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美人エルフ名探偵リサの華麗なる事件簿~この世で最も怖い音~

作者: 久坂裕介
掲載日:2026/07/21

 ヒュ~、ヒュルル~。私、リサが財布《さいふ》の中を見てみると、背筋《せすじ》も凍《こお》る怖《こわ》い風の音《おと》がした。私はここ人間、エルフ、ドワーフ、ホビット、魔族など様々な種族《しゅぞく》が暮《く》らすダイバー市に住んでいる。そして私はここで、探偵《たんてい》の仕事をしている。


 私はエルフで二百年生(い)きているが、手足《てあし》がスラリと長くスタイルが良い。そして金色の髪は背中まで伸びていて、目は切《き》れ長《なが》で美人だ。更《さら》にこの市で警察に依頼《いらい》されて、多くの事件を解決《かいけつ》してきた。だから私はここで、美人エルフ名探偵リサと呼ばれている。


 今は激《はげ》しい暑さを感じる、七の月の中旬《ちゅうじゅん》だ。だから白くて薄《うす》い鎧《よろい》を着ているが、それでも暑い。だが私はさっき、背筋も凍る怖い風の音を聞いた。私は試《ため》しに、風の魔法を唱《とな》えてみた。

「ウインド!」


 するとゴオーという音とともに、この探偵事務所の木製《もくせい》の低いテーブルを挟《はさ》んでソファーが二つ置かれている広めの居間《いま》の中に、激しい風が吹《ふ》いた。だが、それだけだ。この音は、ちっとも怖くない。この世界で最も怖い音。それは中身《なかみ》が少ない財布に吹く、すきま風の音だ! 私は、財布の中身を見てみた。するとそこには、五〇〇ゴールドしか入っていなかった! 困《こま》る、これは困る!


 これではこの探偵事務所の家賃《やちん》も払《はら》えないし、私が大好きなダイバーとんこつラーメンも食べられないからだ! 私は念《ねん》のため、もう一度《いちど》財布の中を確認してみた。だがやはり五〇〇ゴールドしか入っていなく、財布にはすきま風が吹いていた。


 この世で最も怖い音が、聞こえた。ヒュ~、ヒュルル~……。

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― 新着の感想 ―
はじめまして、読ませていただきました。 おおっ導入部分ですね。 ここからはじまる名探偵エルフの事件簿ですな。 ありがとうございます。
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