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第三話:転生


 やっぱりなんかやらかした?



やっぱり触れちゃいけなかったよねあれ。


 というかその前に、普通生物って死ぬとどうなるんだ?幽霊になるんだったら町中幽霊だらけになるはずだよな?いや、そんなことないのか?他の幽霊は自分には見れないとか?そういうこと?


 今の自分の状況について不安になりながらも思考をフル回転させて考えていると、、、


『ふははは!やっぱりそうなのか!お主、運がいい、いや、良すぎるのう!』

 うわびっくりしたぁ、急になんだ?運が良すぎる???死んだのに??俺にとっては災難すぎたぞ、、、覗き見?いや、あれは違くて…


『とりあえずじゃな…』

 そう言い、フェリン様が話し始めた。

『まずここは神界なのは知っておるじゃろう?』

 それは分かる。変なアナウンスみたいなのが異神界とか言っていたし、、なんせ目の前に本物の神様がいるんですから。

『しかし、神界といっても、管理する世界が各々違うのじゃよ』

ん?どういうことだってばよ、管理する世界が違う??


『そうじゃ、妾が管理しておるのは魔球(まきゅう)、地球の管理はしておらん、つまりお主は、普通とは違う何らかの方法でこの神界に転移してきたのじゃ。』

 え?転移してきた、、、?まじ?


()()、じゃ』


 聞いてわかったことだが、あの白い光はたまたま生まれた時空の歪みらしい。(原因はわからないとのこと。)


 それと死後は全ての世界共通で、生物は死ぬと死神族によって魂を刈られる。

 そして器だけ残った空の魂は神界下部に送られ、下神という神の使徒によって輪廻に戻される。しかし、ごく稀(100年に1つあるかないからしい)に死神でも刈れない強靭な魂を持ったユニーク個体が生まれる。ユニーク個体は下神だと処理困難なため、本部に送られ少し優遇された状態で輪廻に戻されるらしい。

 魔球の場合、その優遇というのが伝説級の魔獣になるか勇者になるかの2択らしい。

 一応、地球の優遇も聞いてみたんだが、他の神界同士あまり接触はしないせいか、あまり詳しくは知らなかったらしい。

『あの世界は平和だからのう。多分、頭脳や性格などの総合ステータスが全体的に上がるとかじゃろう。』

 だそうだ。もしかしたら芸能人とかの魂はユニーク個体だったりしたかもしれないのか?まあ100年に1個あるかないかだからそんなことはないのか。


まあいいや、


 でも一つ引っ掛かるところがある。俺は死神なんかに会った記憶がないのだ。


 それをフェリン様に聞いてみると少し予想外の回答が帰ってきた。


『当然じゃ。死神は戦闘力が皆無なのじゃ、まあ神罰によるものなのじゃがな。だから意思を持った魂なんて刈れるわけがないのじゃよ』

ん?どういうこと?


 話によると約5000年前、この世を支配するために生まれた邪神によって吸血族が生み出された。吸血族は人の血を好み、よく人族を刈り尽くしていた。ある時、一匹の吸血鬼が、人族の血を吸い切り、死んだときに残った大量の魂を自分に使い、強化することで死神に変異化することに気づく。そのことを知ったほかの吸血族は今まで以上に人を殺し、世界を終わらせる勢いで魂を刈っていったのだ。そこに危機を覚えた創造神ディアスは邪神を倒した。もちろん生み親が死んだことにより吸血族は消えたが、進化し個体種が変わった死神たちは残った。ディアスは死神には神罰を下し、それにより死神の戦闘力は皆無になり、魂を食らっても強化出来ないようにされ器だけ残った魂は、神のもとに返すように命令されたらしい。

 ディアス曰く、輪廻転生に必要な器を創れるのが柱の神だけだったため、どうにかしようとずっと悩んでいたらしい。そこに、魂を主食とする死神が誕生することでとても好都合だった、と。

 死神に器を回収してもらい下神が意志を付与することで下神だけでも輪廻を循環させることが出来るようになったという。

 その噂を聞いた別界の神は黙っているわけがない。こぞって死神を奴隷として買い取ったらしい。

 今では死神がいない神界はないのだ


 死神が奴隷、、か


『死神は正確には神ではないからのう。魂を食さなければ飢えて死ぬのじゃ。だから死んだ生物が腐る前に刈らねばならないため、奴隷として都合がいいのじゃ、魂を探すことに関しては死神の持つ [ ユニークスキル:霊気感知 ] があるからどうにでもなるのじゃ。お主は特殊な死に方だったゆえ感知を免れ、しかもその後、何らの影響で目覚め、失ったはずの意思を取り戻す…その強靭な魂、神に匹敵するかもしれんのう。』

 

俺ってもしかしてすごいのか?


 とりあえず今までの話を簡潔にまとめると、死んだ魂は意識がなく、見つけた死神がその魂を補食する。そんでユニーク個体の場合は補食出来ないのでそのまま神界へ


 俺の場合は、なぜか目覚めてしまった

 原因としては死に方が締まらなかったせいか意識のかけらが残り、死後の状態に適応してしまったらしい


 そして普通は死神が刈るはずの魂が刈れなくなり、しかも意識があるので野放し状態に、、


 この時点でもう狂い始めていた


 しかもそこに何らかの原因で神界の光が漏れる


 それに触れてしまう


 大雑把にはこういうことか


『なぜ魔球の神界に接続されたのかもわからぬ、お主の魂に何らかの加護が付与されていたとしか考えられぬ、それによって導かれたということなら辻褄が合うからのう。』


らしいです。加護なんて感じたことないんだけど。


『まあでも異世界(地球)からの人間は大歓迎じゃ!異世界人というと2000年ぶりじゃからのう!』


 異世界人が他にもいたのか、?でもどうやって来たんだ?神界だぜ、、?


『地球人は知らなくて当然じゃ。あそこは創造神しか居らんからのう。逆に神界では知らないやつはおらぬのじゃ。やつの名は 魔術師ウォータル 地球や魔球とも違う世界から来た魔術師じゃ』


ふぇええ!神界で有名とかほんとにヤバイ人なのかな?その前に地球の神って創造神しかいなかったのか、、


『ウォータルは魔術のレベルが信じられないほど高かった。しかし、喋り方に感情が籠っておらず、柱持ちの神が創ったゴーレムの様じゃった。ウォータルは、「神界に接続する魔術を習得した」とかいっておったかのう。死んだ後は神界に接続して新しい星の輪廻に行くとか言っておったはずじゃ、神界を知る人間などほぼ存在しないのになぜわかったのかが気になるがのう』


 ゴーレム、、、ロボットみたいってことなのかな、、強さのために感情を失ったみたいな感じか、、というか神界に接続できる魔術とかチートそのものじゃん


『そんなことよりとりあえず、お主は輪廻に加えなければならない。これは生物と神界の掟のため、逆らうとお主と妾に神罰が下る。』


なるほど、、、?

相変わらず現実味がないなぁ


『魔獣か勇者か選べるが、どうする?』

 正直どっちも微妙だなぁ、、、魔獣は人間離れしてるからあんまなりたくない。でも逆に勇者になったら崇められたりする未来しか見えない。そういうのはあんまり好きじゃないんだよなぁ、、優遇とかいらないから一般人でいいんだけど…個人的には異世界ってだけで十分楽しめると思ってしまう。この感じでいけば記憶も残るんでしょ? 十分すぎる


『そうかそうか、でも魔獣や勇者の肉体以外を用意するとなると、神体しかない、、、魂が神体に耐えられるか…いや、お主なら心配なさそうじゃな…』

ん?神体?神の体?どういうこと?


『普通の肉体でもいいが、それじゃあ面白く、、、ゴホン…なんでもない。普通の肉体は用意出来ないのじゃ!』

 今面白く無いって言いかけたよね?神なら普通の肉体とか絶対用意できると思うんだけど。

絶対試そうとしてるよね。


『と、とにかく!神体フェリンにお主を宿す!新しい世界!存分に楽しめ!!そしてだ!もう妾と話すことは無い、と思っておけ。神界にいるものと話す手段は基本神託しかないからのう。』

 なんか神って自由だなぁ…...そこまで話したわけではないが、フェリン様ともしゃべれなくなるのは少し残念ではある。


まあ、異世界堪能しますかっ!




《神界に田代 影が登録されました》


うお、アナウンスさんじゃないか!


《神体に接続をします 強く意識を保ってください。 意識を保った場合の成功確率:99.9%》

 よし!どんとこい!!



「ぐぁあぁぁあ!!!」

唐突に痛みが走る。


 痛ってええええ!!


脳が焼ける感覚がする。意識が飛びそうだ、、耐えろ、耐えろぉお!!




《接続が完了しました》


 ふぅ、マジで死ぬかと思った。

ん?神体に宿ったはずよな、、?なんも変わった感じはしない。鏡がないから自分の姿も分からないな。まあいいや、というかそうだ、聞き忘れてた。


アナウンスさん、あなたは何者なんですか?


そうダメ元で話しかけてみると返事が返ってきたのだ。


《解: 現在は名前を失っております。私は神託により、あなたの魂の一部を管理させていただいております》

え?俺って魂の管理してもらってたの??それも神託で?


まあでも悪い感じじゃなさそうで安心した。


 なんか、、急に、眠気が、、、すごい、、



 俺はその眠気に勝てず、深い眠りについた




◇◇◇◇



『術が効いたようじゃな、、申し訳ないが異世界人、、神界を歩かせるわけにはいかないのじゃ』


『そんなことより、バレバレじゃぞ? 異世界に導いたのはお前なのだろう?「ウォータル」』




《是、お気づきになられましたか》


『ふははは!気づかないわけがない!妾は柱ぞ?』


《お久しぶりです フェリン様》


『うむ、、この異世界人も、運が良かったことじゃのう』



『異世界人も色々おかしいのじゃが、本人は全く気づいてない。気づくまでは様子を見るしかないのう。』


『とりあえず運ぶのが先じゃな』




 そうして俺は目が覚めた

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