第四話:新しい人生
そして俺は目が覚めた
「ここはどこだ?」
とりあえずあたりを見渡してみる。
辺り一面木、木、木、
「森、だな」
俺はその前までどこにいたんだっけ。
バスで意識を失った。そのあと、、、そうだ!神界!
いろいろ思い出してきた。そうか俺は転生したのか。
とりあえず神体に宿ったはずだったよな?
自分自身を確認しよう、、そう思った瞬間
《【スキル:鑑定】を使用しますか? YES・NO 》
アナウンスさんだ。スキル?そうか、こっちの世界にはそういうものがあるのか。まあ色々気になるし、とりあえず
『YES』
そう心の中で唱えると、頭の中にいろいろ文字が浮かんできた
名前 :ターシ
種族 :人神族
魔力値:500/500
レベル:1
称号 :なし
加護 :フェリンの加護
スキル:鑑定
固有スキル:アナウンスさん 神域接続
装備:
【異世界の服】
鑑定偽装 消臭 変形 不可壊 装備者固定 フェリンの加護
【異世界のズボン】
鑑定偽装 消臭 変形 不可壊 装備者固定 フェリンの加護
【神器:ドラゴングローブ】
次元ボックス 鑑定偽装 消臭 変形 不可壊 装備者固定 フェリンの加護
技能:装備者の攻撃力を大幅に上昇させる
おお、いろいろ突っ込みどころがあるがとりあえず1つずつ見ていくか。
まず名前なんだが田代からとったらしく ターシ になっている。苗字は無しか、なんか異世界って感じだな。
そして、種族……神?俺が?
《神体なため、当然です》
なるほどね。それはそうか
で、、他に気になるところは、、やっぱりスキルだな。
まあ鑑定はわかる。今使ってますし、
固有スキル、、?
意味は分かるんだが持っているスキルの意味がわからな過ぎる。
アナウンスさん?なんでアナウンスさんが?
《解:スキルになることで魂に刻まれ、接触するという方法が使われています》
アナウンスさん曰く、スキルは手に入れると魂に刻まれるらしい。それを利用しているとのこと。詳しく話すと長くなりそうだが、刻まれたスキルは死後にも影響し、例えば火が得意な魔術師が死ぬと輪廻転生後も火の魔術を習得することが多いんだとか
そういえば俺の魂を管理して貰ってるんだった。でもさあ、スキルの名前がアナウンスさんって。どうにかならないもんかねぇ、、、
《推測:主が「アナウンスさん」とお呼びになられていたため、名とスキルが紐づけられ【アナウンスさん】になったかと》
まじかよ、スキル名になるならもっと早く言ってくれよ、、、といってもネームセンスに自信あるかと聞かれたらまったくそんなことないからまあいいんだけどさぁ…
そしてもう1つ、神域接続だって?一瞬見間違いかと思ったよ。確かあれだろ?フェリン様が言ってた通りの話だと、あのすごい魔術師のウォータルが持ってたスキルだろ?
アナウンスさんならなにか分かるんじゃないかな?
《、、、フェリン様がご好意でつけてくれたのかと》
なんかアナウンスさんさっきより早口じゃない?気のせい?
それより装備だよ、見てくれなんだこれは、、
明らかに普通の服じゃないよね?
《神柱フェリン様が効果を追加しておりました》
随分とやらかしてない?不可壊ってことは最強装備ってことでしょ?
まあ、見た感じありがたいスキルしかないんだけどさ。
ここでも1つ気になることがある。鑑定偽造ってなんだ?
《もし鑑定持ちに装備を鑑定された場合、異世界人だとばれないようにするためです。》
なるほど、それはありがたい。変に目立つこともなくなりそうだ…といいたいところだが、種族の時点でわんちゃんばれるのでは?
え?、、無反応??
ま、まあいいか、で、この手袋もなんだろうとは思ってたんだが神器だってさ
しかも名前からして絶対強いじゃん。変形によって見た目は茶色のただのバイク用グローブ、、しかし着心地はめちゃめちゃいい。さすがドラゴンの素材
《否:フェリン様の見た目が名前に反映されただけであり、ドラゴンの素材は使用されていません》
え!違ったのか、、しかもフェリン様ってドラゴンだったのか。姿が見えないもんだからてっきり人だと思ってたよ。
《フェリン様の配慮でしょう》
確かに急に目の前にドラゴンが現れたらビビる自信しかないわ
聞くか迷ったんですけどアナウンスさん、一応このグローブの素材ってわかったりしますかね、、
《解:鑑定不可 神気がわずかに感じられます。神界にある素材を使って作られたと推測、、、》
そんなレベルの素材が使われているとは、、ああなんか怖くなってきたよほんとに
とりあえず、人を探さなきゃ始まらないよな、すぐ見つかるといいんだが…
◇◇◇◇
1時間歩いただろうか
しかし森が終わる気配が全くない。それよりもモンスターにも一度も遭遇していないのだ
「えぇまじでどうするよ、、」
このままだと夜になってしまう。しかもこんだけ歩いたからさすがに腹が減った。。
そう考えていると遠くから微かに声が聞こえた気がする。
「とりあえず行ってみるか。」
少し走ったら人が見えてきた。
ちょっ、あれはまずくないか?
腰を抜かした少女が今にも1匹の狼に食べられそうになっている
声を震わせながら少女が言った
「あ、ぁぁ、私は死ぬのでしょうか、、」
このままだとやばい、助けなきゃ。どうしよう、、そうだ、武器だ
っていってもそんなものあるわけない
とりあえずヘイトを買えばいいのか?
石でもいいから投げるしかない!
頼むこっちに向いてくれ、せめてやるなら俺をやれ!
「えいっ!」
「 グルルル...!?....... 」 、、、、、、、ドサッ
え…??
今ので死んだの???
そう思ったのは俺だけではなかった。
「あ、、ぁ、、、、、、、え?」
目を見開いてあんぐりと口を開けている。
やっべぇ、、こんなところでやらかすなんて思ってなかったわ、せめて木の棒ならわかるけど小石って、、
本当は町の場所聞きたかったけどこれじゃあ聞けそうにないな、、離れて隠密してついていくか?
そんなことを考えていると、、
「えっと、助けてくださったんですよね。本当にありがとうございます。」
そう言いながら深々とお辞儀する少女。
「ま、まあそんなところかな。俺はこの辺で失礼するよ。」
大ごとになる前に離れるぞ、、と思ったがさすがに放してくれるわけもなく
「さすがにそんなことはできません!命の恩人ですよ!?何もお礼しないなど考えられません!!」
やっぱそうですよねー。あ、でも逆にいいこと考えたぞ?
「そうか、それじゃあこの近くの町の案内をお願いしても?」
これ、俺天才だろ
「い、いいんですか!?そんな簡単なことで!あなたみたいな冒険者ならそんなもの必要ないことくらいわかっていますよ?」
「はは、俺は実は奴隷だったんだがいい感じに逃げれたもんでね。その代わりお金も飯も何も持っていなくて...」
嘘つくの苦手すぎて理由めっちゃ雑だけど大丈夫だよね?
「そ、そうなんですか?あまり深く聞いてはいけない感じですかね。分かりました、町に入るお金や冒険者ギルドに登録するお金はこのロデリネのギルドが負担しましょう!」
耐えたぁ…しかもギルドカード、(要は住民票みたいなもんなんかな?)も作ってくれるらしいじゃん、、めっちゃ助かる、、、
「お、俺はターシだ。よろしく頼む。」
「はい!私はエマ・ファーデルと申します。」
え、、?フルネームってことは、、、
「も、もしかしてだけど貴族だったりする、、、?」
「はい一応、貴族に嫌な思い出などございました?」
まじかよ、てかなんでこんなところに貴族がいるんだよ!!
「いや、そんなことないけど気になってしまって」
「そうですか。一応お父様が領主をしておりますので困ったら何でもお力になれるかと!」
え、、、?りょ、領主?聞き間違えだよな?
「領主、、?」
「領主をご存じないですか?簡単に説明するとロデリネは、二つの区画に分かれており、南の町をお父様が管理されている、という感じです!」
ロデリネは町の名前か、ってそんなのどうでもよくてやっぱ領主なのかよ!!俺領主の娘様にめっちゃため口使ってたんですけど!?
「へ、へぇ、そ、そんなことより腹が減ってもう疲れてしまったので案内お願いできますかね、、、」
「わかりました!あと、そんな固い喋し方しなくていいですよ!なんせ命の恩人なのですから。」
でもなあ、領主の娘様って知ってしまったらさすがにね、、
「それじゃあターシさん行きましょう!」