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魔女っ子おじさん、日常を往く!

作者:日浦あやせ
 事件はある夏の日に起きた。本社での会議を終え、工場へと帰る道中であった。雲行きが怪しくなり、夕立に襲われる。不自然な程黒々とした空から一筋の雷光が落ちた。稲妻の音を聞くよりも先に、焼けるような熱さを感じた。そして――意識は途絶えた。


 目が覚めると、俺は少女になっていた。
 痛く鮮明な桃色と黄色の、金属質な素材で出来た杖を手に握っていた。装飾には星やハートマークを幾つも連ねた彫り込み。先端は八芒星のシンボルと、中心に赤い水晶。水晶を支える土台のようなものは無く、淡い光を放ちながら浮いていた。


 こうして、俺は魔女っ子に生まれ変わった。悪の組織と戦うはずだった。
 しかし、俺には家族も、仕事もある。悪の組織とばかり戦ってはいられない。魔女っ子になってしまったとしても、俺の日常を捨てるつもりはない。
 こうして俺の、魔女っ子としての日常が始まった。

この作品は不定期更新となっております。
03  中華料理屋『鳳天楼』
2018/01/14 18:00
04  須藤工業の人々
2018/01/25 07:00
05  鬼羅商会
2018/02/13 07:00
06  清流の湯
2018/03/07 07:00
07  新たな妖精
2018/03/28 07:00
08  鬼道法律相談所
2018/04/19 07:00
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