがつかない。奴らを気遣う必要も無いのだが、つい作法として応対してしまう。昔馴染んだ癖は、中々消えないものだ。

「圭吾~~!」

 俺と得南渡の睨み合いの最中に、上空から声。見上げなくとも分かる。ほんまぐろだ。

 ほんまぐろは俺の頭の上に着地する。

「お前の家族は防御魔法で守っておる。当分は安全なはずじゃ」

「そうか、感謝する」

「そして圭吾よ、この人数を相手にまた素手だけで戦うつもりか?」

「無論だ」

「杖と魔法を使うのじゃ。そうすれば有利に戦えるぞ」

「断る」

「なぜじゃ!」

 ほんまぐろが怒り、俺の頭の上を跳ねる。俺のことを踏みつけているつもりなのだろうか。

「そもそも、俺には魔法の使い方も分からん。杖も武器にするのは難しい」

「長物があったほうが有利じゃろ」

「どうかな。喧嘩で杖を使う習慣は無かったものでね。有利に立てる保障は無い」

「習慣って、もしや圭吾、お主武芸を習っておったのか?」

「いや、聞きかじった程度だな。だが昔はやんちゃしたもんだ。素手の野良試合なら作法に覚えがある」

「そうか、いやしかし魔女っ子たるもの魔法をつかうべきじゃろ!」

「だったら、手段はそちらが考えておいてくれ。俺には俺の仕事がある」

 言って、俺は拳を構える。

「実務の時間だ」

 直後、俺は素早く踏み込み、最も近い距離に立つ男の懐に入り込む。やはり魔女っ子の身体能力は凄まじい。誰一人として、俺の姿を目で追えていない。

 まずは一撃。拳を叩き込み、一人の男を沈黙させる。続いて、その傍らに立つ男。認識が追いつき、短刀を振り上げるが、俺の方が遥かに早い。振り下ろすよりも先に前蹴りを入れる。男は勢い良く吹き飛び、周辺の二、三人を巻き込んでいった。

「動くなァッ!」

 突如、声が上がる。俺は動きを止め、声の方を向いた。そこには紫スーツの男。なんと、自分の部下に向けて銃口を突き付けていた。

「何のつもりだ」

「お前みたいな奴はこうすりゃあ黙ると思うてな。人は殺しとうないんやろ?」

 正しく、紫スーツの男の言うとおりだった。俺は手加減して、得南渡の人間が死なない程度に戦ってきた。相手が悪人であろうと、殺してしまうのはまずい。故に人質が得南渡の人間であっても、俺に対しては十分有効な手段となる。

 どうやらこの紫スーツの男、咄嗟の判断力は中々良いようだ。限られた情報の中から、この手段を選べる人間は中々いない。

 俺と紫スーツの男は睨み合う。その間に、他の男達が俺を取り囲み、武器を構える。窮地に陥っているのは間違いないようだ。

「のう、圭吾よ」

 そこへ、ほんまぐろが飛んでくる。

「なんだ」

「杖と魔法の件なんじゃが」

「今する話か?」

「そうじゃ。いい方法を思いついたのじゃ。お主に相応しい形に、もう一度杖を作り直そうと考えたのじゃ」

「それはいいな。後で無事だったら是非頼もうか」

「何を言っとる、今すぐじゃよ。魔法さえ使えたらこれぐらいのピンチは無問題じゃ。さっさと杖を呼び出せ。某が形を作り直してやるのじゃ」

「呼び出せって、どうやって!」

「『レリメイション』じゃ! 呼べば杖はお前の為に形となって現れるのじゃ!」

「よし分かった。レリメイションッ!」

 ほんまぐろに言われたとおり、俺は叫んだ。すると突如、光が俺の手に向かって集まりだす。金色の輝きと、紅、そして紫色の光。三つが俺の右腕に、螺旋を描いて絡みつく。腕が見えないほどの光量が集まると、弾け、光が消える。代わりに、俺の腕には新しい杖――いいや、武器が装着されていた。金属質な、金色と桃色の素材で出来た手甲。手は指の部分を僅かに出して桃色の布で保護されている。甲には金色の金属で作られた八芒星。中心に紅い水晶が嵌っており、デザインは杖の先端部分にあったものと同じ。肘の近くまでが金属質な素材で守られており、作りの割に重さを感じない。

「これは、中々、状況にピッタリだな」

 俺は思わず声を漏らす。拳で戦う俺には、下手な武器よりも拳を守る道具が相応しい。

「紅の水晶、それはお主の心を表す水晶じゃ。水晶に十三枚のカードをセットし、ドローするのじゃ!」

「よし、やってみよう」

 俺は懐からカードを取り出し、水晶に向けて翳す。するとカードは光となり、水晶の中に吸い込まれて消える。そして水晶が輝きを放つ。

 そして、ドロー。俺は水晶の上に手を翳し、カードを引くような仕草をしてみせた。すると水晶の中から光が飛び出し、俺の手の中へと収まる。光は形を持ち、カードとなった。俺はカードに描かれた絵を見る。

「ライトニング?」

 カードには、文字が書かれていた。その名を呼ぶと、カードは再び光となって、俺の身体に入り込んでくる。すると、俺自身が金色の光を放ちだす。カードの力なのか、全身を驚くほど軽く感じる。

「そのカードは『ライトニング』のカードじゃ。雷のように素早い移動を可能にするカードなのじゃ!」

「なるほど、速さがあれば多少のことはどうとでもなる、と」

「その通りじゃ」

 試しに、俺は紫スーツの男までの距離を詰めることにした。進もう、と決めて身体を動かした瞬間、既に目の前には紫スーツの男が居た。魔女っ子の動体視力を持ってしても認識困難な速さ。人間には、きっと消えたようにでも見えるのだろう。実際、紫スーツの男は俺に気づいていない。

 俺は拳を打ち込む。紫スーツの男は訳もわからない衝撃に混乱しながら、遠くまで吹き飛んでいく。民家の塀にぶつかり、気を失った。

 そのまま、俺は人質役の男に蹴りを入れる。横から薙ぐような蹴り。男は膝横を砕かれ、地に伏すように倒れ込む。手に握った拳銃を取り落としたようだったので、俺はそれを踏み潰し、破壊した。

「さあ、正々堂々話し合いの続きだ」

 言って、得南渡の男達に向けて手で合図を送る。かかってこい、と手を出し指の部分を二度曲げで呼び掛ける。言われなくとも、と言ったところだろう。得南渡の男達は一斉にこちらを狙う。複数の銃口がこちらを向き、短刀を構えた者が詰め寄ってくる。

 応戦する。俺はまず、詰め寄る短刀持ちの男達の先頭の一人に狙いを定める。ライトニングの効果は未だ継続しているらしく、距離を詰めるのは一瞬だった。ハンマーを叩きつけるような要領で、拳の小指側の側面を打ち付ける。鉄槌打ちだ。男は衝撃で地面へ叩き付けられる。

 すると、一つ奥の男が短刀を振りかざす。俺はこの腕を掴み、後方へと投げ飛ばす。ちょうど男達に背を向ける格好になった。好機、と一斉に飛びかかってくる男達。だが、俺は上に飛び上がり、これを回避。そのまま一人の男の方に着地し、蹴り飛ばすようにもう一度飛び上がる。これで短刀持ちの集団を抜け、拳銃を構えている男達の相手が出来る。

 ライトニングの効果はまだ持続していた。俺は拳銃を持つ男達を、端から順に襲う。突き出した拳銃を手甲の裏拳や鉄槌打ちで次々と破壊。総勢六人が無力化する。それぞれが素手で俺に向かってくるが、雑に振り回される拳では俺に届かない。魔女っ子の身体能力を持ってすれば回避には困らなかった。避けては隙を見て投げ飛ばす。これを繰り返す内に、六人は完全に沈黙。路上にそれぞれが突っ伏している。

 短刀を持った男達は、一連の様子を見て、躊躇っているようだった。このまま俺に挑んでも勝ち目は無い。さすがに悟ったのだろう。互いを見回し、勝負を続けるか決めかねている様子。

「もういいだろう、話し合いは終わりだ。仲間を家まで連れて帰ってやれ」

 俺は男達にそう呼び掛けた。誰も、異論は無いようだった。負傷し、倒れる者を抱え、得南渡の男達は敗走する。

「これで済んだと思うなよ、アホンダラァ!」

 去り際の捨て台詞を誰かが叫んだようだった。分かっている。これで終わりじゃあない。命会橋の地下に高純度メタンハイドレートが存在する限り、得南渡は何度でも襲ってくるだろう。

「さて、店に戻ろう」

 俺はほんまぐろに呼び掛けた。

「そうじゃな。ひとまず今回は一件落着じゃの」

「ああ。それに腹も減った。マスターの料理を早く食べたいんだ」

 言って、俺は鳳天楼へと引き返す。マスターのことだから、きっと律儀に料理を用意して待ってくれているはずだ。鳳天楼セットは酢豚とチャーハン、醤油ラーメンが出てくる。特に酢豚は不思議な香りのする、鳳天楼特製メニューの一つだ。

 考えると、余計に腹が減る。俺は考えるのをやめて、おとなしく鳳天楼の暖簾を潜った。

お読み頂き、有難うございます。


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どうぞ宜しくおねがいします。

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