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ばけもの子供の物語

詩 ばけもの子供の物語 頼

作者: 仲仁へび



「先生! 生まれた子供はどうですか!?」

 「実は赤ん坊の事ですが、とてもーーです」


「そんな! じゃあ、私達の子供は」

 「ええ、我々の世界では生きてはいけないでしょう」


 生まれたばかりの

 特異な子供

 醜悪な体が

 人目をひいた


 人間達は顔しかめ

 赤子を哀れむ

 泣き崩れる


 これでは生きてはいけやしない

 だから 早く楽にしてやろう


 赤子は川に流されて

 とある村へとたどりつく


 そこは人里離れた場所

 ばけものたちが大勢住む

 ばけものだらけの小さな村


 赤子は拾われ 可愛がられ

 醜悪な見た目 よく似ていて

 親近感をもたらした


「あんれ、まあ」

 「こんなところに赤ん坊が捨てられとるよ」


「かわいそうにねぇ」

 「つれてかえったろうか」


 赤子はすくすくと 成長して

 村で頼られる力持ち

 求められれば即応じ

 毎日どこかでばけもの助け


 いつしか村の中心に

 つぎの村長はもう決まり

 みんなが認める存在に


 人から嫌われ 哀れまれ

 価値がないと断じられ

 生きてはいけぬと拒絶され

 未来の人生 否定され

 ばけものの村に たどりつく


「あの時、拾われて本当によかったなぁ」


「おらは、みんなに助けてもらって、幸せ者だ!」



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