行方不明のトヨ
暗い洞窟化何かの中にいるようだった。そんな真っ暗な中に、一つだけやけに光っているものがあった。
「おい、トヨ! いい加減に言うことを聞けっ!!」
顔を真っ赤にさせながら、アーニィはなぜか手に持っている女物の服を、光るそれに向けながら追いかけている。光を遮るようにもう片方の手を目元に掲げているが、それは光るそれがまぶしいからではない。よくよく見れば、光るそれは人の形をしており、驚くことに素っ裸の人間に間違いなかった。まるで天使のようだ、と思いかねないが、少し色の濃い褐色の肌と、真っ黒で長い髪の毛から、それが紛れもなくトヨであることがわかる。
「お願いだから服を着てくれっ!!」
トヨは丸い尻をぷりぷりと振りながら、まるでアーニィを小ばかにしているように逃げ回り、はっきりとこう主張する。
「嫌だ! 私はお前のような弱っちぃ奴の言うことなど聞かん! 服も着ん! 妖刀も全部ブチ壊してやる!」
「ダメだ! そんなこと、剣マニアの俺が許さねえ!!」
好き勝手にやろうとするトヨに、己の矜持を掛けてアーニィが思いっきり叫んだ。すると、トヨは振り返る。服を着せることよりも、カタナの破壊を防ぐ方が彼には重要らしい。包み隠さないトヨの真正面に、アーニィは鼻血でも吹きでそうなほどに顔を真っ赤にさせる。だが、トヨの表情を見て、浮ついた気持ちは消えうせる。
丸腰だったはずなのに、手にはあの身長の二倍はある大剣、エンシェントを手に持ち、あろうことかアーニィに向かって振りかぶっていたのだ。
血の気が引いて行く。アーニィはさっきまでの怒り顔を、トヨの機嫌を取るために笑顔にしようとする。矜持も何もない腰ぎんちゃくのような顔になったが、トヨは冷たい目を向けながら、エンシェントを握る手に力を籠める。
「そうか……。じゃあ、お前はもういらん! 生まれかわったエンシェントの最初の餌にしてくれるっ!!!」
ぐわん、と周りの空気を叩き割るかのように、アーニィの顔面にめがけて、赤い錆の付いた大剣が振り下ろされる。不思議と、彼は全く動けなかった。叫びながら、ただただ、目の前に迫った恐怖に、なすがままに叩きつぶされるしか、できなかった。
「うわあああああああああっ!!!」
アーニィは叫びながら上体を起こす。死んだ、トヨに殺された、じゃあ、ここは天国なのか? と、彼は気が動転しながらも辺りを見渡す。ここは紛れもなく、ろくに朝日も入らない安宿の一室であった。
肌着が汗でべっとりと張り付いていて、気持ち悪そうにアーニィは苦い顔をする。蒸し暑いわけではないが、頬に大粒の汗が伝い、ぽとり、と下半身に掛かっているシーツの上に落ちた。彼はここでやっと、事態の全容を理解した。
そうか、夢だったのか。あの摩訶不思議な光景が夢だったことに、アーニィは安堵した。寝起きは気怠いものだが、悪夢のおかげで今日は頭の中が冴えているようだ。
まさか、夢にまでトヨが出てくるだなんて、アーニィは思いもしなかった。昨日の夜は喧嘩をして、トヨもアーニィも苛立つ気持ちを抑えながらふて寝したことは間違いない。トヨも腹を立てていたことも事実で、それも分かっていたつもりで、夢でトヨに殺されるのは百歩譲っても理解できた。もちろん、理不尽であることには変わりないが。
ただ、全裸だったことに、アーニィは妙にげんなりしていた。彼にとっては、初めて見た女の子の裸。まさか、夢に出てくるまではっきりと意識していて、しかもくっきりと思い出せるほど目に焼き付いているとは……。明らかに意識しすぎな自分が情けないとため息を漏らす。股間の辺りが冷たく濡れていないことだけがささやかな救いだった。
「全く、トヨのせいで変な夢を見ちまった」
ぼやきながら床に足を下ろす。ベッドの下の靴を足先で取り出し、靴下を履いていると、自分のぼやきに反応がないことに気が付いた。
もう一度部屋を見渡す。寝起きだったせいか、先ほどは全く気が付かなかったが、トヨがいない。
浴室の方からも気配はしない。その上、夢に出てきたあの馬鹿でかく恐ろしい凶器も、こつ然と姿を消していた。
「トヨの奴……どっか行っちまったのか?」
トヨのベッドを見てみれば、アーニィの出てくるベッドと同じように、シーツが派手に放り出されている。驚いた猫のように飛び起きたのだろう。アーニィはベッドに手を伸ばす。うっすらとトヨの残り香があるが、それは気にしている場合ではない。気にすべきは温度で、ひんやりとしており、未使用のベッドと同じだった。
どうやら随分前に出て行ったらしい。朝早くに出て行ったのはなぜか、アーニィはふと気になって考える。
が、考えるまでもなかった。妖刀がらみのことに違いない。それなら、昨日のことから、ムツキの店にでも行ったか、夜に言っていたあの妙な気配を追いに行ったのか。そのどちらかだ。
正直なところ、アーニィにとってどちらでも構わないことだった。トヨがアーニィを見棄ててこの街を出て行ってしまった可能性もあし、そもそも彼女をこの広大な王都で探す理由がない。とりあえず、おんぼろの宿にいつまでもいるつもりはなく、早々にここから立ち去りたいと思うだけで、アーニィはトヨにもう二度と出会うつもりもなかった。
自分の剣を忘れないように、きちんと数を確認すると、早々に部屋を出ていく。軋むドアを閉めたころには、どこに行こうか、とのんきなことをアーニィは考えていた。自分のネタベッドの横に、刀身を無くし、柄だけになったオニキリマルが、ぽつんと置かれていることを知らずに……。
「トヨの奴! どこに行きやがった!!」
宿を出たころには、さっきの気持ちは一転して、アーニィはトヨを探す気満々になっていた。というのも、宿を出る際に二人分の宿賃を取られてしまったからだ。
アーニィの手持ち金は、決して多いわけではない。もともと、故郷を発つ際に受け取った金は、最低でも半年は食うに困らないだけの大金だった。が、彼はここに来るまでに、旅費と、それから剣を買い集めるために、相当使い込んでいた。だから、二人分の宿代でも手痛い出費となるほどに、懐は寒かった。
剣に使うお金には糸目をつける気はさらさらないが、格安のぼろ宿を使う程に、それ以外には無駄なお金はできるだけ使わないのが彼の性分だった。
「昨日の食事は大目に見たが、今回ばかりは大目に見てはやらない。それにトヨだって金塊を持っていた筈だ。絶対に取り立ててやる」
怒りに肩を強張らせ、アーニィはトヨを探すために、大通りまで出てきた。
大通りは人が多い。メインストリートだから仕方がないが、人の頭が波のように行き来する中に、もしかしたらトヨがいるかもしれない。
そう思ってアーニィは往来を眺めていた。どうせ目立つであろうと思っていた馬鹿でかい大剣の柄頭を目印に探すが、どこにも見当たらない。
もうすでにここにはいないかもしれない。アーニィがそろそろ別の場所に映ろうとした、その時だった。
それが目に入った途端、アーニィは無意識のうちに走り出していた。人ごみをかき分けて、アーニィはまるで吸い寄せられるように、一直線に走る。息を切らしながら立ち止まった彼の眼前には……武器屋があった。
「まさか、こんな大通りに武器屋があるだなんて、この前来た時は無かったから、新しく開店したのか!?」
アーニィは目を輝かせ、興奮を全く隠さずに、開かれた戸口から店内を眺めている。息を整えると、さっきまでの目的はさておき、さっさと店の中に入ってしまった。決して、トヨのことを忘れているわけではない。ただ、目の前に武器屋がある以上、これをスルーしてしまう訳にはいかないのだ。それが、マニアと言う生き物の性であった。
店内に並ぶ様々な剣。ケースに入っている高級そうな剣、壁に掛けられている明らかに安そうな剣、店棚に置かれている刃渡りの短い剣。数はざっと見ても百は超えている。ムツキの店と比べれば、はるかに小さな店だが、数だけはこちらの方が多そうだ。どちらかと言えば、アーニィはこういう店の方が好みだ。大陸の中心である王都の店。そこには多種多様な剣が集まり易いからだ。
珍しい剣があるに違いない。アーニィは店棚や壁に掛けられた剣を物色し始める。一つ一つじっくりと見て行きたいところだが、如何せん金がない。買うとしても、一番珍しい一振りに限られてしまう。どの剣を買うか考えることで、アーニィの頭の中は埋め尽くされていた。
客の少ない店内をぐるりと一周する。店の奥から店員らしき人物が店に出す商品を物色しているらしく、かちゃかちゃと金属がこすれる音がしていた。だが、アーニィの耳にはその音も、店先から聞こえてくる大通りの喧騒も聞こえていなかった。
歩きながら一つ一つの剣をしっかりと見て、最も珍しい物を見つけることに集中している。
そして、ついにアーニィは立ち止まった。
「お、これは……」
店棚に置かれた一振りの剣に手を伸ばす。柄を握り、持ち上げてみると、ずっしりと金属らしい重みが手に掛かった。武器屋に来る度に、珍しい剣を見つけたら、できるだけ手にするようにしているアーニィだが、この剣は今までに持った剣の中でも、特別に重かった。
しかも、その剣は長剣ではない。店棚に並べられていた短剣だ。だが、非常に変わった形をしている。鞘が太いのだ。その太い鞘を目いっぱいに満たすように、ブレードが収められている。まるで、柄の先にタケノコがくっついているかのような形をしている。
「あ~、お客さん。いいものに目を付けましたね~」
店の奥にいたはずの店員が、いつの間にやらアーニィの隣に立っていた。揉み手をしながら、人好きしそうな笑みを浮かべ、彼に話しかける。
「これ、抜いて見てもいいか?」
「ええ、ええ、構いませんよ~」
店員の確認を取ると、アーニィは鞘からその短剣を抜いてみる。鞘と同じ形をしている短剣。その刃は片側についてはいるが、お世辞にも鋭いとは言い難い。ゆっくりと手で触れるだけでは、手に傷一つ付けることはできなさそうだ。だが、錆は一切付いていない新品特有の銀色のブレードだ。
「その剣はですね~、北の大陸の~、えっと~」
店員が剣についての説明を始めようとする。だが、ついど忘れでもしてしまったのか、歯切れが悪い。
「この剣は、鈍剣と言って、北の大陸随一の大国、チュンランドで使われている剣なんだ。いや、使われていた、というのが正しいかな? 向こうの国も、最近は他の国から輸入される剣を使うことが多くなって、こいつは一部の地域でしか使われなくなってしまい、非常に珍しいんだ。ただ、こいつは鋳型に鉄を注ぎ込むだけで作られてね、普通は鉄を鍛えたりする必要があるんだけど、チュンランドの鉄は良質でね、固めただけでもかなりの強度を誇るんだ。変な形をしているけれど、使い方はその鉄の固さを生かした……」
アーニィはぶつぶつと早口で剣についての説明を始める。熱が入っているようで、口角を上げ、目をキラキラと輝かせている。一方で、店員の方は苦笑いで、心のうちではかなり面倒がっているのが良く見て取れた。この店で働いてはいるが、あまり剣には興味がないらしい。例え興味があろうとも、目の前でこんな風にマニアチックな解説をされると、顔が引きつるのも仕方がない。店員はこれ以上ここで話すつもりはなかったし、語らせるよりも買わせたいというのが本音だ。何とか自然な笑顔を作り直して、口を挟む。
「良くご存じで……いやあ、取り寄せたは良いものの、なかなか売れませんで、ついついど忘れを……」
店員ははっとした顔になる。ついつい、余計なことを言ってしまった。売れ残りの品を押し付けて、客がいい顔をするわけがない。
「まさか、こんな大陸まで海を越えて渡って来てるだなんて……ぐへへへ……」
しかし、アーニィには店員の失言は聞こえていないようで、だらしなくニヤついている。逆に、そのアーニィの表情にこそドン引きしてしまい、一瞬商売人であることを忘れてしまった程だ。
「……して、そちらの商品は、いかがなさいますか?」
証人としての責務を思い出した店員の提案を待っていましたと言わんばかりに、アーニィの顔がスピーディに店員の方を向く。
「買います! これ絶対買います!」
「はい、毎度あり。お値段は……」
店を出てきたアーニィは先ほどとはまた打って変わって、上機嫌で大通りを歩いていた。手足の振りを大きくして、鼻歌でも歌いそうな様子だ。
「まっさか、こんな剣に出会えるだなんてなぁ、ちょうどいい値段だったし、財布に入っていた分ぴったりで買えるだなんて、俺は幸せものだなぁ……」
そう独り言を言うと、ぴたり、と立ち止まった、
財布ぴったりの金。金、金、金……。アーニィはもう一度財布を取り出して、中身を確認する。硬貨は一つもない。無一文になってしまった。今晩泊まる宿賃も、昼飯代ですらない。アーニィは血の気が引くほどの焦りを感じていた。
そして、焦れば焦る程、ここまでお金が無くなった理由を、こうやって王都の大通りに出てきた理由をついに思い出した。
目の前に珍しい剣を目撃したときに、完全に頭の隅から消え去っていた、トヨのことだ。
「や、やっべぇ! このままじゃ、旅を続けらんねぇよ! こんなところで働いている時間もねぇし……クッソー! トヨの分の宿代を払わなきゃ、こんなことにはならなかったのにぃ!」
アーニィは鬼の形相で駆け出した。
「ちっくしょお! どこだ! トヨの奴ぅ! どこに行きやがったんだ!」
剣を買うのに、金を出し惜しまないのは彼の悪い性分だ。店に立ち寄ることさえなければ、このようなことにならなかっただろうに。しかし、彼はそんなことはお構いなしに、全ての責任をトヨに擦り付け、彼女から宿代だけでも取り返すために、全力を尽くすようだった。
ただ、無暗やたらに探し回っていてもトヨはそう簡単には見つからない。それはアーニィにも分かっていた。見当が付く場所を探すことがベストだ。といっても、その場所はたった一つ、ムツキの店だけしかない。
アーニィは大通りを東に向かって行き、途中で脇道に逸れ、ムツキの店がある高級商店街に出た。高級商店街は大通りと比べると、通りの人の数が圧倒的に減ってしまう。高級、と名が付くくらいだから、王都で働いているだけの国民たちでも手が出せる商品を、あまり取り扱っていないからだ。客として来るのは、国中の事業に出資している貴族たちばかり。それも、一日に数人程度だ。
それが、平時での高級商店街の様子である。ただ、今朝はいつもと様子が違う。アーニィが高級商店街に足を踏み出すと同時に、他にも何人かが、大通りから高級商店街へと流れて来ていた。道の先を見れば、ある店の前で何人かが蝟集して、人だかりを作っていた。
「なんだ? 閉店セールでもやってんのか?」
アーニィは彼らの周辺を凝視し、耳を澄ます。それぞれがそれぞれの声で、別々のことを話すものだから、不鮮明な音にしか聞こえない。耳からの情報は頼りにならない。だが、視線を少しずらすと、彼らがムツキの店の前で集まっており、店の扉の前には、重量感のある銀色の鎧をまとった兵士が、人だかりを牽制するように大きな槍を手に持って立っていることは知ることができた。
何か、嫌な予感がする。
鎧をまとった兵士は、この王都の警備兵だ。彼らは基本的には警備や見張りなどを行っている。だが、国民は皆知っている。町のどこかに兵士が集まるようなことがあれば、それは事件のあったことを表していることと同義だ。
アーニィはやじ馬たちの間に分け入り、誰かの足を踏んだり、押してしまった人に睨まれたりしたが、何とか先頭に躍り出た。鎧姿の兵士が、彼の目の前に立ち、フルフェイスの兜を下に向け、アーニィを見下ろした。
「あの、何かあったんですか? ここ、ムツキさんの家ですよね」
下手に出ながら、アーニィは兵士に尋ねる。
「なんだ、客かい? ダメだダメだ、今は立ち入り禁止なんだ」
顔全体を覆う兜の中でアーニィを追い返すための強気な声が反響してくぐもる。
「立ち入り禁止って、いったい何があったんです?」
再び問い詰めると、「何だ、知らなかったのか」と、兜の乗った頭を軽く動かして、かちゃり、と音を立てながら、ムツキの店を顎で指した。
「今朝方、ここで殺人事件があったんだよ。犯人は不明、被害者はここの店主、ムツキさんだ」
出し抜けの話に、アーニィは驚いた。
「そんな!? 殺されただなんて……どうして……」
つい昨日出会ったばかりだった。気難しそうな老人で、トヨのせいではじめこそは馴染めないとアーニィも思ったが、トヨやアーニィも助けてくれた、思いやりや優しさのある人物でもあった。返すカタナが壊され、どう謝るのかを昨晩は心配していたが、こんなことになっては、その心配が無くなったことも、嬉しくもなんともなかった。
「どうやら、君は知り合いだったらしいが……残念ながら、本当のことだ。だが、少なくとも犯人については現在も調査中だ。犯人が分かったら、俺達がすぐにでも捕まえてやる」
がっくりと肩を落とすアーニィを見て、兵士は励ましの言葉を掛けた。犯人がいったい誰なのか、気にはなる。だが、それ以上のことは兵士の仕事だ。アーニィは自分が手伝ったところで、何の役にも立たないことを良く知っていたし、それを任せてしまうことが普通のことなのだと理解していた。
ここにトヨはいなかった。それだけは確かなことだから、もうこれ以上ここに居る理由はない。アーニィは礼を言い、踵を返す。やじ馬はまだたかっていたが、それが急に割れて道を開けた。
ここを通り抜ければ早く歩けるだろうと、アーニィが開けた道を進んだ時、向かい側からがしゃがしゃと鎧を揺らしながら走ってくる、少し背の低い兵士に気が付いた。
彼のために道を開けていると察したアーニィは、進むのを止めて、自分も人だかりの一部に混ざった。兵士の方は、扉の前に立つもう一人の兵士に敬礼すると、甲高い声でしゃべり始めた。
「報告です! 近所の住人などの目撃情報によると、今朝方、現場の店に出入りしていた少女がいたとのことです! 長い黒髪と褐色の肌、それから背中に巨大な剣を背負っていることが特徴で、今回の刀匠強盗殺人事件の犯人ではないか、と思われます!」
兵士が大声で告げると、周りがざわめき始めた。報告を受けた兵士は、報告をした兵士を「こんなところで大声で言う奴があるか!」と激しく怒鳴りつけている。必死に走って来た上に人前で叱られ、酷く居心地が悪そうだ。
だが、彼以上に居心地悪そうにしている男がいた。血の気の引いた頬に大粒の汗を伝わせるアーニィだ。
「と、トヨだ。あいつ、朝にここに来てやがったんだ……ま、まさかアイツ、妖刀のために……」
そんな馬鹿な、とアーニィは思いたかった。だが、トヨのことだ。妖刀のためには平気で殺人でもなんでもやりそうな気がしてしまう。トヨが今回の犯人かもしれない。アーニィはそう思いながら、じわりじわりとすり足で、この場から離れようとしていた。
ども、作者です。月曜日更新をしようと思っていたけれど、無理でした。今後も、月曜日更新という名の、火曜日の明け方更新になる恐れがあります。小説を書く時間が欲しい……そう思う今日この頃です。
第四章はいろいろと新しい試みをしています。さてさて、どのようになっているのやら……。




