千夏が男装して男子高へ潜入しなければならななかった件
没にしようかと思ってた作品ですが、書いてあったのを出してみようかと思いました。いぎなんです?こういうの。
夕方のテレビでも観ようかとテレビのリモコンに手を伸ばし掛けたその時だった。 突然、リヴィングに面した美琴の部屋のドアが遠慮がちに開き、いつになく悩ましい顔をした美琴がのっそりと姿を現したのだった。 美琴は、高校の制服である紺色の詰め襟姿のままで、帰宅してから着替えるのも億劫だったというような顔をしていた。 彼の浮かない表情を眼にした千夏は姉として何か不穏なものを感じて、 「どうしたの?元気ないわね。学校で何か嫌な事でもあったとか?」 と恐る恐るも訊いてみたのだ。 「う・・・、うん」 予め千夏に何らかの事柄を話す覚悟で千夏が帰ったのを確認したから出てきたようで、かれはの元気がないことも否定せずに素直に頷いた。ので、話すのを促すように千夏は、話してみなさいと姉らしい言葉を投げかけてみた。 と、話しにくそうな顔をしながらも彼はぽてりぽつりと話しはじめたのだ。 姉弟の間柄といえども男と女で
二人きりの状況で話しにくくもあったが、千夏も話を聞く義務感のようなものを感じて耳を向けて聞く姿勢を示した。美琴の言葉。 「あ、あのさ、お、俺さ
、俺なんだけどさ」 やはり話しにくそうに言葉を詰まらせる。ン?と首を傾げてみせる千夏。それでも話を進める素振りも見せないので がしつこく食い下がるよあに問いただすと、暫くしてからようやくぽつりぽつりと話し始めたのだ。彼が言うには、少し間を置いてから思い切ったように話を始めた。 彼が言うには、である・・・。
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