表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

p.6

 待ち合わせ場所に着くと、アッくんとイッくんは既に待っていた。


「おはよう」

「お待たせ」


 二人がモジモジとしながら声をかければ、二人の男の子は、一瞬だけ目をまん丸に見開いた。あまり似ていない双子だが、この時の顔は、実にそっくりだった。


 そんな男の子たちの反応に、ミカとミキは、さらにモジモジとする。


「何よ。別々の服で来いって言ったのは、あなたたちでしょ」

「そうよ。わたしたちだって違和感があって気になるのよ。あんまり見ないでちょうだい」


 恥ずかしがるミカとミキの姿に、アッくんとイッくんはニヤリと笑う。


「ああ。ごめん。やっぱり、そっちの方が良いなと思ってさ」

「うん。二人とも良く似合っている。可愛いよ」


 ママにも、近所のおばさんにも褒められたけれど、それ以上に、アッくんとイッくんの言葉は、二人をゆでだこにした。


「それで、今日は何をするの?」

「そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」


 頬を紅潮させながらも、それを誤魔化すかのように、ミカとミキは声を張り上げた。テレを誤魔化すそんな二人をクスクスと笑いながら、アッくんとイッくんは頷いた。


「俺はクライミングに行く」

「僕は科学館に行く」


「ちょっと待って、どっちに行くのよ?」

「クライミングと科学館って、なんだかバラバラじゃない?」


 アッくんとイッくんの提案に、ミカとミキは思わず声をあげる。そんな二人の反応は想定内とでもいうように男の子二人は、いがみ合うこともなく、シレっとした涼しい顔をしている。


「お前たち、お互いの服装をよく見たか?」


 アッくんの突然の指摘に二人は、パチパチと瞬きをしながら、互いの格好を確認した。それから、アッくんに向かって、二人そろって首を縦に振る。


「もちろん。一緒に服を選んだのだから、見ているわ」

「ええ。朝から一緒に支度をしたのだもの」

「じゃあ、それぞれ、お互いの格好をどう思う?」


 次は、イッくんに質問をされて、二人はもう一度互いをまじまじと見つめあった。


「ミキは、おっとり系の格好をしていて、とてもかわいいわ。でも、動きやすい格好ではないわね」

「ミカは、元気溌剌という感じで、とてもかっこいいわ。でも、ゆったりとした場所では、ちょっと場違いかしら」


 二人それぞれの言葉を、男の子たちは満足そうに聞いていた。


「そう。それでいいと俺は思う。何も、双子だからって一緒にすることないんだ」

「一緒もいいけど、別々でもいいよね。だって、それが個性だもん」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ