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アーサー王100本の剣伝説

26本目の剣

作者: 中村翔


「モドリッド。この村の剣の目星はついていますか?」

子供がめんどくさそうに振り向く。

「この村の中央の木。」

見上げると女の背丈の3倍ほどの木が見える。

「いやー。目には入っていたんすけどね。」

女が木に近づき周りを探ると

「おっ、あったっすね。ちゃちゃっと抜いちゃいましょう。」

子供が渋々口をだす。

「伝説がまだ、名前も。」

「あちゃー。そういやそうっすね。アーサー王とは逆に伝説を作ってからでないと抜いちゃダメなんでしたっけ?」

「おや?君達剣なんかに興味あるのかい?女の子がかい?」

村人が話しかける。

「ええ。ところでお困り事はありませんか?私たちは騎士見習いですので実績がね?実績が。」

「なるほど。では森の猪退治でもしてくだされ。お願いしますぞ。」

「えっあっちょっ、行っちゃった。猪じゃあ伝説とはねぇ。まあ頼まれたし行ってみますか。」

ブルル・・・。

「猪肉って美味しいんすかね?」

「どいて。」

子供が剣を振り上げる。

ザッン!

一撃で猪の首を落とすと剣をしまう。

「あれっ?私の出番なしっすか?」

ーーーー。

なにやら話し声が聞こえる。

「ーー今年は豊作らしいな。村を焼き払うならいまだ。」

「ーーーなら早い方がいい。今夜はどうだ。」

「ーーいや早すぎると騎士が嗅ぎつけてくる可能性がある。様子を見よう。」

がさっ。

「だれだ!?」

「いやー。参ったっすね。猪追っかけてたら道に迷っちゃって。あれ?なんか話してたっすか?」

「旅人か。なにも聞いてないな?ならいいんだ。村へはほら。あの道をまっすぐだ。」

「・・・助かる。」

子供が会釈すると女と一緒に道を引き返して行った。

「おや?騎士見習いの。どうされました?」

「猪退治完了っす。お礼なんかもらえたりは・・・しないっすよね?」

「!。そんなまさか。もう猪を退治なされたのか。お礼はご用意していませんがどうでしょう。一晩泊まっていかれては?」

「一晩だけっすかー?」

「い、いえ・・・何日でもよろしいです。」

「ラッキー!じゃ、2、3日お世話になりますね。」

「では宿屋の旦那には話を通しておきますので。」

「伝説は人に知れてこそ・・・か。」

「そうっすねー。わっ、ふかふかっす!まああの場で盗賊だかなんだかわかんないあいつらを退治しても伝説にはなりませんからねー。人に知られて。はアーサー王の心情っすからね。」

「でも3日。それ以上は待たない。」

子供が言い放つと賛同するように頷いた。

むしゃむしゃ。

「たんと、食べとくれ。あの猪の肉。美味いだろう?」

「ええ。ところで今年は豊作らしいね。」

「まあそうさね。でも豊作だろうと変わりはないさ。来年分に当てるだけさ。」

「そうっすか。あっこれ美味しいっすね。」

「あはは。まあたんとお食べ。」

女がむしゃむしゃと猪肉を食べていると

ばたん!

「大変だ!東の方から騎士崩れの暴徒が押し寄せてきてる!」

「なんだって?そんなのどうすれば・・・あっ!」

「あっ」

「あっ」

「ん?なんっすか?みんなで顔を見合わせて。」

「あんたら騎士だろう!?どうにかしてくれよ!」

「ええー?よく知りもしない人を助けるなんてことは」

「わかった。まかせて。」

女がohという顔で目を伏せる。

「よかった。東の方だからな。間違えるなよ。」

子供と女は馬に乗って東へと走った。

「ひーふーみー。4人っすか随分少ないっすね。」

「くる。」

子供が剣を構えると馬と馬がすれ違いざまに相手の首を刎ねる。

予想外の出来事に賊が戸惑っていると

「投降するのをオススメするっすー!」

と女が言うと大人しく投降してきた。

「いや抵抗してくれてもいいんすよ?」

「俺たちは囮だ。今頃村は血の海さ。くくく。」

「しまった。あっちが本命か。」

女が呟くと村の方から煙が上がっていた。

「急ぐっすよ!」

ヒヒーン。

馬を全力で走らせたが遅かった。

パチパチっ。メラメラ。

木と肉の焼ける匂いがする。

ザクっ。

「おやー?まだ生き残りがいたか。まあいい見逃してや・・・。」

ザン。

子供が男の首を刎ねた。

なんだ?おい!こっちだ!

「集まってきたっすね。モドリッド卿。頼んだっす。」

子供が男に向かっていく。

ザクっ。

!!。矢だ。弓兵が屋根にいるのがわかる。

子供が剣をしまう。

「やっちまえ!!」

矢の雨が降り注ぐ。が子供が剣を抜くと跳ね返っていった。

「やーい。モドリッド卿の剣は叛逆の魔眼っす!手から離れた物は自分に跳ね返っていくっすよ!」

「!!。なんだ?魔眼??逃げろ!」

「・・・おそい。」

ザンザンっザシュー。

「ものの2分で壊滅っすか。流石っす。」

「弔う。」

「そうっすね。ここは私が引き受けるっすからモドリッドは剣を。」

パチパチっ。木が焼けている。

「その剣の名は。スラウター。」

ザクっ。

子供が剣を引き抜いた。

「これで2本目・・・。」


この村の住人と共にここに眠る。

そう木に彫り村を後にした。


26本目の剣。読了。

Thi・27本目の剣を始めますよろしいですか?

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