マンションの最上階から紙飛行機を飛ばす
此処はパパの所有するマンションの最上階の自宅。
最上階全部が家。
そこに僕はただ1人取り残されている。
あの人を化け物に変える病源菌が広がった日、風邪をひいて寝込んでいた僕を残しパパもママも朝から仕事に出かけていた。
災害に備えて食料や生活必需品は親子3人が数年立て籠もっていられるだけの量が備蓄されている。
だから1人取り残されていても何とかなるんだけど、寂しい。
それに化け物は音に寄って来るからマンションのベランダから「助けてー!」って叫ぶ事もできない。
それで僕は助けを求めてベランダから助けてって書いた紙で紙飛行機を折り、飛ばしていた。
風に乗って遠くに飛んで行く紙飛行機もあるけど、折り方が下手なのか風に乗ることが出来ずマンションの前の道に落ちて行く紙飛行機もある。
偶に遠くの空を軍隊のヘリコプターが横切って行くのが見えるから、家にある紙が無くなるまで紙飛行機を折って飛ばせば、何時か助けて貰えると思い今日も紙飛行機を折って飛ばしているんだ。