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顔以外は超絶イケメンと言われた俺

作者: 39

俺こと金田優斗は十影高校1年F組のボッチだった。

俺は顔だけで人類全員に避けられるような顔をしていた。

神様が左手で描いたとかそういうレベルじゃない。

神様が逆立ちしながら足で筆を持って書いたレベルだ。

つまり顔のせいで友達がいないのだ。 

小学校の時の5年かけて仲良くなった友達にも顔がもう少しだけよかったらモテモテなのにな、と言われた。(中学は3年しかないため友達など出来なかった)

そう、自分で言うのもなんだが顔以外はそこそこ、いやだいぶいけてると思う。

筋トレはかかさずやっておりいい感じの細マッチョ、髭や眉毛の処理もきれいに行っている。

料理上手で運動神経も抜群、勉強も全国模試1位の実力もある。

なのになんでマッシュのバカよりモテないんだ。

まぁ理由はわかりきってるが。


ある日、俺は教室で自分で作った弁当を食べていた。

今日のこの弁当はこのだし巻き卵がうまくできた。

さっそく食べようとすると、


「バジャーン」 


何かが俺の体にかかった


「え?」

「あ、ご、ごめん!今拭くね!」


と水をかけた彼女が俺の顔をチラッと見ると二度見して二度めにこちらを見た時は数秒俺の顔を見ていた。俺はそれをなんとも感じないので会話を続けた。


「多分水でしょ?乾いたらなんともないので大丈夫だよ」

「ちゃんと拭くよ」

「大丈夫だよ」

「拭・き・ま・す」 


妙に押しが強いこの子に持ってきていたタオルで拭かれていた。


(なんか犬みたいな気分だな)


終わったのだろうかタオルを引き上げた。


「ごめんね。私は高橋紗和だよ」

「大丈夫。僕は金田優斗、よろしくね、高橋さん」

「うん、よろしくね」


そう言ってグループに戻っていった。

そのグループでひそひそ話す声が聞こえる。

高橋さんは学年1の美少女でクラスの男子からも目線を感じる。


そのあとは何事もなく過ごした。そして放課後になった。帰ろうとすると声をかけられた。


「あ、金田くん!」

「ん、なんだい高橋さん?」

「今日はごめんね」


いい子だな〜と思いながら話を聞いていた。


「今日のお礼として何かしたいの」

「え、えぇと…あ、じゃあ一緒に帰らない?」

「そんなことでいいの?」

「うん」

「分かった。一緒に帰ろっ!」


高橋さんも電車で帰るらしく電車に乗り込んだ。


「高橋さんは部活とか入ってるの?」

「私はバレーボール部だよ!」

「え!ここのバレー部ってきついって聞いてるよ」

「うん…確かに厳しいけど頑張ってるよ。金田くんの部活は?」

「俺は帰宅部だよ。入りたかった部活はあるけど断られちゃったんだ」

「えー、金田くん、足速いし運動できそうなのにね!」

「あはは、褒めてくれてありがと」


そんなたわいもない会話をして楽しんでいた。


「水をかけられたくらいで学年1かわいい高橋さんと帰れるなんてすごく幸運だよ」


そういって高橋さんの方を見るとひどく赤面していた。


「か、かわ、かわいい?」

「ん、どうしたの?」

「な、なんでもない!」


少し経って高橋さんの顔が落ち着いて来た頃に話しかけられた。


「金田くん、そんなこと色んな人に言わないでよね!」

「え、な、なにを?」

「もう……ひゃっ」 


高橋さんの高い声が聞こえた


「どうしたの?」

「い、いやなんでもないよ」

「そっか」


なんでもないと言われたが念のため周囲を確認した。

すると高橋さんが痴漢に遭ってることがわかった。

俺はすぐに痴漢野郎と高橋さんの間に入り痴漢野郎の手を捕らえた。


「ねえ、そこの変態野郎次の駅で降りてもらおうか」

「高橋さん、次で一旦降りるね。付いてきてくれる?」


高橋さんはうなづいてくれた。

そして半ば強制的にそいつを引っ張り出した。

そのあとは駅員に引き渡し、事情を聞かれた。

駅員室から出たら日が暮れかけていた。


「ごめんね、金田くん。めんどうなことに付き合わせちゃって」

「面倒なんかじゃないよ。困ってる人を見過ごせないからね。ましてや友達はね。」

「ともだち…」

「あ、ごめん!馴れ馴れしすぎたね」

「いや!私たちは友達だよね♪」


そして電車に乗って高橋さんの降りる駅になった。


「今日はごめんなさい。そしてありがとね!金田くん、かっこよかったよ!じゃあね!」


そう言って高橋さんは電車を降りていった。

俺も2駅離れたところで電車を降り家に帰った。


「ただいまー」


2階の自分の部屋に入りベッドに倒れこむ。


「ふぁーーー」

久しぶりに家族以外の人と話した気がする。

おかげで疲れたな。でも楽しかったな。

お礼で一緒に帰ってくれたからこれからは仲良くできないだろうな…

人と話すことは結構体力を消耗するらしい。

俺はそのままベッドに意識を吸われた。


「お兄ちゃん!ご飯だよ!」


俺は妹の玲奈の声で目を覚ました。

玲奈は中学2年生だ


「あ、あぁ分かった。今行く」


そう言い下に降りた。


「お、来た来た」

「もしかして寝てたの?」 


うちは両親と妹、それと兄と姉がいる。

兄と姉は一人暮らしをしており今は4人暮らしだ。

ただお父さんは仕事が忙しく俺が寝たあとに帰ってくる。

お母さんは専業主婦だ。


「今日は疲れたからね。それにしてもご飯美味しそうだね」

「今日は生姜焼きよ」

「「いただきます!」」

「おいしー!」

「ふふっ、ありがとね」

「お兄ちゃん私の生姜焼きも食べる?」

「玲奈…我慢は良くないぞ?」

「ん、むぅー。ダイエット中だけど美味しそう…ど、どうすればいいと思う!?」


俺と母さんは妹の言葉に笑った。

そんなこんなで食事を終え眠りについた。


翌日


いつも通り学校で一人で佇んでいるとなんと話しかけられた。


「おはよう!金田くん」

「お、おはよう、高橋さん」

「そういえば昨日LINE交換し忘れちゃったから今交換しようよ」


教室がざわつき始めた。そらそうだろう。

急に学年1の美人がクラスのぼっちにLINEを交換しようと言っているのだ。

しかも昨日何かあった言い草だ。


「えっと…いや、かな?」


俺が返事をしなかったから高橋さんが聞いてきた。


「い、いやじゃないよ!むしろこっちからお願いしたいくらいだ!」

「そ、そっか。良かったー」

「じゃあコード出すね」

「うん!」


そうしてつつがなくLINEを交換した。

「じゃあまたあとでね!」 


そう言い残しみんなのところに戻った。

戻ったあと高橋さんは質問攻めだった。

俺にも聞こえるレベルで話していたから決して盗み聞きではない。


「さ、紗和どうしたの!?あ、あんなぼっちとLINE交換なんて…」

「ほ、本当だよ。昨日何かあったの?」

「え?一緒に帰っただけだよ」

「「「一緒に帰った!?」」」

「これは話しを聞く必要があるようだね」


クラスの女子は怒るというよりニヤニヤしていた。

何人かはあくどい笑みを浮かべていたが。

俺はなぜ?と思っていた。

仲のいい女子が得体の知れないやつと一緒に帰っていたら危険性を説くだろう。

しかも高橋さんは美人だ。

危ない目に遭うこともあるだろう。

というか実際に痴漢に遭っていたし。

話が終わったらしくみんな席に戻っていった。するとLINEの通知が鳴った。


「ピロン」


クラスのみんなが一斉にこちらを向いたあとすぐに高橋さんの方を見た。

しかし高橋さんは友達と話しておりLINEを送れる状況ではないと分かると落ち着いた。


俺のLINEの通知の主は幼なじみからだった。

彼女の名前は上田千尋、同じ高校1年生だ。

幼なじみと言っても親の仲が良かったという理由で仲良くなり同じ学校に通ったことはない。


『今日空いてる?よかったら一緒に遊ぼうよ!』

『今日は暇。学校終わったらそっちの家行くね』


OKというスタンプが返ってきて俺はスマホを置いた。

HRが終わり放課後になった。高橋さんに


「バイバイ!」 


と言われたこと以外はいつもと変わらず一人で帰っていた。そうして電車で帰り、千尋の家の最寄り駅についた。


「そういや、高橋さんもここの駅で降りてたな」


そうして上田家についた。


「ビーン"ボーン"」


ここのピンポンは少し濁った音がする。


「はいはーい」


そういわれ数秒待つと千尋の母が出てきた。


「あら、優斗くんじゃない。どうしたの?」

「あいつに呼ばれてきました」

「あらあら。あの子は部屋にいるわよ」

「ありがとうございます」


そういって家に入った。


「お邪魔します」


この家も一軒家の二階建てで千尋の部屋は2階だ。


「入るぞー」 


ものすご〜くだらけた千尋がいた。

部屋はぐしゃぐしゃ(いつもどおり)でベッドに寝っ転がりながらスマホをいじっていた。服からも色々と見えていた。 


「おー、来たか」


こいつは何も気にしない。 


「お前もうちょっと片付けるなりしろよ」

「そんなことがあたしに出来るとでも?」

「それはいいとしてももうちょっと自覚を持て」

「?、あ、もしかしてあたしに発情しちゃった?」

「はいはい。で?今日は何すんだ?」

「いや、スマブラしようかと」


スマブラとはテレビゲーム『スマートブライアン』の略だ。

簡単に言うと相手を吹っ飛ばす格ゲーだ。


「ん、電源つけるか」

「やっといてー」

「へーい」


ちゃちゃっと準備を終えると隣に千尋が来た。


「なにつかう?」

「俺はゴリラかな」

「あたしはカーピィだ」


千尋のゲームの腕はすごく俺はなすすべなしにやられた。


「優斗は弱いなー」

「お前が強すぎるんだよ」


そんなこんなで時間が過ぎた。


「うし、これラストな」

「わかった」

『3・2・1 GO』


千尋はいきなりダッシュで詰めて横Bで吹っ飛ばそうとする俺はそれをジャンプで交わし下にいるカーピィを潰す。

カーピィは急いで逃げようとするが俺はそれを見逃さずにスマッシュ


「勝ったー!」 


一矢報いたな


「え、え、も、もう一回!」

「いやもう帰らないと」

「勝ち逃げずるいよ」

「またやってやるから」

「…許す」

「ありがとさん、またな。千尋」

「おう、またな!」


そう言い俺は下に降りた。千尋の母に

「お邪魔しました」と言うと


「あら、帰るの?晩御飯作るから食べていけばいいのに」

「いえいえ、大丈夫です」

「うん、また遊んであげてね」

「はい」


そして、俺は家に帰った。


紗和視点 


な、なんで千尋の家から金田くんが出てくるの!?

私は金田くんが千尋の家から出てくるところを見てしまった。

私と千尋は小学校、中学校と同じであり仲が良かった。 

ただ千尋は浮いた話しがなく男女ともに仲が良いと評判だった。

そんな千尋の家から金田くんが出てくるなんて…もしかして中学生の頃から付き合ってたのかな…

で、でも私には関係のない話しか!

そしてちょっと落ち込みながら千尋の隣の家である自分の家に帰った。


2日後


「お兄ちゃん!朝だよ!」


妹の玲奈が部屋に入ってくる。


「今日は日曜だろうが…もうちょっと寝かせてくれ」

「んーと、玄関に莉央さん来てるよ」

「え!?」


俺はちょっと急ぎめで玄関に向かいドアを開けると


「あ、優斗」

「何やってんだよ莉央」 


玄関に居たのは小学校で唯一の友達だった「阿部莉央」、綺麗な白い長髪でこいつとは気が置けない存在だ。


「一応LINEはしたんだよ?」


確認すると昨日の2時にLINEが来ていた


「既に寝てるよ!」

「ここで会えたからオッケー!40秒で支度しな」


どっかの女船長に指示されて準備するが一体なんなんだ。

何をするかまったくきいていない。

何をするのか俺なりに考えていると玲奈が話しかけてきた。


「莉央さん、かわいいよね!莉央さんみたいな子もいて千尋さんみたいな幼なじみもいるなんて」


俺はこいつがしている誤解をずっと解いていない。

理由は特にないが。

準備を終え莉央のところに行った。 


「今日はなにしにここへ?」

「色々と聞きたいことがあってねー」


このニヤニヤした顔を殴ってやりたい。


「とりあえずカフェに行きたいな!」

「はぁ、駅前のトトールでいいか?」

「オッケー」


歩きながら莉央と話していた。


「結構久しぶりだね」 

「んーと、受験のときは会ってなくて、今5月だから…大体4、5ヶ月くらいか」

「前までは1ヶ月に1回くらい会ってたからだいぶ空いたね。高校はどう?友達できた?」

「本気で聞いてるの?俺の顔で」

「内面を知ってる人がいればね」  

「まだ高校入って2ヶ月だ。そもそも最初から避けられてるんだよ」

「ちゃんと話してくれるやつがいるならいいんだけどね」

「会話をするのにも顔が必要なんだよ」

「最低限の顔とマナーが必要なんだね、ふふっ」


そんな会話をしながらカフェについた。


「単刀直入に聞くがなんで呼んだんだ?」

「せっかちは嫌われるよ。すいませーん、カフェラテ一つ。…頼まないの?」

「…アイスコーヒー一つ」


俺は注文を店員に言うとその店員は俺の顔と莉央の顔を見比べた。

お前がこんな可愛い子と!?と目線で言われた気分だ。

数秒後には


「かしこまりました」


と奥に戻った。


「アイスコーヒー前から好きだよね」

「そっちはカフェラテなんだな」

「甘いものはおいしいからね!」

「お待たせしましたー」


全く待っていないがお待たせしましたという店員を尊敬の目で見てアイスコーヒーを飲んだ。


「本題に入るけど一昨日彼女と帰った?」

「ブフゥーーーーッ」

「なんとなくそうなることはわかってたよ。で彼女と帰ったの?」

「彼女じゃねえよ」

「あ、でも帰ったんだ」

「あ、チッ」

「ふっふっふー、相手は超絶美人らしいじゃないですかー」

「なんでそこまで知ってんだよ…」

「あ、あの!金田くん!」

「へ?た、高橋さん!?」

「そうそうこんな感じの美人って、え?」


紗和視点


今日は映画を最寄り駅から2駅離れたところに行っていた。


「『君の夏と僕の冬』最高だったなー!」


この映画は人によって解釈が変わる名映画と大人気だった。そんな映画の名シーンを頭に浮かべながら帰路についていると金田くんが目についた。

そして次の瞬間、隣にいる可愛い女の子が目に焼き付いた。金田くん、デートかな…あれ?昨日千尋の家にいたよね?ん〜、もしかして二股!?

そ、そんな人だったなんて…

私は金田くんを後ろから追いかけてトトールに入るのが見えた。

すると一昨日も美人な人と帰ったと言っているではないか!これは突撃するしかない!


「あ、あの!金田くん!」


「へ?た、高橋さん!?」

「そうそうこんな感じの美人って、え?な、なんで優斗に話しかけられるの!?」

「そこに驚くんかい。それでどうしたの?高橋さん」

「優斗、この子は?」

「あぁ、同じクラスの高橋紗和さん。一昨日は確かにこの子と帰ったね」

「え、えーと金田くん、この人は?」

「小学校が同じだった、阿部莉央」

「よろしくね!高橋さん!」

「も、もしかして阿部さんって金田くんの彼女?」

「え?そんなわk」

「はい!私、金田くんの彼女なんです!」

「は!?」

「や、やっぱりそうなんですね。すみませんお邪魔しちゃって。私帰りますね!」

「え、あ、ちょっとまって!」


高橋さんはそのまま帰っていった。


「え!?お前何してくれてんの!?」

「え〜?彼女に向かって何言ってるの〜?」

「殺すぞ」

「あっはっはっは、ちょっとからかっただけだって」

「はぁ、LINEで説明しよう」

「ストーーーップ」

「今度はなんだ…」

「先に聞くけどあの子とは付き合ってないの?」

「当たり前だろ…一昨日会って帰っただけだ」

「そっか、そっかー」

「ニヤニヤすんな」


俺は高橋さんにLINEをする。


『ごめん!莉央が変なこと言って。あいつの言うことは気にしないで。俺たち付き合ってないから!』


すぐに返信がきた


『ううん、大丈夫だよ!でもごまかさなくていいよ。私も応援するよ!』


誤解は解けなかったようだ。


「はぁ、まぁいいや」

「これからは〜、どうしようかなぁ」

「まだどこか行くのか?」

「聞きたいことは聞いたけどせっかく会ったんだしなんかしようよ」


そして俺は日暮れまでショッピングに付き合わされた。


「じゃね!楽しかったよ」

「おう、またな」


俺は家に帰った。


「おかえり!お兄ちゃん。デートどうだった?」

「だから付き合ってねえよ」

「え〜、あんなに可愛い子が近くにいるのにねー」

「はー、あいつはーーーーーー」

「えぇ〜ーー!」

「はい、この話終わり。あいつと過ごして疲れたんだよ…出てった、出てった」


玲奈はまだ衝撃の事実にびっくりしており


「莉央さんが…?」


などと呟いている。そんな状態の玲奈を押し返し寝た。


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